この記事の要点
連層耐震壁とは、1階から最上階まで連続した耐震壁で、マンションの戸境壁として多く採用されます。
連層耐震壁は曲げ破壊型(靭性型)の崩壊形が期待され、境界梁との協力で高い耐震性能を発揮します。
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連層耐震壁とは、1階から最上階まで連続する耐震壁のことです。戸境壁のある集合住宅やマンションなどで、よくみられる構造です。
※戸境壁とは、各住戸を仕切る壁のこと。今回は、連層耐震壁の意味、境界梁、枠梁との関係、崩壊形について説明します。
耐震壁の特徴、意味は下記が参考になります。
耐震壁ってなに?すぐに分かる耐震壁の意味と役割、耐力壁との違い
連層耐震壁は、1階から最上階まで連続する耐震壁のことです。下図をみてください。これが連層耐震壁です。
鉄筋コンクリート造のマンションは、各住戸を仕切る壁を耐震壁とする構造が多いです。
各住戸を仕切る壁を、戸境壁といいます。戸境壁は、隣の部屋の音が聞こえないよう遮音性が必要です。
プライバシーを守るため、開口は一切設けません。よって、戸境壁は必然的に耐震壁となります。
一般的に、マンションの各住戸は各階で同じ位置です。よって、戸境壁は連層耐震壁となります。
連層耐震壁は、沢山の地震力が集中します。よって、連層耐震壁の支点に生じる反力の処理が注意します。
引き抜き力が大きいと、すぐに支点が浮き上がります。多スパンの場合、外側でなく中央に連層耐震壁を設置します。
中央の方が、引き抜き力に抵抗する長期軸力が大きいからです。※長期軸力の意味は、下記が参考になります。
長期荷重とは?種類と計算、短期荷重との違い、短期荷重と長期荷重の安全率は?
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連層耐震壁は、境界梁を繋ぐことで、浮き上がりを抑える効果があります。
境界梁は、せん断破壊が起きないよう注意します。梁のせん断耐力を高めるため、高強度せん断補強筋が必要になることもあります。
※せん断破壊、曲げ破壊、高強度せん断補強筋は下記が参考になります。
連層耐震壁の崩壊形は、
壁の曲げ降伏
支点の浮き上がり
壁のせん断破壊
があります。靭性を高める構造とするためには、崩壊形は壁の曲げ降伏か、支点の浮き上がりが望ましいです。
ただ、所定の保有水平耐力を満たせば、壁のせん断破壊でも不可では無いです。
耐震壁は、耐力が大きいのでせん断破壊も認められています。柱や梁はせん断破壊が認められません。脆性的な破壊だからです。※脆性、靭性の意味は下記が参考になります。
せん断破壊は下記が参考になります。
混同しやすい用語
耐震壁(たいしんかべ)
水平地震力に抵抗する壁体の総称で、ラーメン架構に設ける袖壁・腰壁・垂れ壁などを含みます。
耐震壁は特定の階に設けた水平力抵抗壁の総称であるのに対して、連層耐震壁はその耐震壁が複数の階(全層)にわたって連続しているものを指し、連続することで剛性・耐力が大幅に高まります。
耐力壁(たいりょくかべ)
地震・風などの水平力と鉛直荷重の両方を負担する壁体で、壁式構造の主要構造要素です。
耐力壁は鉛直荷重と水平力を負担する壁式構造の壁要素を指すのに対して、連層耐震壁はラーメン構造内で複数層にわたって連続して設けた耐震要素を指し、適用する構造形式が異なります。
連層耐震壁を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義 | 1階から最上階まで連続する耐震壁 | マンションの戸境壁が代表例 |
| 崩壊形(望ましい順) | 壁の曲げ降伏 → 支点の浮き上がり → 壁のせん断破壊 | 曲げ降伏型が靭性上有利 |
| 境界梁との関係 | 境界梁を繋ぐことで浮き上がりを抑制 | せん断破壊防止に高強度補強筋が必要な場合あり |
今回は連層耐震壁について説明しました。連層耐震壁は、1階から最上階まで連続する耐震壁のことです。
rc造のマンションに多く見られる構造形式です。連層耐震壁の特徴、崩壊形を理解してください。下記の記事も併せて参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では連層耐震壁の特徴(全層連続・基礎浮き上がり防止)と、境界梁との関係が問われます。
連層耐震壁の崩壊形(曲げ降伏型)は、局部崩壊(柱崩壊型)より耐震上望ましい形式です。
連層耐震壁がある場合の境界梁のせん断破壊防止設計(強度確保)も重要な試験ポイントです。