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土の過圧密状態とは?土の力学試験結果を知る10つのTIPs

土の性質を知るための試験には、物理試験の他に力学試験があります。力学試験は、構造設計者も興味のある性質だと思います。


学生の皆さんには、何となく専門用語と意味を結び付けてもらえればと思います。ということで今回は、力学試験結果によるTIPsを紹介します。


1.圧密とは、土が水を排出することで縮む現象。

圧密沈下、という言葉があります。これは、飽和した土が荷重を受け、土の間隙水が排出され圧縮される現象です。


直ちに沈下するものではなく、時間とともにゆ〜っくりと圧縮されます。圧密試験では、円盤の中に粘性土を詰めて、ふたをします。これによる排水時間、圧縮量を計測するのです。


圧密試験によって得られた圧密指数は、値が大きいほど土は圧縮しやすいのです。圧密降伏応力は、土が過去に受けた最大応力の目安です。


2.過圧密状態は、これ以上圧密沈下しない証拠。

圧密試験が素晴らしいのは、これによって圧密沈下の発生を知ることができる点です。まず、現在、試料が受けている鉛直応力(土の土被り圧力)σvに対して、過去に受けた最大応力σoとします。


σv<σo


この状態を過圧密状態と言います。つまり、過去に大きな応力を受けて既に沈下しきっている状態なのです。また、


σv=σo


は正規圧密状態です。これは、比較的圧密沈下が落ち着いた状態と言えるでしょう。


σv>σo


は、圧密していない状態で、圧密沈下が懸念される地盤です。


3.一軸圧縮強度から粘着力C(せん断強度)を算定できる。

一軸圧縮試験は、非圧密、非排水の状態で試験体に圧縮力を作用させ、主に圧縮強度を測定する試験です。試験装置も特殊なものは必要なく、実験自体も簡便なことから最も実施例が多い試験です。


土は圧密されたり、圧密によって土中の水が排水されると性質が変わります(コンシステンシー)。ですから、圧密非排水とか、圧密排水など様々な条件下でのせん断強度を測定します。


しかし、高飽和状態の粘土は土中でも非圧密、非排水状態に近いため、一軸圧縮試験を行えば、それなりの試験結果が得られるのです。


一軸圧縮試験による一軸圧縮強度がquなら、そのせん断強度は、


qu/2


です。これを粘着力とも言います。


4.砂質土や有機土に一軸圧縮強度は使えない。

例えば砂質土は排水性に優れています(すぐに水が抜けてしまう)。そのため、非排水試験である一軸圧縮試験で正しい試験結果が得られないのです。


有機土(微生物が含まれた土、畑の土)は、圧密すると水が排水されることが知られています。


上記より、一軸圧縮試験の条件(非排水、非圧密)は不適切な土質であると言えます。


5.N値から粘着力Cを換算できる。

地盤工学の父、テルツアーギはN値と一軸圧縮強度、粘着力を結び付けました。下式より、


C=12×N=qu/2=6.25N


です。


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6.地盤の変形係数はE=700Nで算定できる

孔内水平載荷試験より地盤のヤングは測定できます。しかし、この試験を行わない場合、N値による換算が可能です。その式は、


E=700N


比較的相関のある実験式のようです。


7.細粒分含有率が大きいほどギッシリつまった土。

細粒分含有率とは、土の乾燥質量msに対して、各フルイにかけて残った質量mvを引いて、元の乾燥質量に対する百分率で表した値です。具体的に粒径は75μm未満です。下式のように、


100×(ms−mv)/mv


で表します。つまり、この数値が大きいほど細かい土粒子が多かった、ことを意味します。言い換えれば、「細粒分含有率が大きいほど密度が高い土」です。


8.細粒分含有率35%以下の土は液状化が起きやすい。

上記で説明したように、細粒分含有率が大きい土は、密度ぎっしりの土です。逆に、細粒分含有率が低いと、スカスカの土になります。コレは間隙が多くて地震が起きると弱そうです。


液状化の起きる土層として、細粒分含有率35%以下の土は液状化が起きやすいとされています。


9.20mより浅い地盤は液状化を起こしやすい。

地盤は下層になるほど、過去の土が体積され固くしまっています。逆に年齢の浅い土は弱く、20m以浅の土は液状化が発生しやすいのです。


10.粘土層は液状化が起きにくい。

悪者にされやすい粘土層ですが、案外そうでもありません。例えば、粘土層は液状化が起きにくいメリットがあります。


液状化は弱い地盤に起きやすいと考えられがちですが、そうではなく、粗い土粒子を含む土に起きやすいのです。粘土は細かい粒子が詰まった土なので、液状化は発生しにくいのです。

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