この記事の要点
鉄筋コンクリート構造が成立するのは、鉄筋とコンクリートが付着によって一体化しているからです。
この付着が不十分だと鉄筋が抜け出し、梁や柱の耐力が設計値を大きく下回ります。
付着強度はコンクリート強度と鉄筋の表面形状の両方に依存します。
このページでは設計付着強度の計算式、異形鉄筋と丸鋼の違い、かぶり厚さとの関係を解説します。
異形鉄筋(SD)はリブ・節によりコンクリートとの機械的噛み合いが生じるため、丸鋼(SR)に比べて付着強度が大幅に高い。
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鉄筋の付着強度(許容付着応力度)の計算式を下図に示します。なお、下図に示す通り、鉄筋の付着強度はRC規準と告示の値が異なる点に注意します。
構造設計を行う場合、付着強度がより低い値で算定されるRC規準の値を採用すると安全側の設計となります。なお、Fcはコンクリートの設計基準強度です。
また、上端筋とその他の鉄筋を比較すると、上端筋の方が、付着強度が低くなるよう設定されています。
これは、上端筋は重力の影響で硬化前のコンクリートが下側に移動して付着性能が低くなるためです。
【鉄筋の付着強度(RC規準2010)】
【鉄筋の付着強度(令91、H12建告1450および令94、H13国告1024)】
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前述に示した付着強度の計算式を元に、実際に付着強度を計算します。
計算条件は、設計基準強度Fc=24N/mm2で、長期時の値、その他の鉄筋で材質はSD295Aとします。このとき、付着強度の計算式は

なので

より、両者の小さい方の値を採用する必要があるので、付着強度=2.31N/mm2となります。
丸鋼は異形鉄筋と異なりリブや節がないため、コンクリートとの付着性能が低い鋼材です。
そのため、丸鋼の付着強度は異形鉄筋の値と比べて低めに設定されています。たとえば前述の計算例のSD295AをSR295に置き換えて計算すると

なので

より、丸鋼の付着強度は1.35N/mm2となります。
鉄筋の付着強度を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 付着強度の計算基準 | 設計基準強度Fcに比例して決まる | RC規準と告示で計算式が異なる |
| 上端筋の付着強度 | その他の鉄筋より低く設定 | 硬化前のコンクリートが下方移動するため |
| 丸鋼の付着強度 | 異形鉄筋より低い値 | リブ・節がなく付着性能が低い |
今回は、鉄筋の付着強度について説明しました。鉄筋の付着強度(許容付着応力度)は、設計基準強度Fcが関係し、上端筋とその他の鉄筋で計算式が変わります。
また、鉄筋の付着強度はRC規準と告示の値が異なる点に注意します。構造設計を行う場合、
付着強度がより低い値で算定されるRC規準の値を採用すると安全側の設計となります。鉄筋の付着の詳細は下記が参考になります。
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試験での問われ方|管理人の一言
試験では「付着強度に影響する要因(コンクリート強度・鉄筋形状・かぶり)」と「異形鉄筋と丸鋼の付着強度の違い」を問う問題が出ます。
付着強度はコンクリートの設計基準強度(Fc)の増加に伴い向上します。
高強度コンクリートほど定着・継手長さを短くできます。
付着強度の不足は定着破壊(引き抜け)の原因になります。
かぶり厚さの確保と十分な定着長さが付着強度を活かすための基本条件です。