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配筋図(はいきんず)とは、鉄筋コンクリート部材の配筋状況を表した図面です。配筋詳細図ともいいます。配筋図は鉄筋の納まりを確認する目的で描きます。
例えば、柱の鉄筋と梁の鉄筋を配筋図に描いたとき「鉄筋同士がぶつかって配置できない」などを未然に防ぐためです。
構造図では、部材リスト図の後に配筋詳細図を描くことが多いです。今回は配筋の意味、描き方、記号の見方(読み方)、基礎知識について説明します。
配筋とは?1分でわかる意味、読み方、種類、配筋検査、鉄筋の名称
配筋図(はいきんず)とは、鉄筋コンクリート部材の配筋状況を表した図面です。配筋詳細図ともいいます。下図をみてください。これが配筋図(例)です。
配筋図は構造図の1つとして描きます。縮尺は1/50~1/5程度です。1/50~1/30程度の縮尺で配筋図を描いた場合「鉄筋の太さ」は表現できません。
よって、鉄筋の太さをイメージしながら各部材に鉄筋を「線や記号」で描き配筋状況を示します。
納まりが厳しそうな箇所の配筋図を描く場合、1/10~1/5などの縮尺で描きます。この縮尺では「鉄筋の太さ」を表現できます。
鉄筋の太さが表現できるので、多くの鉄筋が交差する部分で描いて施工性などを確認できます。
配筋の意味、鉄筋記号は下記が参考になります。
配筋とは?1分でわかる意味、読み方、種類、配筋検査、鉄筋の名称
配筋図を描く目的は「鉄筋の納まりを確認する」ためです。下図をみてください。柱と梁の接合部分で「互いの鉄筋がぶつかって」配置できません。
このように「鉄筋が納まらない」という状況を回避するために配筋図を描くのです。
ですから、配筋図を描く必要があるのは「各部材の接合箇所」と言っても過言では無いでしょう。部材の接合部は、最も鉄筋が交錯する箇所だからです。具体的には、
・柱と梁の接合部
・梁と増打ちの接合部
・梁とスラブの接合部
などの接合部があります(ほんの一例です)。なお各書籍で、配筋図の標準的な納まりが示されています。下記が参考になります。
ちなみに構造設計図の配筋図とは別に、施工図として配筋図を描きます。施工図の配筋図は縮尺1/1で描くため、さらに詳細な納まりをチェックできます。
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配筋図の描き方の流れを下記に示します(描き方の例です)。※CADによる配筋図作成をイメージしています。
1 配筋図用の図面枠を作っておく(縮尺は1/50~1/5等)
2 軸組図、伏図をコピーペーストする(躯体の外形を描く)
3 部材リスト図から柱、梁などの各部材をコピーペースト
4 部材リスト図の各部材の断面図を元に、躯体に鉄筋の線を描く
上記の流れで構造図における配筋図が描けます。また、配筋図の基礎知識として下記のポイントを確認すると良いでしょう(一例です)。
・学会、仕様書などの配筋規準を満足しているか?
・鉄筋記号は正しいか?
・鉄筋のかぶり、あき間隔は適切か?
・鉄筋のピッチ、本数は正しいか?
・立体的に交差する鉄筋を考慮しているか?
・定着長さは問題ないか?
・開口、スリーブなど補強筋に描き漏れはないか?
鉄筋記号、かぶり、あきの詳細は下記をご覧ください。
「構造図のまま配筋すると納まらない」という話を耳にします。また「構造図は納まりを検討していない」という記事もあるようです。
その方が経験した内容は事実かもしれません。ただし、だからと言って「全ての構造図が納まりを考慮してない」というのは言い過ぎです。
少なくとも私が構造設計に携わった経験では「納まりを無視した構造設計」をすることは無いです。
むしろ、構造設計者であれば、ほとんどの方が納まりを意識した構造設計を行うハズです。
理由は簡単で「現場で納まらない配筋を設計すると、あとで構造設計に影響する」からです。下図をみてください。柱筋に干渉するため梁の鉄筋を通すことができません。
どうすれば良いでしょうか?答えは「どうすることもできない」ので、梁の鉄筋本数や径を変えるか、梁幅を広げる必要があるかもしれません。
現場が始まってから「鉄筋本数、径、梁幅を変える」というのは簡単な話ではありません。構造図は「単に図面を描いている」訳では無いからです。綿密な構造計算を行った上で、ようやく構造図を描くことができます。
ですから、納まりを無視した構造設計をすれば「後で重大な変更を伴う」図面になります。そんな面倒なことは構造設計者自身も望んでいないでしょう。
もちろん施工の専門家の方からすると、ややラフに配筋を考えることも事実なのですが、経験の中で「これくらい余裕があるなら納まるだろう」という勘所を各人が持っていると思います。
今回は配筋図について説明しました。配筋図とは、鉄筋コンクリート部材の配筋状況を示した図です。配筋詳細図ともいいます。
鉄筋の配置状況を表すことで「各部材の鉄筋が納まるかどうか」確認することが可能です。配筋の詳細、かぶり、あきも勉強しましょうね。
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