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雑壁(ざつかべ)とは、鉄筋コンクリート造の耐震壁にならない(耐震壁以外の)壁のことです。
雑壁には腰壁(こしかべ)、垂れ壁(たれかべ)、袖壁(そでかべ)があります。
雑壁は地震力を負担する壁として考慮しないことが多いですが、柱や梁の剛性を増大させる作用があります。
不用意に剛性が増大すると水平力が集中し構造物への悪影響が懸念されます。通常、柱や梁に接続する雑壁は耐震スリットで縁を切ります。
今回は雑壁の意味、厚さ、剛性、耐震壁との違いについて説明します。耐震壁、耐震スリットの詳細など下記も参考になります。
耐震壁ってなに?すぐに分かる耐震壁の意味と役割、耐力壁との違い
耐震スリットってなに?耐震スリットの意味と目的、構造スリットとの違い
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雑壁(ざつかべ)とは、鉄筋コンクリート造の耐震壁にならない(耐震壁以外の)壁のことです。耐震壁は下記が参考になります。
耐震壁ってなに?すぐに分かる耐震壁の意味と役割、耐力壁との違い
下図をみてください。開口が大きく開いており、梁の下側に「垂れ壁(たれかべ)」、上側に「腰壁(こしかべ)」、柱の横に「袖壁(そでかべ)」がついています。
これらが「雑壁」です。また鉄筋コンクリート造では、間仕切壁を鉄筋コンクリート壁とすることもあります。この壁も雑壁といいます。
基本的に雑壁は「地震力を負担できない壁」とします。よって構造計算上、雑壁の耐力は無視します。※柱や梁に接続する雑壁で、適切に構造計算し配筋をした場合その限りではない。
ただ上図をご覧の通り、柱や梁に接続する雑壁は「剛性を増大させる」作用があります。
剛性が増大すると、その部材に地震力が集中します。地震力が集中すると部材の脆性破壊の原因となる等、悪影響が多いのです。
また鉄筋コンクリート造の間仕切壁も、構造物の偏心率などに剛性を考慮して計算を行います。※偏心率は考慮する場合、しない場合で不利な方を採用
よって、柱や梁に接続する雑壁は耐震スリットを切ります。耐震スリットの詳細は下記が参考になります。
耐震スリットってなに?耐震スリットの意味と目的、構造スリットとの違い
雑壁は荷重を負担しない鉄筋コンクリート壁です。必要以上に厚さを大きくしません。
120~150mm程度で十分でしょう。ただし、構造的な理由以外(意匠、設備)の制約で雑壁の厚さが決まることもあります。その他、鉄筋の納まりも影響するでしょう。
鉄筋コンクリート造の壁厚さについては下記が参考になります。
鉄筋コンクリートの壁厚は?1分でわかる意味、壁厚の規準、マンションの壁厚との関係
雑壁と耐震壁の違いを下記に示します。
雑壁 ⇒ 耐震壁にならない壁のこと。基本的に耐力は考慮しないが剛性は考慮して問題ないことを確認する。間仕切壁や垂れ壁、袖壁、腰壁などが該当する
耐震壁 ⇒ 地震力に抵抗する壁のこと。柱、梁に囲まれており開口の無い壁、開口が小さい壁のこと
耐震壁の詳細は下記が参考になります。
耐震壁ってなに?すぐに分かる耐震壁の意味と役割、耐力壁との違い
雑壁の剛性には注意が必要です。特に、柱や梁に接続する雑壁は、大幅に剛性を増大させます。
下図をみてください。一般の梁と、垂れ壁が付いた梁を示しました。剛性がどのくらい変わるのか、断面二次モーメントを計算すれば分かります。
雑壁のついた構造部材の剛性評価は色々な計算手法がありますが、数倍にも増大することもあります。
部材が思いもよらない挙動をするため、雑壁の剛性には注意が必要です。詳細は下記の書籍などが参考になります。
また鉄筋コンクリート造の間仕切壁は、偏心率の計算などで剛性を考慮します。間仕切壁の剛性はn倍(例えば1倍など)という形で評価します。
今回は雑壁について説明しました。意味が理解頂けたと思います。雑壁は耐震壁にならない壁のことです。
鉄筋コンクリート造の間仕切壁や、腰壁・垂れ壁・袖壁などがあります。柱や梁にとりつく雑壁は、剛性を大幅に増大させる恐れがあるため、耐震スリットを入れます。耐震壁、耐震スリットなど下記も参考になります。
耐震壁ってなに?すぐに分かる耐震壁の意味と役割、耐力壁との違い
耐震スリットってなに?耐震スリットの意味と目的、構造スリットとの違い
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