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マトリクス変位法は部材の材端力を考え、剛性マトリクスを作成し作用する外力と境界条件を考慮し問題を解く方法です。
コンピューターによる計算技術の発展から、この方法が力を発揮するようになりました。
まず、マトリクス変位を勉強する前に、部材力と材端力の違いを明確にしておく必要があります。
さて、下図のような部材に作用する部材力を考えてみましょう。ここで、作用している軸力
NaとNbは、当たり前ですが次のような関係がありますね。
この軸力の符号に付いて着目すると、この軸力が作用する矢印の向きが、ティモシェンコが定義した部材力の正の値としています。
さらに、このような向きの力を部材力(例えば、せん断力や軸力、曲げモーメント)と呼んでいます。
私たちは、構造力学の基礎で意識せず、これを利用していたわけですが、実は定義されていたものだったんですね。
一方、下図に示すような、部材に作用している力を見てください。
このように、ある部材の端部から端部まで、(この場合はa端~b端まで)向かう方向に沿った力を材端力と呼びます。
さらに、部材軸の方向にx軸をとり、その直角する方向にy軸をとります。この座標を部材座標系と呼びます。
また、他の座標系と区別するために、x,yにそれぞれバーをつけて表します。
さて、部材座標系はそれぞれの部材に依存する座標系です。
よって、このまま使用しても部材ごとに位置・角度が違う場合等、材端力の値も相対的に異なってくるため、比較もできませんし意味がありません。
よって、空間に固定された部材位置に関係のない座標系を考えます。この座標系を全体座標系と呼びます。
よって、部材座標系は座標変換して全体座標系に統一する必要があるわけですね。
マトリクス変位法では、この材端力を用います。
なぜなら、材端力を用いれば、力の向きの位置関係が絶対的になりますし、
例えば、力が反対方向の向きであったとしても-の値がつくだけですので明確ですよね。
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