この記事の要点
鉄骨梁の設計では、単純な「材料強度」ではなく「許容曲げ応力度」を使う。
これは横座屈の影響で低下した実際の耐力を表す値で、座屈長さに応じて変わる。
計算方法と、横座屈が設計に与える影響を整理する。
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許容曲げ応力度は下記の2式で計算して大きい値を採用できます。要するに、どちらの計算式を用いても良いので、部材の座屈長さLb、梁断面の寸法が既知であれば算定できるfb2式の計算ツールを示します。
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使い方は簡単です。
梁の座屈長さLb、梁の高さh、フランジ面積Af(Af=フランジ幅B×フランジ厚t)をmmの値で入力します。
なお、梁の座屈長さは下図に示すように、梁の全長ではないです。
梁の横倒れを防ぐ小梁(横補剛材)が入っている場合、横補剛材間の長さとします。

実際に許容曲げ応力度を計算しましょう。Lb=5m、部材断面をH-340x250x9x14とすると、許容曲げ応力度は
・短期許容曲げ応力度 ⇒ fbs=89000/(Lbh/Af)=89000/(5000×340/250×14)≒183.5N/mm2
・長期許容曲げ応力度 ⇒ fbL≒122.3N/mm2(≒183.5÷1.5)
となります。許容曲げ応力度を大きくする場合、部材の座屈長さLbを小さくするか、断面のAf(フランジ板の面積)を大きくします。
混同しやすい用語
許容引張応力度
許容引張応力度とは、引張力に対して部材が安全に抵抗できる応力度の上限値(ft=F/1.5)のこと。
許容曲げ応力度が横座屈を考慮した梁の曲げに対する許容値(Fb式)であるのに対して、許容引張応力度は純粋な引張力に対する許容値であり、適用する部材と考慮する現象が異なる。
| 条件 | 値 |
|---|---|
| 鋼材基準強度 F | 235 N/mm2(SS400等) |
| 許容曲げ応力度(長期)fb | fb = F/1.5 = 235/1.5 ≒ 156.7 N/mm2 |
| 梁の曲げモーメント M | 120 kN・m |
| 断面係数 Z | 800 cm3 = 8.0×10? mm3 |
実際の曲げ応力度:σ = M/Z = 120×10? / 8.0×10? = 150 N/mm2
判定:σ=150 ≦ fb=156.7 → OK(安全)
横座屈を考慮した Fb2 式:Fb2 = {1.0?0.4(Lb/i)/Λ}×F/1.5 (Lb:梁横補鋼間距離、i:弱軸方向回転半径、Λ:限界細長比)
| 因子 | 大きくすると fb は | 理由 |
|---|---|---|
| 横補鋼間距離 Lb を短くする | fb が増加 | 横座屈しにくくなるため |
| 梁せい h を大きくする | fb が減少 | 横座屈しやすくなる(細長比増加) |
| フランジ断面積 Af を増やす | fb が増加 | 横座屈耐力が向上するため |
| 基準強度 F を大きくする(490N級) | fb が増加(比例) | F値が直接係数に掛かるため |
Q. F=235N/mm2の鋼材の長期許容曲げ応力度(横座屈無視)は?
A. fb=F/1.5=235/1.5≒156.7 N/mm2
Q. 横座屈が問題となる場合に許容曲げ応力度を上げるための有効な対策は?
A. ①横補鋼材(ブレース等)を設けてLb(横補鋼間距離)を短くする、②フランジ断面積Afを増やして横座屈剛性を上げる、③横補鋼間隔の短縮が最も一般的
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許容曲げ応力度に横座屈はどう影響する?
横座屈の影響で低下した実際の耐力を表すため、座屈長さに応じて変わります。
Fb2式は?
Fb2=89000/(lb・h/Af) です(lb:座屈長さ、h:梁の高さ、Af:フランジ面積)。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では、Fb2式の各変数の意味(Lb:座屈長さ、h:梁せい、Af:フランジ断面積)と、許容曲げ応力度を大きくする方法を押さえておく。(一級建築士 頻出:Fb2式の各変数(Lb・h・Af)の意味と許容曲げ応力度を大きくする方法が繰り返し出題)