この記事の要点
地中梁と基礎梁は全く同じ意味で、地面の下に埋められた鉄筋コンクリート造の梁のことを指し、1階の床を支え基礎同士をつないで安定性を高める役割がある。
「地中梁」は実務で慣習的に使われる旧来の呼び名で、「基礎梁」は建築学会規準書などで使われる新しい呼び名。
かぶり厚さは基礎と同様に70mm必要。
この記事では、地中梁と基礎梁はどう違うのか、それぞれどのような役割を持つのか、かぶり厚さはどれくらいかを整理します。
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地中梁と基礎梁はどのような違いがあるのでしょうか。答えを先に言えば、全く同じ意味です。
上図のように、地中梁(基礎梁)には
があります。ところで、なぜ地中梁と基礎梁という2つの用語があるのでしょうか。これは昔、地中梁と使われていた用語が、基礎梁に変更されたためです。
今回は
について解説します。
※梁は下記が参考になります。
柱・梁とは?役割の違い・柱梁接合部・剛比の計算をわかりやすく解説
地中梁と基礎梁はどのような違いがあるのでしょうか。答えを先に言えば、全く同じ意味です。建築の実務では両方の用語も同じ意味で使います。
構造設計者である私の個人的な感想ですが「地中梁」という人の方が多い印象です。
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元々は地中梁、という言葉が先に使われました。地中梁は名前の通り、地中(地面の下)に埋められた梁のこと。
地面の下にある梁なので、鋼製では錆びてしまいます。そのため地中梁は鉄筋コンクリートで造ることが一般的です。
実務では基礎梁よりも地中梁とよくいいます。そういった慣習からも、昔から慣れ親しんだ言葉だとわかりますね。
一方、基礎梁は比較的新しい用語です。建築学会の規準書などでは基礎梁の用語がつかわれています。
なぜ地中梁から基礎梁と用語が変更されたのか。これは、基礎梁のかぶりが多く必要であるから、と推察できます。
地中梁、というと言葉の意味から察するに、普通の梁に対して土に接するから+10mmのかぶりを見込む、と考えることができますね。
一方、基礎梁は基礎と同様にかぶりを70mm必要で、「地中部の梁」と考えるより余計にかぶりが必要なのです。
※かぶり、については下記が参考になります。
地中梁(基礎梁)のかぶり厚さは?1分でわかる意味、かぶり厚さ、考え方、Jass5と公共工事標準仕様書との関係
RC梁はひび割れが起きやすく、ひび割れから土中の水分が入って鉄筋を錆びさせる可能性があります。
そうした意味からも、かぶりは多く必要なので、あえて「基礎梁」と用語変更した、と考えられます。
では、何のために地中梁はあるのか。それは1階の床を支えるためです。1階の床下は土が埋め戻してあるのですが、柔らかい盛土のため時間と共に沈下します。
沈下すると、1階床は浮いているわけですから、床を支える梁が必要です。
この梁が地中梁(基礎梁)というわけです。地中梁が無いと、1階の床は沈下して建物は使い物になりません。
また、地中梁は基礎同士をガッチシ繋げるという意味でも有効です。構造的に言えば、曲げモーメントを地中梁で伝達する、ということ。
地中梁がない独立基礎は設計上好ましくありません。下記が参考になります。
地中梁が付かない独立基礎のデメリットは?曲げ処理と設計上の注意点
以上より、地中梁(基礎梁)を入れる目的は下記の通りです。
地中梁(基礎梁)の材料は、一般に
です。土中は水分や有機成分が多いため鋼材は錆びやすく、木は腐食します。そのため、土中でも錆びたり腐食しない鉄筋コンクリートを使うのです。
地中梁の施工は、基礎工事の1つです。捨てコンクリート、砕石を敷いたら基礎、基礎柱、基礎梁、基礎スラブ等の配筋を行います。その後、型枠(一般に木製)を組んで、コンクリートを流し込み硬化を待ちます。
混同しやすい用語
地中梁(じちゅうばり)
地面の下に埋められた梁のことで、実務では慣習的に「地中梁」と呼ぶことが多い。
材料は錆びや腐食に強い鉄筋コンクリートが一般的。
基礎梁と同じ構造部材を指す。
「地中梁」は位置(地中)に着目した呼び名であり、「基礎梁」は構造的な役割(基礎の一部)に着目した呼び名という違いがある。
基礎梁(きそばり)
建築学会の規準書や正式な図書で使われる用語で、地中梁と同じ意味。
基礎と同様にかぶり厚さを70mm確保する必要がある。
地中梁と呼んでも誤りではないが、かぶり厚さの考え方で「基礎と同等」という位置づけを明確にするために用語が統一された経緯がある。
地中梁と基礎梁を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 地中梁=基礎梁 | 両者は全く同じ構造部材。地面の下に埋められたRC造の梁 | 材料は鉄筋コンクリートが一般的 |
| 役割 | 1階の床を支え、基礎同士をつないで建物の安定性を高める | 杭基礎の場合は杭曲げも負担する |
| かぶり厚さ | 基礎と同様に70mm以上確保する必要がある | 通常の梁(30mm程度)より厚い |
地中梁と基礎梁、両者は全く同じ意味です。建築学会や正式な文章では基礎梁と使う方が多いかもしれません。
逆に実務では、昔ながらの慣習で地中梁と言います。地中梁は、床を支え、力を伝達する重要な構造部材なのです。
また杭基礎の場合、地中梁は杭曲げを考慮して配筋を決定します。詳細は下記が参考になります。
杭の曲げ戻しとは?杭頭曲げ・せん断力の地中梁への伝達と設計方法
杭基礎とは?1分でわかる意味、設計、杭工事の手順、支持層、フーチングの配筋
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験では地中梁(基礎梁)のかぶり厚さが問われることがあり、基礎と同様に70mm必要である点を正確に覚えておくことが重要。
「地中梁=基礎梁」と覚えたうえで、その役割(床の支持・基礎同士の連結)とかぶり厚さの規定を一緒に整理すると試験問題を素早く判断できる。