この記事の要点
重ね継手の長さと定着長さはどちらも鉄筋径に係数を掛けて求めますが、定着はコンクリートに埋め込む長さ、継手は鉄筋同士を重ねる長さです。
定着長さは継手長さより短い場合が多く、フックあり・なし・材質・設計基準強度によって異なる係数が設定されています。
この記事では、重ね継手の長さと定着長さの違いとは何かを整理します。
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重ね継手と定着の違いは下図の通りです。重ね継手は2つの鉄筋を一体化して1本の鉄筋と同等以上の性能を持たせる方法です。
鉄筋の定着は鉄筋がコンクリートから抜け出さないように埋め込むことです。全く意味が異なるため、当然、重ね継手の長さと定着長さの考え方、実際の長さは違います。
重ね継手の長さと定着長さは、両者とも「コンクリートの設計基準強度Fc、鉄筋の材質(強度)、鉄筋径、フックの有無」で変わります。
また、重ね継手の長さはL1のみですが、定着長さはL1、L2、L3、L1h、L2h、L3h、La、Lbのように沢山の種類があります。重ね継手の長さは下図の通りです。
たとえば、D16の鉄筋の重ね継手長さが30dの場合、30d=30×16=480mmです。なお、d19以上の鉄筋では主に「圧接」という継手方法を用います。
フックありの重ね継手の場合、フックなしの重ね継手と比べて「継手長さは短く」なります。これはフックによりコンクリートとの付着性が高まるためです。
フックありの重ね継手の場合、フックなしの重ね継手と比べて「継手長さは短く」なります。これはフックによりコンクリートとの付着性が高まるためです。
鉄筋の定着長さは下図の通りです。前述したように、鉄筋の定着長さは重ね継手の長さと比べて複雑です。
下図は直線定着の長さです。
下図は折り曲げ定着の長さです。
1.La : 梁主筋の柱内折曲げ定着の投影定着長さ 基礎梁、片持梁、片持スラブ含む
2.Lb : 小梁、スラブの上端筋の梁内折曲げ定着の投影定着長さ
| 条件 | 値 |
|---|---|
| 鉄筋径φ | D22(d=22mm) |
| コンクリート設計基準強度Fc | 24 N/mm2 |
| 基本定着長さld | 35d=35×22=770mm |
| 重ね継手長さ(引張) | 1.3ld=1.3×770≒1001mm(≒46d) |
重ね継手長さは基本定着長さldに割増係数を掛けた値で決まる。
引張鉄筋の重ね継手は一般的に1.3ld(または40d)以上が必要。
答え:重ね継手長さ≒1001mm(≒40d)、基本定着長さ=770mm(35d)
| 項目 | 重ね継手長さ | 定着長さ |
|---|---|---|
| 定義 | 鉄筋同士が重なり合う長さ | 鉄筋がコンクリートに埋め込まれる長さ |
| 目的 | 引張力を隣の鉄筋へ伝達する | 鉄筋の引張力をコンクリートへ定着する |
| 長さの目安 | 1.3ld以上(引張) | 35d程度(Fc=24N/mm2の場合) |
| 使用場所 | 鉄筋の継ぎ足し部分 | 部材端部・梁柱接合部 |
Q. 重ね継手と定着の最大の違いは何か?
A. 重ね継手は鉄筋同士の間で力を伝達する接合方法。
定着はコンクリートに鉄筋を埋め込んで引張力をコンクリートへ伝える方法。
Q. Fc=24N/mm2でD22鉄筋の基本定着長さはいくらか?
A. ld=35d=35×22=770mm。
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