建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 鉄筋コンクリート造の基礎 > コンクリートスラブの耐荷重は?1分でわかる意味、計算方法、10cmの耐荷重、考え方、土間スラブとの関係

コンクリートスラブの耐荷重は?1分でわかる意味、計算方法、10cmの耐荷重、考え方、土間スラブとの関係

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


コンクリートスラブの耐荷重は、コンクリート床(スラブ)が「何kgの荷重」に耐えられるか示す値です。


手っ取り早くコンクリートスラブの床荷重を知るなら、「積載荷重(せきさいかじゅう)」を調べましょう。


積載荷重は、部屋の用途に応じて考慮する荷重です。住宅の積載荷重は180kg/㎡が一般的です。


今回はコンクリートスラブの耐荷重の意味と考え方、計算方法、10cmの耐荷重、土間スラブとの関係について説明します。


コンクリートスラブ、耐荷重の意味は下記が参考になります。

コンクリートスラブとは?1分でわかる意味、遮音性、鉄骨造との関係

耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法

コンクリートスラブの耐荷重は?考え方

コンクリートスラブの耐荷重とは、コンクリートの床(スラブ)が「何kgの荷重に耐えられるか」示す値です。


耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法

スラブとは?専門家が解説!特徴、遮音性、種類【建築用語】


マンションの床は、普通コンクリート製(厳密にいうと鉄筋コンクリート製)で、構造計算により安全性を検証しています。


構造計算のとき積載荷重を設定します。積載荷重とは、部屋の用途に応じて考慮する荷重です(※住宅用の積載荷重は180kg/㎡だが、事務室は290kg/㎡など)。

積載荷重ってなに?1分でわかる意味と実際の構造計算


積載荷重を考慮して、スラブが問題ないように計算します。つまり、180kg/㎡の積載荷重が考慮されたコンクリートスラブは、「180kg/㎡以下の荷重」まで耐えられることを意味します。


意味合いは違うのですが、一般の方は「積載荷重≒耐荷重」と考えてもOKです。


マンションは、ほぼ全てが居住スペースなので、積載荷重は180kg/㎡と考えて良いです。その他の建物は、各居室の用途に応じて積載荷重が違います。


設計会社が保有する「構造計算書」を確認する必要があります。なお、部屋の用途別の積載荷重は下記です。


" a 住宅の居室、寝室、病室 ⇒ 180kg/㎡

" b 事務室 ⇒ 290 kg/㎡

" c 教室 ⇒ 230 kg/㎡

" d 百貨店、店舗の売り場 ⇒ 290 kg/㎡

" e 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、これらの用途に供する建築物の客席や集会室の固定席 ⇒ 290 kg/㎡

" f 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、これらの用途に供する建築物の客席や集会室のその他の席 ⇒ 350 kg/㎡

" g 自動車車庫および自動車通路 ⇒ 540 kg/㎡

" h 廊下、玄関、階段 ⇒cdeの用途に連絡する室は、350 kg/㎡とする

" i 屋上広場またはバルコニー ⇒180 kg/㎡、但し学校又は百貨店の場合、290 kg/㎡


設置する物が積載荷重に対して問題ないか確認しましょう。


居室に幅50cm×70cm、重さ150kgの本棚をのせます。積載荷重は180kg/㎡です。本棚の重さを平米当たりの荷重に変換します。


平米当たりの本棚の重さ=150÷(0.5m×0.7m)=428kg/㎡ > 180 kg/㎡ NG


上記より、平米荷重が428kg/㎡なので、この本棚は設置できません。

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

コンクリートスラブの耐荷重の計算方法

コンクリートスラブの耐荷重は、前述したように「積載荷重」を確認してください。設定された積載荷重より小さい荷重を設置するならOKでしょう(※要構造設計者の確認)。


コンクリートスラブの耐荷重は概算できます。但し、コンクリートスラブの厚み、配筋量が必要です。


例えば、厚み=150mm、上下端共にD10 D13@200のコンクリートスラブの耐荷重を求めます。


M=at×ft×j=495×96×195÷1000000=9.3kNm

1m当たりの配筋量at= 1000÷2×(71+127)/2=495m㎡

応力中心間距離j=0.875d=0.875×(150-40)=96mm

鉄筋の長期許容応力度ft=195N/m㎡


上記より、コンクリートスラブは9.3kNmの曲げモーメントまで抵抗できます。具体的に「何kgまで耐えられるか?」は、スラブの長辺、短辺のスパン等に応じて変わります。


耐荷重の計算は、下記も参考になります。

耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法


ちなみに、コンクリートスラブの耐荷重を考える時、「コンクリートの圧縮強度」はあまり関係ないです(※無関係ではない)。


スラブは必ず鉄筋を入れます。コンクリートスラブの耐荷重では、前述したように配筋量や厚みの方が大切です。

10cmのコンクリートスラブの耐荷重

人や物の重さを支えるコンクリートスラブの厚みは、150mmが一般的です。

スラブ厚とは?1分でわかる意味、規準、かぶり厚、調べ方、マンションとの関係


10cmのコンクリートスラブは、構造的に期待しない箇所に使うことが多いです(遮音材、土間コンクリートなど)。


物の重さに耐えるように設計していないので「耐荷重」は0と考えると安全です。

コンクリートスラブと土間スラブの耐荷重

1階のコンクリートの床には、スラブと土間スラブ(正式には、土間コンクリート)があります。


普通、沈下する地盤の上にコンクリート床を設ける場合、スラブ(構造部材の床)とします。地盤が沈下しても、スラブが沈下しないよう構造計算します。床の厚みも120mm以上です。


一方、強固で沈下の恐れが無い地盤の場合は、土間コンクリート(構造部材でない床)です。地盤が沈下しないので、床が沈下することも無いです。


つまり、10cmの土間コンクリートの上に物を設置しても、「地盤が強固」なので沈下しないかもしれません。


但し、10cmのコンクリート床にアンカーボルトを打つと、コンクリートがひび割れるなど悪影響があります。


また、沈下の恐れのある地盤に「土間コンクリート」が設置されるケースもあるでしょう。やはり、設計会社への確認は必須です。

土間コンクリートの設計基準強度は?1分でわかる意味、厚さ、鉄筋のピッチ

まとめ

今回はコンクリートスラブの耐荷重について説明しました。コンクリートスラブの耐荷重を知りたいなら、まずは積載荷重を確認しましょう。


住宅の居室なら180kg/㎡です。やろうと思えば耐荷重の計算も可能ですが、建物ごとに条件が異なるので、設計会社へ確認する方が早いでしょう。

耐荷重とは?1分でわかる意味、読み方、床の耐荷重と、計算方法

コンクリートスラブとは?1分でわかる意味、遮音性、鉄骨造との関係

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鉄筋コンクリート造の基礎 > コンクリートスラブの耐荷重は?1分でわかる意味、計算方法、10cmの耐荷重、考え方、土間スラブとの関係
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事