この記事の要点
幅厚比の制限値は柱・梁・フランジ・ウェブ・断面形状・基準強度Fに応じて変わる
基準強度Fが大きいほど制限値はより厳しい(板厚を厚くする必要がある)
幅厚比が制限値を超えた場合は板厚を大きくして幅厚比を小さくする
径厚比(けいあつひ)は円形鋼管の径Dと板厚tの比(D/t)、幅厚比と同様の概念
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幅厚比の制限値は下図の通りです。下式の通り、幅厚比の制限値は柱、梁、フランジ、ウェブ、断面形状に応じて変わります。また、基準強度Fの値が大きくなるほど幅厚比の制限値はより厳しい値となります。bは幅、tは厚さ、tfはフランジ厚、wはウェブ厚、Fは基準強度、dは断面のせい、Dは断面の直径です。




幅厚比の制限値の解説図
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幅厚比が大きいと、鋼材の板が局部的に座屈(板座屈)する恐れがあります。よって、幅厚比が制限値を超えたら板厚を大きくして幅厚比を小さくする必要があります。
径厚比(けいあつひ)とは、円形鋼管の径Dと板厚tの比(D/t)です。幅厚比と同様の値と考えて良いです。径厚比の詳細は下記をご覧ください。
混同しやすい用語
径厚比
円形鋼管の径と板厚の比(D/t)である。幅厚比(b/t)は矩形・H形断面に適用し、制限値の計算式も断面形状ごとに別途規定される。
基準強度F
鋼材の基準降伏点強度で許容応力度計算に用いる値である。幅厚比の制限値の式にFが含まれ、F値が大きい490N級鋼では制限値がより厳しくなる。
今回は、幅厚比の制限値について説明しました。幅厚比の制限値は柱、梁、フランジ、ウェブ、断面形状、基準強度の値に応じて変わります。幅厚比の意味、考え方の詳細は下記が参考になります。
| 断面 | フランジ幅 b | フランジ厚 t | 幅厚比 b/t | 判定(制限値≦13) |
|---|---|---|---|---|
| H-200×200×8×12 | 100 mm(片側) | 12 mm | 100/12 ≒ 8.3 | OK(制限値以内) |
| H-300×150×6.5×9 | 75 mm(片側) | 9 mm | 75/9 ≒ 8.3 | OK(制限値以内) |
| 仮定断面(過薄) | 120 mm(片側) | 6 mm | 120/6 = 20 | NG(局部座屈の恐れ) |
フランジの幅厚比:b = フランジ幅の半分(片側)、t = フランジ厚。b/t ≦ 制限値 を満足することが必要
制限値を超えた場合の対応:板厚tを増やしてb/tを小さくする → 局部座屈耐力を確保する
| 断面形状・部位 | 幅厚比(b/t)の定義 | 一般的な制限値 |
|---|---|---|
| H形鋼フランジ(梁) | フランジ片側幅/フランジ厚 | 約9?13(等級・F値による) |
| H形鋼ウェブ(梁) | ウェブ高さ/ウェブ厚 | 約60?100(等級・F値による) |
| 角形鋼管(柱) | 板幅/板厚 | 約33?50(等級・F値による) |
| 円形鋼管(径厚比) | 外径D/板厚t | 約50?100(等級による) |
Q. H形鋼フランジ(片側幅90mm・厚9mm)の幅厚比は制限値(≦13)を満たすか?
A. b/t = 90/9 = 10。制限値13以下なので OK(局部座屈の恐れなし)
Q. 幅厚比が制限値を超えた場合の構造的対応は?
A. フランジ・ウェブの板厚tを増やしてb/tを小さくする。またはリブ(補剛材)を設けて有効板幅を短くする対応もある
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
幅厚比の制限値は断面形状(H形鋼・山形鋼・角形鋼管・円形鋼管)ごとに異なり、さらに柱と梁でも値が変わります。基準強度Fが大きい490N級鋼は400N級より制限値が厳しくなるため注意が必要です。幅厚比が超過したら板厚を増やして対応します。