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一次元圧密とは?1分でわかる意味、テルツァーギの圧密方程式とは?

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一次元圧密とは、地盤の深さ方向(1次元)の変化のみ考える圧密です。土をはじめ、実際の物体は三次元(立体)ですが、次元を減らすことで扱う情報量(変数)を省略し、比較的簡単な計算式が得られます。ただし、次元を減らす(変数を減らす)ために、多くの仮定が必要となり、すなわち、適用範囲が狭くなります。今回は、一次元圧密の意味、テルツァーギの圧密方程式について説明します。圧密の詳細、テルツァーギの圧密方程式の誘導は下記が参考になります。

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一次元圧密とは?

一次元圧密とは、地盤の深さ方向(1次元)の変化のみ考える圧密です。実際の土(および物体)は3次元(立体)ですが、次元が多くなるほど情報量(変数)が多く、計算が面倒になります。そこで次元を減らして変数を省略することで、比較的簡単な計算式が得られます。


この操作は圧密だけではなく、たとえば、構造力学における初等梁理論でも同様に「1方向の変化のみ」考えます。


一方で、次元を減らすために多くの仮定が必要となり、すなわち、得られた計算式の適用範囲は限られる点に注意しましょう。


さて、一次元圧密の理論はテルツァーギにより考えられました。この圧密のモデルはシンプルかつ巧妙です。ここで簡単に解説します。テルツァーギの圧密進行モデルは「ピストン、バネ」で説明されます。


下図に示すようにピストンの筒、細かな孔の空いた蓋、それを繋ぐバネ(かたさをもつバネ)を考えます。このときピストンの容器は水で満たされています。


テルツァーギの圧密理論とピストン・バネモデルの断面図


バネは土粒子の骨格、水は土の間隙水を表しています。また、ピストンの蓋に細かな孔があるのは「粘性土の透水性」を表します。粘性土は粒子が細かく透水性の低い土のため、細かな孔を空けています。


上図のピストンに圧力が作用すると、載荷直後はバネは変形しませんが、時間の経過と共にバネは変形し(圧密が進行)、次第にバネの変形が終了(圧密終了)します。この現象を荷重(圧力)Δp、全応力Δσ、有効応力Δσ'、過剰間隙水圧Δuから考えましょう。

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まず、圧力を載荷した直後(圧密直後)は、透水性が低いために孔から水は溢れず、バネも変形しません。言い換えると、圧力Δpは水圧と釣り合っているのであり、このΔpと釣り合う水圧Δu(Δp=Δu)は、静水圧を超えておりこれを「過剰間隙水圧(Δu)」といいます。


時間が経過すると孔から水が溢れバネが少しずつ変形します。バネが変形するということは、フックの法則(p=kδ)より、バネに応力(有効応力)が生じていることを意味します。同時に、過剰間隙水圧は減少しており、この減少分の過剰間隙水圧がバネに伝達されたことが分かります。


テルツァーギの圧密理論と圧密進行の様子


さらに時間が経過するとバネの変形が止まります(バネが静止する)。これは圧力Δpとバネに生じる有効応力Δσ'が釣り合っている(Δp=Δσ')ことを意味し、一方で、過剰間隙水圧は0になります。


以上について、圧力Δpおよび応力の関係を整理すると


・t=0(圧力載荷直後) ⇒ Δu=Δp、Δσ'=0、Δσ=Δu+Δσ'=Δp

・t=ta(圧密進行中) ⇒ Δu=Δua、Δσ'=Δp-Δua、Δσ=Δu+Δσ'=Δp

・t=max(圧密終了) ⇒ Δu=0、Δσ'=Δp、Δσ=Δu+Δσ'=Δp


になります。圧密の考え方は下記もご覧ください。

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テルツァーギの圧密方程式とは?

前述の圧密モデルについて、複数の仮定に基づき、テルツァーギは圧密進行の偏微分方程式を導きました。これをテルツァーギの圧密方程式(一次元圧密の基礎方程式)といいます。圧密方程式を下記に示します。なお、c vを圧密係数といいます。


テルツァーギの圧密方程式


uは任意の間隙水圧、tは任意の時間、zは任意の高さ、kは透水係数、mvは体積圧縮係数、γwは水の密度です。上式は偏微分方程式であり、境界条件を設定し解が算定できます。圧密係数、テルツァーギの圧密方程式の誘導方法は下記が参考になります。

テルツァーギの圧密理論とは?一次元圧密の基礎方程式の誘導方法は?

まとめ

今回は一次元圧密について説明しました。一次元圧密とは、地盤の深さ方向(一方向)の変化のみ考えた圧密です。一次元圧密はテルツァーギにより圧密進行のモデルおよび理論式が導かれました。圧密の意味、圧密方程式の求め方など下記も参考になります。

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テルツァーギの圧密理論とは?一次元圧密の基礎方程式の誘導方法は?

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