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柱脚のコーン状破壊の検討について

柱脚はアンカーボルトにより基礎柱や地中梁に緊結します。このアンカーボルトは、水平力が作用したとき力を発揮します。例えば、柱が倒れようとするとき(柱脚に曲げが発生している)、アンカーボルトで引張力を伝達するからです。

※アンカーボルトの詳細な内容は、下記の記事が参考になります。


しかし、アンカーボルトが力を基礎へ伝達するためには、そのアンカーボルト自体の強度(アンカーボルトが破断しないか)や、コンクリートが抜けてしまわないか、確認が必要です。


基礎が豆腐のように柔らかいと考えてください。いくらアンカーボルトが強くとも、全く意味がないことに気づくでしょう。


さて、アンカーボルトに引張力が生じた時、コンクリートが割れて抜けてしまうような破壊が起きます。これを「コーン状破壊」と呼びます。コーン状破壊は、コンクリートの付着強度というか、せん断強度に由来するもので、耐力を求める計算式が独自にあります。


今回は、柱脚のコーン状破壊の検討について紹介します。※柱脚の種類や説明は、下記の記事を参考にしてください。

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コーン状破壊の計算式を読み解く。

コーン状破壊の計算式は下式のように求めます。

    Ta=φ2×0.31√Fc×Ac

φ2は低減係数と呼ばれています。長期で1/3、短期で2/3。また、φ1と呼ばれる係数もあります。正直、これが何なのか問われると答えにくいのですが、「こういうもの」だと思ってください。


Fcはコンクリートの設計基準強度です。※Fcの詳細な内容は、下記の記事を参考にしてください。


次に、Acはコーン状破壊するときの面積を表しています。コーン状破壊の検討で重要なのは、Acの算出を間違えないことです。


Acの求め方について

まず、コーン状破壊は定着版の外面から45°方向に線を引いた面積が壊れると考えます。下図は、簡易な露出柱脚又は根巻き柱脚のアンカーボルト状況です。各パイプを切り欠いて、その中にアンカーボルトを設置しています。

この柱に引張力が作用したとき、コーン状破壊が発生する面積は斜線部なのですが、次のように考えます。


@ 断面図をみて、定着版の両側上端から45°方向に基礎天端まで線を引く。

A 伏図をみて、アンカーボルトを中心とした破壊円を描く。破壊円の半径は(le+D/2)です。Dは定着版直径を示します。

B 4つのアンカーボルトに対して、上記で設定した円を描く。伏図で見て、円で囲まれた部分(斜線部)が有効投影面積Acとなる。また定着版の面積は控除します。


以上のようにAcを決定します。Acは、伏図をみて基礎梁や基礎天端に投影された面積という点に注意しましょう。例示した図のように、必ずしも円形になるとは限りません。地中梁にアンカーする場合、地中梁幅より大きくはならないからです。

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例題 アンカーボルトの定着長さの算定

諸言は下記のように決めました。このとき、コーン状耐力がどの程度あるか計算しましょう。


・Fc=24

・アンカーボルト径20

・短期時の引張力50kN

・引張力が作用するアンカーボルトは1本。半無限コンクリート床版に定着されていると考える。


さて、Acをどうやって求めるか考えます。少し意地悪だったかもしれませんが、定着長さがわかりません。しかし、引張力が分かっています。つまり、そこから逆算して定着長さを算定し、コーン状耐力を決めるのです。


コーン状耐力Taの算定式は、


Ta=φ2×0.31√Fc×Ac

Taは最低50kNを満たす必要があります。短期時なのでφ2=2/3です。よって、


50×1000=2/3×0.31√24×Ac

Ac=49500 mu


M20のアンカーボルトで定着版は60mmくらい。半径はle+60/2。よって面積は、

(le+30)×(le+30)=49500

です。


le≒190mm程度となります。このままだと、設計用引張力に対してギリギリの耐力ですから、定着長さはもっと必要です。以上より、定着長さLe=250mmと決めることができます。


まとめ

今回は柱脚のコーン状破壊について説明しました。柱脚の種類や、特徴について知りたい方は下記の記事が参考になります。ぜひ、勉強に役立ててくださいね。

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