この記事の要点
パンチングシャーとは、スラブや基礎に対して集中荷重(柱軸力・杭反力)が局所的に作用し、コーン状に押し抜く破壊です。
パンチングシャー破壊はせん断破壊の一種で、計算ではスラブ有効せいと周長(柱周囲)を用いて耐力を算定します。
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パンチングシャーとは、鉄筋コンクリートの基礎やスラブを部分的に押し抜く(引き抜く)力です。
杭反力や柱軸力、アンカーボルトに生じる引き抜き力が、パンチングシャーに該当します。
今回はパンチングシャーの意味、杭、スラブとの関係、パンチングシャー破壊の計算式について説明します。なお、パンチングシャー破壊をコーン状破壊とも言います。
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パンチングシャーとは、鉄筋コンクリートの基礎やスラブを部分的に押し抜く(引き抜く)力です。下図をみてください。これがパンチングシャーです。
パンチングシャーによる破壊を、パンチングシャー破壊またはコーン状破壊といいます。コーン状破壊の意味は、下記が参考になります。
パンチングシャー破壊では、下図のようにコーン状の破壊面が形成されます。上からみると円形の破壊線ですね。
柱軸力、杭反力、アンカーボルトに生じる引き抜き力が、パンチングシャーとなります。
パンチングシャー破壊で注意したいのは、基礎せいやスラブ厚が薄い場合です。
下図をみてください。基礎スラブに杭反力が生じています。AとB、どちらの基礎が壊れやすそうでしょうか。
直感的にBだと分かるでしょう。その直感は正しいです。つまり、パンチングシャー破壊では、部材厚が薄い場合に生じます。
杭基礎のフーチングは、パンチングシャーの検討が必要です。杭反力に対して、基礎スラブの許容せん断耐力が十分か確認します。
許容せん断耐力は、パンチングシャー破壊の破壊面の断面積に、コンクリートのせん断強度を乗じた値です。
計算式は後述しますが、鉄筋コンクリート構造計算規準などに準拠した方法を用います。
一般スラブ(基礎スラブでは無い)は、パンチングシャー破壊の心配は少ないでしょう。
スラブは梁に囲まれており、柱とスラブが直接接合されることが少ないからです。
もちろん、状況に応じてパンチングシャーになりえるカ所は検討が必要です。
また、採用する建物は少ないですが、フラットスラブやフラットプレートは、梁が無いのでパンチングシャーの検討が必須です。フラットスラブの意味は、下記が参考になります。
フラットスラブってなに?フラットスラブのメリットとデメリット
パンチングシャー破壊を検討する計算式は、
Qd<Qa
です。Qdは設計用せん断力(例えば杭反力など)、Qaは許容せん断耐力です。Qaの計算式は、
Qa=bo×j×fs(左式にαをかけてもよい)
です。boは破壊面の有効幅、jは応力中心間距離、fsはコンクリートの許容せん断応力度です。Boの求め方は下記の書籍を参考にしてください。
混同しやすい用語
せん断破壊(せんだんはかい)
梁や柱がせん断力によって斜め方向に破断する破壊形式で、曲げ破壊と比較して脆性的(急激)な破壊です。
せん断破壊は梁・柱の斜め方向の破断を指す一般的な概念であるのに対して、パンチングシャーはスラブや基礎フーチングが集中荷重(柱・杭からの力)によってコーン状に打ち抜かれる特定の破壊形式を指します。
曲げ破壊(まげはかい)
曲げモーメントによって引張側の鉄筋が降伏し、最終的に圧縮側コンクリートが圧壊する延性的な破壊形式です。
曲げ破壊は梁の曲げモーメントに起因する破壊であるのに対して、パンチングシャーはスラブ・フーチングの面に対して垂直方向の集中荷重に起因するせん断破壊であり、破壊の発生形態が根本的に異なります。
今回はパンチングシャーについて説明しました。パンチングシャーは、鉄筋コンクリートの基礎やスラブを押し抜く(引き抜く)力です。
杭基礎、柱脚部、フラットスラブなどでパンチングシャーに注意しましょう。下記も併せて参考にしてくださいね。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験ではパンチングシャーの定義(コーン状破壊)と、スラブ・フーチングの設計における確認が問われます。
杭頭部からの反力集中や、柱直下フーチングでのパンチングシャー検討は基礎設計の重要項目です。
パンチングシャー耐力を高める方法(スラブ厚増加・せん断補強筋設置)も試験で問われることがあります。