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フレア溶接とは開先が円弧となる部分(フレアという)に溶接する方法です。
たとえば、鉄筋同士や鉄筋と鋼板の溶接(杭頭補強筋と鋼板の接合等)、軽量形鋼の接合では接触部分の溝は円弧となるためフレア溶接を採用します。
今回は、フレア溶接の意味、脚長、のど厚、フレア溶接の溶接記号、溶接長、アーク溶接との違い、必要な資格について説明します。
フレア溶接とは開先が円弧となる部分(フレアという)に溶接する方法です。
下図をみてください。鉄筋と鋼板の溶接や、鉄筋を2本重ねて溶接する場合、鉄筋が円のために溶接部分がラッパや朝顔形に広がった円弧状の溝(開先)ができます。この円弧状の開先をフレアといい、フレア溶接は英語で「flare groove weld」といいます。
なお、建築構造物ではフレア溶接を下記に示す部分等に用います。
・杭頭補強筋(ひげ筋)
・鋼管杭
・床スラブ筋
・柱帯筋
鋼板と鉄筋の溶接は、「杭頭補強筋」の接合に用います。※杭頭補強筋の意味は、下記の記事が参考になります。
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フレア溶接の脚長は、鉄筋や鋼板に生じる応力で決めます。鉄筋や鋼板の板厚から自動的に決まるものでは無いです。ただ、実用上、
小さい方の鉄筋径または鋼板厚の0.7倍程度
とします。12.7mmの鋼板と径25mmの鉄筋を溶接するとき、脚長(サイズ)は、
S=12.7×0.7=11.2⇒ 11.0mm
とします。※脚長の意味は、下記が参考になります。
薄い方の厚みを基準にする理由ですが、径25mmの鉄筋径を基準にサイズを決めると、25mmより薄い鋼板は、「25mmの鉄筋の全耐力を負担できない」からです。
これはフレア溶接に限らず、薄い板と厚い板を溶接した場合「薄い板を基準」にして、耐力などを算定します。
フレア溶接の「のど厚(のどあつ)」はサイズの0.7倍(70%分)以上です。これは通常の溶接と同じ考え方ですね。
のど厚の意味は下記の記事が参考になります。
フレア溶接の溶接長さは、
片面溶接 10d以上(dは鉄筋径)+2S(Sは溶接サイズ)
両面溶接 5d以上(dは鉄筋径)+2S(Sは溶接サイズ)
とします。特に理由が無い限り、実務では溶接長さを短くするために両面溶接とすることが多いです。
フレア溶接の記号を下図に示します。鉄筋同士のフレア溶接はX型溶接、鉄筋と鋼板の溶接はK型溶接が一般的です。その他、V型やレ型溶接があります。
フレア溶接は溶接継目(溶接により2つの部材を繋ぎ合わせた部分)の形態の1つ、アーク溶接は溶接方法の1つです。
同じ果物だけどリンゴとミカンは全く違う物のように、フレア溶接とアーク溶接は全く別物です。
簡単にいうとアーク溶接は溶接そのものの方法の1つであり、アーク溶接以外の溶接方法にはガス溶接やレーザー溶接などがあります。
一方、フレア溶接は開先溶接の形態(溝の形)の1つで、開先形状にはI型、V型などがあります。
なお、アーク溶接とは、間隙(母材と溶接棒を離したときの空間)に2つの電極に電圧をかけて発生する高熱を利用して溶接する方法です。
高い熱と同時に弧(これをArcという)状の強い光を発することから「アーク溶接」といいます。
フレア溶接を実施するにあたって必要な資格は「半自動溶接適格性証明書」です。日本溶接協会により溶接技能が認証された際に、溶接技能者に対して発行されます。
なお、本資格の有効期限は1年で、延長希望の場合、有効期間満了する3カ月以内に更新が必要です。
今回はフレア溶接について説明しました。フレア溶接とは開先が円弧となる部分(フレアという)に溶接する方法です。
たとえば、鉄筋同士や鉄筋と鋼板の溶接(杭頭補強筋と鋼板の接合等)、軽量形鋼の接合では接触部分の溝は円弧となるためフレア溶接を採用します。
フレア溶接の溶接長さ、脚長の考え方、溶接記号も覚えましょう。特にK型溶接はよく使います。
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