この記事の要点
弾性支持の梁(弾性支承梁)とは、支点をバネ(弾性支承)で置き換えた梁のことです。支承剛性が有限なため、支承自体が変位します。
弾性支承の剛性(基礎地盤の変形等)・反力の求め方と、通常の剛性支点とのたわみ・モーメントの違いを解説します。
弾性支持の梁では、支点に生じる変形の影響を考慮して反力を求めます。
この記事では、弾性支持の梁とは何か、剛性とどう関係するのか、弾性支持の梁はどう求めるのかを整理します。
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弾性支持の梁とは、支点がバネになっており荷重に対して反力と変形が生じます。弾性支持の梁では、支点に生じる変形の影響を考慮して反力を求めます。今回は、弾性支持の梁の意味、反力の求め方、剛性との関係について説明します。
剛性、支点の意味は下記が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
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弾性支持とは、支点がバネになっており荷重が作用すると反力と変形が生じます。下図をみてください。これが弾性支持です。
図 弾性支持
弾性支持の梁では、バネが変形することを考慮して反力を求めます。これまで鉛直方向の支点は「変形しない(剛である)」と考えてきました。これは、ピン支点、ローラー支点、固定支点共に共通しています。
よって、荷重Pに対して反力もPになります。
一方、弾性支持では、荷重Pに対して反力がPより小さい値になり、たわみが生じます。支点、反力の意味は、下記が参考になります。
下図をみてください。中央に弾性支持があります。両側の支点はピンです。荷重が中央部に作用するとき、梁の変形と反力を求めましょう。
図 弾性支持の梁
まず、荷重Pに対する弾性支持の反力をRとします。このバネの反力Rは、力と変形の関係より、
R=Ksδ
といえます。Ksは弾性支持の剛性、δは梁のたわみです。さらに、梁自体にも剛性があり荷重Pに抵抗しています。梁の剛性をKgとします。よって、
P-R-Kgδ=0
P-R=Kgδ
ですね。R=Ksδの「δ」とKgδの「δ」は、当然等しい値です。2つの式より、Rを求めると、
P-R=Kgδ
R=Ksδ
δ=R/Ks
P-R=Kg ×R/Ks
R=P/(1+Kg/Ks)
です。上記が弾性支持の反力を求める式です。Rが求められたので、δを計算します(計算過程は省略します)。
δ=P/(Ks+Kg)
ですね。
上式より、弾性支持の反力Rは、梁の剛性と弾性支持の剛性の割合で決まります。弾性支持の剛性Ksが無限大になるとき、R=Pです。これは鉛直方向が固定された状態です。またKsが無限大になると、δ=0ですね。支点に荷重が作用しても変形は0です。
支点、剛性の意味など併せて勉強しましょう。下記が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
梁の中央に集中荷重が作用する単純梁があります。梁のたわみは、
δ=PL^3/48EI
です。ここで、力と変形、剛性の関係を思い出してください。
P=kδ
で、kが剛性でした。前述の梁のたわみの式を変形すると、
P=48EI/L^3×δ
なので、
k=48EI/L^3
ですね。これが梁の剛性です。剛性の意味は、下記が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
前述したように、弾性支持上の梁は、梁自体の剛性だけでなく、支点の剛性も反力や応力に影響します。
混同しやすい用語
弾性支持
支点がバネになっており、荷重に対して反力と変形が同時に生じる支持方式です。
支点の変形を考慮した反力計算が必要です。
ピン支点・ローラー支点・固定支点
鉛直方向が変形しない(剛である)支点条件です。
荷重Pに対して反力もPになり、支点の変形は考慮しません。
剛性
力と変形の比(P=kδ)で表すかたさの指標です。
弾性支持では梁自体の剛性と支点の剛性の両方が反力・たわみに影響します。
弾性支持の梁を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 弾性支持 | 支点がバネになっており荷重に対して反力と変形が生じる | 剛な支点と異なり変形を考慮する |
| 反力の計算式 | R=P/(1+Kg/Ks) | Kg:梁の剛性、Ks:支点の剛性 |
| たわみの計算式 | δ=P/(Ks+Kg) | Ksが無限大のとき δ=0 |
今回は弾性支持の梁について説明しました。意味など理解頂けたと思います。弾性支持に荷重が作用すると、反力と変形が生じます。一般的な支点と違い、支点の変形を考慮した計算が必要です。下記も併せて勉強すると良いでしょう。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。


試験での問われ方|管理人の一言
弾性支持の梁(弾性基礎上の梁)は、地盤をばね(地盤反力係数k×接触面積)でモデル化した構造です。
剛支点と異なり支点が変形するため反力分布が位置によって異なります。
基礎構造・杭基礎の水平力計算で使われます。
試験では「弾性支持では地盤が軟らかいほど(k小)たわみが大きくなる」「地盤が十分硬いと剛支点に近似できる」という概念が問われます。
梁の曲げ剛性EIと地盤ばね定数kの比(剛性比)が支配的なパラメータです。
k→∞(地盤が剛)のとき通常の剛支点梁と同じ解になります。