この記事の要点
許容ひび割れ幅とは、部材に許容できるひび割れ幅の上限値で、これを超えると鉄筋腐食・耐久性低下が生じます。
屋外部材は0.3mm・屋内部材は0.4mmが目安であり、設計ひび割れ幅が許容値以下になるよう配筋量を決定します。
この記事では、許容ひび割れ幅とは何か、設計ひび割れ幅とどう違うのか、屋外と屋内での値とどう違うのかを整理します。
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許容ひび割れ幅とは、部材が許容可能な限界のひび割れ幅です。このひび割れ幅を超えると、構造部材に悪影響が生じます。
今回は許容ひび割れ幅の意味、設計ひび割れ幅との違い、屋外と屋内での値の違いについて説明します。※コンクリートのひび割れは、弱点になりやすいです。下記も参考になります。
コンクリートの弱点とは?引張の弱さ・劣化メカニズムとひび割れの種類・対策
曲げひび割れとは?1分でわかる意味、原因、せん断ひび割れとの違い、計算法
許容ひび割れ幅とは、部材が許容できる限界のひび割れ幅です。このひび割れ幅を超えると、部材に悪影響が生じます(躯体の劣化など)。
現在の構造設計では、ひび割れ幅を制御する計算は行わないのが通常です。
但し、あらかじめ、ひび割れを考慮して鉄筋の許容応力度を制限したり、ひび割れに注意したいスラブや壁は、「ダブル配筋」とします。
※ダブル配筋の意味は下記が参考になります。
ダブル配筋とは?1分でわかる意味、メリット、デメリット、壁厚、図面
なお、スラブや壁の面積が大きくなると、温度応力や乾燥収縮による影響でひび割れが発生しやすいです。
部材に悪影響が起きないよう、あらかじめ「ひび割れ易い箇所」をつくります。これを目地といいます。詳細は下記が参考になります。
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許容ひび割れ幅と設計ひび割れ幅の違いを下記に示します。
許容ひび割れ幅 ⇒ 構造部材が許容できる限界のひび割れ幅。このひび割れ幅を超えると躯体に悪影響が生じる。
設計ひび割れ幅 ⇒ 許容ひび割れ幅に安全係数を考慮したひび割れ幅。施工の不確実性を考慮して、設計ではひび割れ幅の許容値を、より厳しく考える
設計ひび割れ幅は、屋外と屋内で下記の値などが採用されます。
屋外 0.2mm以下(鉄筋コンクリート構造計算規準では、0.2~0.25mm程度)
屋内 0.3mm以下(鉄筋コンクリート構造計算規準では、0.3~0.4mm程度)
日本建築学会の、鉄筋コンクリート構造計算規準では、屋外で0.2~0.25、屋内で0.3~0.4mm程度をひび割れ幅の許容値としています。
許容ひび割れ幅の値は下記が一般的です。
屋外 0.3mm
屋内 0.5mm
設計ひび割れ幅より大きな値を許容していますね。
混同しやすい用語
設計ひび割れ幅
許容ひび割れ幅に安全係数を考慮して算出するひび割れ幅で、施工の不確実性を見込んだ値です。
許容ひび割れ幅が部材の上限値であるのに対して、設計ひび割れ幅はより厳しい設計上の管理値です。
曲げひび割れ
曲げモーメントによってコンクリートの引張側に生じる、梁軸に直角方向のひび割れです。
許容ひび割れ幅は環境条件ごとの上限値であるのに対して、曲げひび割れは荷重によって実際に発生するひび割れの種類を指します。
許容ひび割れ幅を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 許容ひび割れ幅(屋外) | 0.3mm以下 | 環境が厳しいため小さい値 |
| 許容ひび割れ幅(屋内) | 0.5mm以下 | 屋外より大きい値を許容 |
| 設計ひび割れ幅 | 許容ひび割れ幅に安全係数を考慮した値 | 屋外0.2mm・屋内0.3mm程度 |
今回は許容ひび割れ幅について説明しました。意味が理解頂けたと思います。
許容ひび割れ幅は、部材が許容できる限界のひび割れ幅です。許容ひび割れ幅に安全係数を考慮した値が、設計ひび割れ幅です。
両者とも、屋外より屋内の方が大きな値を許容しています。屋外側の方が、雨や空気などの環境が厳しいからです。
また、ひび割れと目地の関係も併せて理解しましょう。下記が参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では許容ひび割れ幅の数値(屋外0.3mm・屋内0.4mm)と、環境条件による違いが問われます。
設計ひび割れ幅(計算で求めた幅)と許容ひび割れ幅(上限値)の違いを明確に整理しましょう。
ひび割れ幅を小さくする方法(鉄筋量増加・径を細くして間隔を密に)も試験で問われることがあります。