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余盛は、溶接部の欠陥になりやすい箇所です。余盛は過小・過大のいずれも駄目で、適切な大きさが望ましいです。今回は、そんな余盛の意味や、余盛の読み方、応力集中について説明します。また似た用語で杭の余盛があります。この違いも説明します。
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余盛は「よもり」と読みます。名の通り、「余分に盛る」ことが由来です。余盛には、後述する溶接部の余盛と杭の余盛があります。両者とも「よもり」と読みます。ここでは主に、溶接部の余盛について説明します。
溶接部の余盛とは下図の部分です。また、母材ルート部から45°方向の溶接金属の高さを余盛高さといいます。
余盛が過小・過大の場合、下記の問題が起きます。
余盛が過小 溶接部の耐力が足りない
余盛が過大 余盛部(溶接部)に応力集中する
これらを避けるために、溶接部の余盛は滑らかにつくります。具体的にはJASS6により、許容値(管理許容値、限界許容値)が設定されています。余盛と併せて、脚長、サイズ、のど厚について理解しましょう。※下記の記事が参考になります。
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余盛高さの計測では、下図の距離を計測します。この高さ(母材ルート部から45°方向の溶接金属の高さ)を計測する専用のゲージがあります。
計測した余盛高さa'と設計のど厚aを引いた値をΔaとします。これらは下式の関係にあります。
適切な余盛高さであるか確認するためには、Δaの管理許容差、限界許容差を満足する必要があります。許容値は、隅肉溶接と完全溶け込み溶接で異なる値です。※溶接種類については、下記が参考になります。
隅肉溶接部の余盛高さの許容差は下記です。
・管理許容差 0≦Δa≦0.4SかつΔa≦4mm
・限界許容差 0≦Δa≦0.6SかつΔa≦6mm
完全溶け込み溶接の余盛高さの許容差は下記です。
・管理許容差 0≦Δh≦3mm(B<15mmの場合)
・限界許容差 0≦Δh≦5mm(B<15mmの場合)
前述した許容差を満足しない溶接部の余盛は、応力集中が起きます。余盛に限らず、応力は大きな部材に集まる傾向があります。余盛は、母材よりも膨らんだ形状をしていますね。この形状が母材に対して過大すぎると、力が集まってくるわけです。※下記の記事も参考になります。
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場所打ち杭は、現場でコンクリートを打設する杭です。既製杭と比べて、現場での品質管理が大きな問題です。特に杭頭部は欠陥が起きやすい箇所です。※場所打ち杭、杭頭については、下記が参考になります。
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場所打ち杭は、杭下端からコンクリートを打設します。初めに打設したコンクリートは不純物(スライム)が混じっており、設計杭頭レベルで打設を終了すると、杭頭部は耐力に不安があります。
そこで、杭頭部は余分に盛って、良質なコンクリート部を杭頭にもってきます。これが、杭の余盛です。
杭頭レベルは設計で決めているので、余盛分はカット(杭頭を切断)します。公共建築工事の標準仕様書によれば、余盛高さは下記の値です。
・A種(無水堀り) 500mm以上
・B種(それ以外) 800mm以上
今回は余盛について説明しました。溶接部の余盛は、注意しないと過小・過大になりやすい箇所です。余盛が過大だと応力集中が起きます。過小の場合、設計のど厚が足りません。鉄骨造の製品検査の参考にしてください。下記も併せて学習しましょう。
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