この記事の要点
大きな建物で「一部は杭基礎、一部は直接基礎」という計画を立てようとして、確認申請で「併用基礎は原則禁止です」と指摘された事例がある。基礎形式が混在すると不同沈下のリスクが高まるという理由から、建築基準法は原則禁止としている。
ただしパイルドラフト工法は「杭と地盤の両方で荷重を分担する」複合基礎形式で、適切な計算により採用できる場合がある。禁止の原則と例外の条件を整理しておくと、基礎設計の判断精度が上がる。
この記事では、併用基礎とは何か、パイルドラフト工法とは何か、液状化対策とは何かを整理します。
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併用基礎は、同じ建物の基礎に、異なる基礎形式を採用するものです。併用基礎は、建築基準法により、原則禁止されています。
一方で、「国土交通大臣が定める基準に従い構造計算して、安全性が確認できた場合」は適用が除外されます。
今回は、併用基礎の意味、パイルドラフト工法、液状化対策との関係について説明します。
※基礎形式には、直接基礎と杭基礎があります。下記が参考になります。
併用基礎とは、同じ建物に異なる形式の基礎を併用したものです。同じ直接基礎でも形式が違えば、併用基礎になります。例えば、
・布基礎+独立基礎
・独立基礎+ベタ基礎
・ベタ基礎+布基礎
などです。当然、
の併用も原則禁止です。杭基礎の中でも、
の併用は禁止です。
上記のように、耐力の支持機構が異なる形式の基礎を、同じ建物で採用できません。
沈下量にバラツキが生じ、不同沈下の恐れがあること、地震時の挙動にバラツキがあるからです。※不同沈下の意味は、下記が参考になります。
不同沈下とは?1分でわかる意味、原因、読み方、ひび割れの関係
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パイルドラフト工法は、
を併用した基礎です。併用基礎の中でも、パイルドラフト工法は各ゼネコンなどが採用しています。
パイルドラフト工法は、直接基礎で建物の重量を支え、杭基礎で沈下量を抑えます。
基礎の沈下量を抑える目的で使用する基礎形式です。
併用基礎は原則禁止ですが、構造計算で問題ないことを確認すれば、使用が可能です。なお、杭基礎は、支持力に期待しないので注意してください。
パイルドラフト工法は、直接基礎で建物を支え、杭基礎は「沈下量を抑える」目的で使います。よって、杭基礎の支持力や水平抵抗力は期待しないので、液状化する地盤では使用不可です(※直接基礎では、液状化が起きると傾くため)。
液状化地盤でも使用可能な、パイルドラフト工法の研究が行われています。
混同しやすい用語
異種基礎
異種基礎は直接基礎と杭基礎など異なる基礎形式を同一建物で混在させることです。
異種基礎は基礎形式の混在を指す概念であるのに対して、併用基礎は意図的に組み合わせる工法(パイルドラフト工法等)を指します。
併用基礎を整理した表を示します。
| 比較項目 | 併用基礎(原則) | パイルドラフト工法 |
|---|---|---|
| 法的扱い | 建築基準法で原則禁止 | 構造計算確認で適用可 |
| 基礎の組み合わせ | 異なる形式の混在 | 直接基礎+杭基礎 |
| 杭の役割 | 支持力を期待 | 沈下量の抑制のみ |
今回は併用基礎について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
併用基礎は、同じ建物に異なる基礎を併用するものです。
建築基準法で原則禁止されています。
但し、構造計算で確認された場合、適用が可能です。
併用基礎の中には、パイルドラフト工法があります。
直接基礎と杭基礎を併用した基礎です。
※直接基礎と杭基礎は下記が参考になります、あわせて学習しましょう。
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併用基礎とは?
同じ建物の基礎に異なる基礎形式を採用するもので、建築基準法により原則禁止されています(不同沈下のリスクが高まるため)。
併用基礎が認められる例外は?
国土交通大臣が定める基準に従い構造計算し、安全性が確認できた場合は適用が除外されます(パイルドラフト工法など)。
