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コンクリートスラブの耐荷重は、コンクリート床(スラブ)が「何kgの荷重」に耐えられるか示す値です。
手っ取り早くコンクリートスラブの床荷重を知るなら、「積載荷重(せきさいかじゅう)」を調べましょう。
積載荷重は、部屋の用途に応じて考慮する荷重です。住宅の積載荷重は180kg/㎡が一般的です。
今回はコンクリートスラブの耐荷重の意味と考え方、計算方法、10cmの耐荷重、土間スラブとの関係について説明します。
コンクリートスラブ、耐荷重の意味は下記が参考になります。
コンクリートスラブとは?1分でわかる意味、遮音性、鉄骨造との関係
耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法
コンクリートスラブの耐荷重とは、コンクリートの床(スラブ)が「何kgの荷重に耐えられるか」示す値です。
耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法
マンションの床は、普通コンクリート製(厳密にいうと鉄筋コンクリート製)で、構造計算により安全性を検証しています。
構造計算のとき積載荷重を設定します。積載荷重とは、部屋の用途に応じて考慮する荷重です(※住宅用の積載荷重は180kg/㎡だが、事務室は290kg/㎡など)。
積載荷重を考慮して、スラブが問題ないように計算します。つまり、180kg/㎡の積載荷重が考慮されたコンクリートスラブは、「180kg/㎡以下の荷重」まで耐えられることを意味します。
意味合いは違うのですが、一般の方は「積載荷重≒耐荷重」と考えてもOKです。
マンションは、ほぼ全てが居住スペースなので、積載荷重は180kg/㎡と考えて良いです。その他の建物は、各居室の用途に応じて積載荷重が違います。
設計会社が保有する「構造計算書」を確認する必要があります。なお、部屋の用途別の積載荷重は下記です。
" a 住宅の居室、寝室、病室 ⇒ 180kg/㎡
" b 事務室 ⇒ 290 kg/㎡
" c 教室 ⇒ 230 kg/㎡
" d 百貨店、店舗の売り場 ⇒ 290 kg/㎡
" e 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、これらの用途に供する建築物の客席や集会室の固定席 ⇒ 290 kg/㎡
" f 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、これらの用途に供する建築物の客席や集会室のその他の席 ⇒ 350 kg/㎡
" g 自動車車庫および自動車通路 ⇒ 540 kg/㎡
" h 廊下、玄関、階段 ⇒cdeの用途に連絡する室は、350 kg/㎡とする
" i 屋上広場またはバルコニー ⇒180 kg/㎡、但し学校又は百貨店の場合、290 kg/㎡
設置する物が積載荷重に対して問題ないか確認しましょう。
居室に幅50cm×70cm、重さ150kgの本棚をのせます。積載荷重は180kg/㎡です。本棚の重さを平米当たりの荷重に変換します。
平米当たりの本棚の重さ=150÷(0.5m×0.7m)=428kg/㎡ > 180 kg/㎡ NG
上記より、平米荷重が428kg/㎡なので、この本棚は設置できません。
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コンクリートスラブの耐荷重は、前述したように「積載荷重」を確認してください。設定された積載荷重より小さい荷重を設置するならOKでしょう(※要構造設計者の確認)。
コンクリートスラブの耐荷重は概算できます。但し、コンクリートスラブの厚み、配筋量が必要です。
例えば、厚み=150mm、上下端共にD10 D13@200のコンクリートスラブの耐荷重を求めます。
M=at×ft×j=495×96×195÷1000000=9.3kNm
1m当たりの配筋量at= 1000÷2×(71+127)/2=495m㎡
応力中心間距離j=0.875d=0.875×(150-40)=96mm
鉄筋の長期許容応力度ft=195N/m㎡
上記より、コンクリートスラブは9.3kNmの曲げモーメントまで抵抗できます。具体的に「何kgまで耐えられるか?」は、スラブの長辺、短辺のスパン等に応じて変わります。
耐荷重の計算は、下記も参考になります。
耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法
ちなみに、コンクリートスラブの耐荷重を考える時、「コンクリートの圧縮強度」はあまり関係ないです(※無関係ではない)。
スラブは必ず鉄筋を入れます。コンクリートスラブの耐荷重では、前述したように配筋量や厚みの方が大切です。
人や物の重さを支えるコンクリートスラブの厚みは、150mmが一般的です。
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10cmのコンクリートスラブは、構造的に期待しない箇所に使うことが多いです(遮音材、土間コンクリートなど)。
物の重さに耐えるように設計していないので「耐荷重」は0と考えると安全です。
1階のコンクリートの床には、スラブと土間スラブ(正式には、土間コンクリート)があります。
普通、沈下する地盤の上にコンクリート床を設ける場合、スラブ(構造部材の床)とします。地盤が沈下しても、スラブが沈下しないよう構造計算します。床の厚みも120mm以上です。
一方、強固で沈下の恐れが無い地盤の場合は、土間コンクリート(構造部材でない床)です。地盤が沈下しないので、床が沈下することも無いです。
つまり、10cmの土間コンクリートの上に物を設置しても、「地盤が強固」なので沈下しないかもしれません。
但し、10cmのコンクリート床にアンカーボルトを打つと、コンクリートがひび割れるなど悪影響があります。
また、沈下の恐れのある地盤に「土間コンクリート」が設置されるケースもあるでしょう。やはり、設計会社への確認は必須です。
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今回はコンクリートスラブの耐荷重について説明しました。コンクリートスラブの耐荷重を知りたいなら、まずは積載荷重を確認しましょう。
住宅の居室なら180kg/㎡です。やろうと思えば耐荷重の計算も可能ですが、建物ごとに条件が異なるので、設計会社へ確認する方が早いでしょう。
耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法
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