建築学生が学ぶ構造力学

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二次元問題について

この記事の要点

弾性力学の二次元問題には平面応力状態と平面ひずみ状態の2種類があり、どちらの仮定を適用するかは構造物の形状(板厚と平面寸法の比)によって決まる。

建築構造では床スラブや壁板などで平面応力状態が、土木構造ではトンネルや擁壁などの奥行きの長い構造物で平面ひずみ状態が主に使われる。

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ここでは、三次元で考えた応力歪関係、歪変位関係を二次元問題に縮退(次数を落とすこと)して考えてみましょう。


構造物を解析する際には、全て三次元でモデル化すると解析時間もかかることや、二次元で考えても問題ない場合があります。その際に、以下の考え方は有効です。


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平面歪状態

以下のような物体について考えてみます。


図の平面形状よりも遥かに奥行き方向の寸法が大きいとき「平面ひずみ」という2次元問題として扱うことが可能です。平面ひずみでは、平面の変形のみを考慮し、z方向の変位ベクトルは発生しないという状況を考えます。式で表すと、




なので、歪-変位の関係に定式を考えると



となります。


まず、三次元の等方弾性体における応力歪関係は次式で表されます。



z方向に関する変位ベクトルは発生しないという仮定をしているので、



となります。

平面応力状態

以下のような物体について考えてみます。


図の平面形状がよりも奥行き方向の寸法が小さいとき「平面応力」という2次元問題として扱うことが可能です。平面応力状態では、平面と直交方向の応力が平面応力よりも小さいので無視できるとします。式で表すと、




となります。


まず、三次元の等方弾性体における応力歪関係は次式で表されます。



上式を歪について計算し直すと、



となります。平面応力状態の条件式を代入すると、



ですから、連立方程式よりσxとσyを求めると、



となります。また、せん断応力は平面にのみ生じるので、



ですね。

混同しやすい用語

平面応力状態 vs 平面ひずみ状態

平面応力状態は板厚方向の応力がゼロ(σz=0)と仮定し、板厚が薄い板状構造物(床スラブ・壁板)に適用される。

平面ひずみ状態に対して奥行き方向のひずみがゼロ(εz=0)と仮定し、奥行き方向の寸法が大きいトンネルや擁壁などに適用される点が異なる。

二次元問題 vs 軸対称問題

二次元問題はXY平面内で応力・ひずみを求める問題で、平面応力・平面ひずみの仮定によって3次元から次元を削減する。

軸対称問題に対して二次元問題は直交座標系で扱い、平面形状の対称性がなくても適用できる点が特徴である。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では平面応力状態と平面ひずみ状態の定義とその適用条件(σz=0かεz=0か)が問われることがあるため、両者の違いを明確に覚えておくことが重要だ。

条件式の違いが応力-ひずみ関係式(構成式)の形にどう影響するかを比較しながら学ぶと、有限要素解析での要素選択の判断力も養われる。

二次元問題を整理した表を示します。

項目内容備考
平面応力状態板厚方向の応力がゼロ(σz=0)と仮定薄板・床スラブ・壁板に適用
平面ひずみ状態奥行き方向のひずみがゼロ(εz=0)と仮定トンネル・擁壁など奥行きの深い構造物に適用
独立応力成分数平面応力:σx, σy, τxy の3成分3次元9成分から次元削減することで解析効率が向上

まとめ

今回は、2次元問題の解析を行うときに有効な2つの概念について説明しました。

建築では主に、床や壁等の平面寸法が厚さよりも大きい場合の構造体が多いので、「平面応力状態」の問題を扱います。一方、土木では、トンネルなどの平面よりも奥行き方向のスパンが長い構造物があるため、平面ひずみを仮定して問題を解く場合があります。

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