この記事の要点
圧密とは、土が圧縮力を受けて間隙(水・空気)を排出しながらゆっくりと体積減少する現象
粘性土は透水係数が低く排水されにくいため、圧密による沈下(圧密沈下)が長期間続く
砂質土は透水係数が大きく即座に排水されるため、圧密のような時間依存の沈下は生じにくい
この記事では、圧密とは何か、圧密沈下はどう起きるのか、有効応力とどう関係するのか、粘性土と砂質土でどう違うのかを整理します。
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圧密は、時間をかけてゆっくりと圧縮することです。また、物体に圧縮力が作用し、力の作用方向に縮むことを「圧縮」といいます。圧密は土特有の性質です。
下図のように土に圧縮力が作用すると土の体積変化(形状変化など)が生じます。圧密は土の体積変化を伴う現象の1つです。
圧密による沈下を圧密沈下と言います。土は、時間とともに歪が増大し、中には十年も圧密沈下することがあります。
鋼やコンクリートは、圧縮力を受けて変形(圧縮)しますが、圧密のような現象はありません。
今回は
について解説します。圧密沈下については、下記が参考になります。
圧密沈下とは?原因、即時沈下との違い、粘性土での発生メカニズム
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圧密は、圧縮力を受けた時、ゆっくりと変形する現象です。下図のように、圧密は土の体積変化(形状変化など)を伴います。
土は
で構成されます。水と空気を間隙といい、土に圧縮力を加えることで間隙は排出されます。
このとき
のです。
上記のように、圧密は粘性土で起きやすい現象で、圧密による沈下は長期間生じる(時間の経過と共に生じる)ため注意が必要です。
なお、意図的に土の間隙を排出するため機械的な繰り返し応力を土に加えることを締固めといいます。
土の締固めの目的は?最適含水比・締固め曲線の読み方と実務への応用
圧密による沈下を、圧密沈下といいます。一般的な材料では、圧縮力が作用した瞬間に圧縮変形しますが、圧密は時間の経過と共に圧縮変形が進みます。つまり、圧縮時の変形の特殊なケースが圧密です。
圧密と沈下の関係を下図に示します。
上図の通り、粘性土は時間が経過するほど沈下量も増大するため、圧密沈下による将来的な沈下を考慮した設計を要します。
では、なぜ圧密現象が起きるのでしょうか。下図のように、土には土粒子と間隙があります。圧密とは、この間隙が排出されるため起きる現象なのです。
鋼は圧縮力を受けると、鋼自体が縮みます。
一方、土を構成する土粒子や水は、圧縮されてもほとんど変形しません。
これを非圧縮性といいます。
下表は土と土粒子部、水の圧縮性を示します。
圧縮性は単位応力当たりの歪の大きさを表しています。
よって単位は㎡/kNです。
| 物質 | 圧縮性 ㎡/kN | |
| 沖積粘土 | 600000 | |
| 土粒子 | 2.0 | |
| 水 | 49.0 | |
単位応力当たりの歪は、明らかに沖積粘土が大きいですね。つまり圧縮されやすいのです。一方、土粒子と水はほとんど圧縮されません。つまり、「圧密は、水と空気が排出される現象」だと分かります。
砂は透水係数が大きく、排水されやすい物質です。
一方、粘土は透水係数が低く排水されにくい構造です(土粒子が細かいため)。
排水されにくいので、時間をかけてゆっくりと圧縮されます。
これが圧密が起きる要因です。
砂はすぐに排出されるので沈下もすぐ起きます。
圧密は粘土特有の現象と言えます。日本の地盤は、圧密しやすいため沈下量を想定した基礎の設計も大切です。前述しましたが、粘土層の中には10年以上かかって圧密される場合もあります。粘土の特性は下記が参考になります。
粘性土(ねんせいど)とは?特徴・液状化しにくい理由・内部摩擦角
圧密と有効応力の関係は、テルツァギがピストンを使ってモデル化しました。下図をみてください。水槽に水を満たします。バネを蓋と水槽の底に取り付けます。蓋には小さな孔をあけます。
バネは土粒子の骨格をモデル化しています。この状態で荷重を加えると、バネと水の両方が力を受けます。孔が空いているので、荷重が大きくなると排水されます。前述したように、排水されることで圧密が起きます。
また、粘土は排水されにくいため圧密(ゆっくりと変形する)が起きます。上図のモデルでいうところの「孔が小さいため、少しづつ排水される」のです。
有効応力については下記が参考になります。
今回は圧密について説明しました。土の重要な性質なので、必ず理解しましょう。軟弱地盤は、圧密に伴い沈下を起こします(圧密沈下)。圧密を理解すれば、それを改善する工法の理解も早くなります。下記も併せて学習しましょう。
圧密沈下とは?原因、即時沈下との違い、粘性土での発生メカニズム
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試験での問われ方|管理人の一言
「圧密が粘性土で問題になる理由」は必ず押さえてください。粘性土は透水係数が低いため排水に時間がかかり、長期的な圧密沈下が生じます。砂質土との比較で答えられるようにしておきましょう。(一級建築士 令和3年 No.20:粘性土支持層では即時沈下だけでなく圧密沈下も考慮が必要であることが出題)