建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 材料力学の基礎 > 二次元問題

二次元問題について

この記事の要点

弾性力学の二次元問題には平面応力状態と平面ひずみ状態の2種類があり、どちらの仮定を適用するかは構造物の形状(板厚と平面寸法の比)によって決まる

建築構造では床スラブや壁板などで平面応力状態が、土木構造ではトンネルや擁壁などの奥行きの長い構造物で平面ひずみ状態が主に使われる。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


ここでは、三次元で考えた応力歪関係、歪変位関係を二次元問題に縮退(次数を落とすこと)して考えてみましょう。


構造物を解析する際には、全て三次元でモデル化すると解析時間もかかることや、二次元で考えても問題ない場合があります。その際に、以下の考え方は有効です。


100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

平面歪状態

以下のような物体について考えてみます。


図の平面形状よりも遥かに奥行き方向の寸法が大きいとき「平面ひずみ」という2次元問題として扱うことが可能です。平面ひずみでは、平面の変形のみを考慮し、z方向の変位ベクトルは発生しないという状況を考えます。式で表すと、




なので、歪-変位の関係に定式を考えると



となります。


まず、三次元の等方弾性体における応力歪関係は次式で表されます。



z方向に関する変位ベクトルは発生しないという仮定をしているので、



となります。

平面応力状態

以下のような物体について考えてみます。


図の平面形状がよりも奥行き方向の寸法が小さいとき「平面応力」という2次元問題として扱うことが可能です。平面応力状態では、平面と直交方向の応力が平面応力よりも小さいので無視できるとします。式で表すと、




となります。


まず、三次元の等方弾性体における応力歪関係は次式で表されます。



上式を歪について計算し直すと、



となります。平面応力状態の条件式を代入すると、



ですから、連立方程式よりσxとσyを求めると、



となります。また、せん断応力は平面にのみ生じるので、



ですね。

混同しやすい用語

平面応力状態 vs 平面ひずみ状態

平面応力状態は板厚方向の応力がゼロ(σz=0)と仮定し、板厚が薄い板状構造物(床スラブ・壁板)に適用される。

平面ひずみ状態に対して奥行き方向のひずみがゼロ(εz=0)と仮定し、奥行き方向の寸法が大きいトンネルや擁壁などに適用される点が異なる。

二次元問題 vs 軸対称問題

二次元問題はXY平面内で応力・ひずみを求める問題で、平面応力・平面ひずみの仮定によって3次元から次元を削減する。

軸対称問題に対して二次元問題は直交座標系で扱い、平面形状の対称性がなくても適用できる点が特徴である。

二次元問題を整理した表を示します。

項目内容備考
平面応力状態板厚方向の応力がゼロ(σz=0)と仮定薄板・床スラブ・壁板に適用
平面ひずみ状態奥行き方向のひずみがゼロ(εz=0)と仮定トンネル・擁壁など奥行きの深い構造物に適用
独立応力成分数平面応力:σx, σy, τxy の3成分3次元9成分から次元削減することで解析効率が向上

まとめ

今回は、2次元問題の解析を行うときに有効な2つの概念について説明しました。

建築では主に、床や壁等の平面寸法が厚さよりも大きい場合の構造体が多いので、「平面応力状態」の問題を扱います。一方、土木では、トンネルなどの平面よりも奥行き方向のスパンが長い構造物があるため、平面ひずみを仮定して問題を解く場合があります。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

理解度チェック

Q.

弾性力学の二次元問題とは何ですか?

答えを見る

三次元で考えた応力歪関係・歪変位関係を二次元に縮退(次数を落とすこと)して考えるものです。平面応力状態と平面ひずみ状態の2種類があり、全てを三次元でモデル化すると解析時間がかかるため、二次元で扱える場合に有効です。

Q.

平面応力状態と平面ひずみ状態はどう使い分けますか?

答えを見る

構造物の形状(板厚と平面寸法の比)で決まります。平面応力状態(σz=0)は床スラブ・壁板など薄い板状構造物に、平面ひずみ状態(εz=0)はトンネル・擁壁など奥行き方向の寸法が大きい構造物に適用します。建築では平面応力、土木では平面ひずみが主に使われます。

Q.

二次元問題にすると応力成分はどうなりますか?

答えを見る

3次元では9成分ですが、平面応力状態ではσx・σy・τxyの3成分に削減されます。次元を削減することで解析効率が向上します。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

二級建築士の構造を独学で攻略

・過去問の使い方と勉強法をわかりやすく解説

・まずはこの記事から ⇒  二級建築士の構造の勉強法

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 材料力学の基礎 > 二次元問題
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事