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h鋼の耐荷重(どのくらいの荷重に耐えられるか)は「応力度」と「たわみ」の2つの観点から決定します。h鋼に生じる応力度が過大になるとh鋼が塑性化し安全性に問題(荷重を支えられない恐れ)があります。また、h鋼のたわみが過大になれば、h鋼の上を歩行する場合や機器の設置が難しくなります。よって、h鋼に生じる応力度とたわみが過大とならない荷重を「h鋼の耐荷重」として設定します。
なお、応力度には「曲げ応力度」「せん断応力度」「軸応力度」があります。h鋼をどのように使うかで生じる応力度が変わります。本記事では、h鋼を梁のように使用し、かつ、長期荷重のみ作用することを想定して耐荷重の考え方を解説します。
下図をみてください。2点で支持されたh鋼の真ん中に力が作用しています。このとき、h鋼の断面には「曲げ応力度」、「せん断応力度」が生じており、「たわみ(変形)」が生じます。なお、せん断応力度はh鋼のウェブ断面積に対して小さいことが多いので考えません。
まずはh鋼の曲げ応力度、たわみを下記の公式より求めます。なお、h鋼に生じる力の形状、作用位置、支持条件に応じて、曲げモーメントM、たわみの公式は異なります。
上記より求めた値が、h鋼に作用する曲げ応力度とたわみです。次に、h鋼の許容曲げ応力度は下式より算定します。許容曲げ応力度とは、部材が許容できる曲げ応力度です。曲げ応力度が許容曲げ応力度より小さければ、部材は曲げる力に対して安全といえます。下記の2式のどちらか大きい方を使えます。特に、Fb2式は部材長さ、梁せい、梁幅、フランジ厚(つまりh鋼断面)が分かれば計算できるので簡単です。
・Fb1=1-0.4{ (lb/i)^2/CΛ^2}
・Fb2=89000/(lbh/Af)
Fb1、Fb2は許容曲げ応力度、lbは部材の座屈長さ、iは断面二次半径、Cは許容曲げ応力度の補正係数、Λ=√(π^2E/0.6F)です。Hは梁せい、Afはフランジの断面積です(Af=tw×B)。特に、Fb2式は、部材の長さ、梁せい、梁幅、フランジ厚がわかれば計算可能です。
上式より求めた許容曲げ応力度fbと曲げ応力度σが
・σ<fb
の関係になれば、曲げ応力度に関しては問題ないといえます。次に、h鋼のたわみに関する安全性ですが
・たわみδ<L/300
を最低限確認すべきでしょう。たとえば、部材長さL=3000mmのとき、許容たわみは10mmなので、h鋼のたわみが10mm未満になるようh鋼の断面を大きくするなどの工夫を要します。
以上より、曲げ応力度、たわみの値が許容値におさまるときの荷重が「耐荷重」です。なお、建物の構造設計の場合、耐荷重を求めるというよりは「まずは荷重ありき」で、「必要なh鋼断面(部材断面)」を求めます。
今回は、h鋼の耐荷重について説明しました。h鋼の耐荷重(どのくらいの荷重に耐えられるか)は「応力度」と「たわみ」の2つの観点から決定します。h鋼に生じる応力度とたわみが過大とならない荷重を「h鋼の耐荷重」として設定します。耐荷重、h鋼の詳細など下記も勉強しましょう。
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