この記事の要点
繰り返し応力とは、正・負あるいは大小が繰り返し変動する応力です。
静的破断応力度より低い応力でも、繰り返し作用すれば材料が破壊(疲労破壊)します。
建築では大型クレーンが走行する工場や吊り橋など、繰り返し荷重が作用する構造物で疲労設計が必要です。
溶接部は応力集中が起きやすく、溶接品質(疲労等級:F1〜F10)により許容繰り返し応力が異なります。
この記事では、繰り返し応力とは何か、応力集中とどう関係するのかを整理します。
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繰り返し応力(くりかえしおうりょく)とは、繰り返し作用する応力です。
材料の破断応力度より小さな応力でも、繰り返し応力が作用すれば破断することがあります。
これを疲労といいます。
今回は繰り返し応力の意味、s-n曲線、疲労限、応力集中との関係について説明します。
破断の意味は、下記が参考になります。
破断とは?意味・破断強度と引張強度の違い・破断点をわかりやすく解説
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繰り返し応力とは、繰り返し作用する応力です。材料の破断強度より小さい応力度が作用しても、繰り返し応力が作用する場合、破断する可能性があります。また、この現象を「疲労(ひろう)」といいます。
破断までの繰り返し数が10^5以上 ⇒ 高サイクル疲労
破断までの繰り返し数が10^5以下 ⇒ 低サイクル疲労
といいます。
建築物では、繰り返し応力が作用する部材は少ないですが、工場倉庫のクレーンガーダー(クレーンが走行する梁)などが該当します。
下図をみてください。縦軸を応力度、横軸に時間をとっています。繰り返し応力の例を示します。0より大きな値を圧縮、小さな値を引張りとします。
上図の通り、一定間隔で繰り返し応力が作用していますね。
繰り返し応力と破断までの繰り返し回数の関係を示した図が「s-n曲線」です。下図に、s-n曲線を示します。
s-n曲線によれば、応力振幅が大きいほど、破断までの繰り返し回数が少ないです。逆に応力振幅が小さくなると、破断までの繰り返し回数が大きくなります。
また、ある段階で曲線が水平になり始めます。このときの繰り返し回数を、限界繰り返し数、応力振幅を疲労限といいます。
応力集中を引き起こすような余盛、断面欠損があると繰り返し応力の影響が特に大きくなります。応力集中、余盛、断面欠損の意味は下記が参考になります。
応力集中とは?応力集中係数Ktの意味と溶接・切欠きでの評価方法
混同しやすい用語
疲労限・疲労強度
疲労強度とは繰り返し応力により破断が生じる応力振幅の上限値で、疲労限はそれ以下では破断しない限界値を指します。
繰り返し応力に対して、疲労限は「何回繰り返しても破断しない応力振幅の限界」であり、s-n曲線が水平になる点で示されます。
繰り返し応力を整理した表を示します。
| 用語 | 意味 | 備考 |
|---|---|---|
| 繰り返し応力 | 繰り返し作用する応力 | 破断応力以下でも破断の恐れあり |
| S-N曲線 | 応力振幅と破断繰り返し数の関係 | 疲労設計の基本グラフ |
| 疲労限 | 何回繰り返しても破断しない応力の限界 | S-N曲線が水平になる点 |
今回は繰り返し応力について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
繰り返し応力は、繰り返し作用する応力です。
破断応力度より小さい応力でも、材料を破断させる恐れがあります。
建築では作用することが少ないですが、工場建屋などで機器の繰り返し応力に注意しましょう。
下記の記事も参考にしてくださいね。
破断とは?意味・破断強度と引張強度の違い・破断点をわかりやすく解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では繰り返し応力の疲労現象と、クレーンガーダーなどの工場建屋への適用が問われます。
応力集中と疲労の関係も確認しておきましょう。