【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
径厚比は、径に対する板厚の割合です。では、径厚比はどのような目的で計算するのでしょうか。今回は、径厚比の意味、読み方、パラメータ、CFT構造と径厚比の関係を説明します。
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
径厚比とは、鋼管の径に対する板厚の割合です。径厚比は下式で計算します。
Dは鋼管の直径、tが板厚です。ちなみに、単に鋼管というときは「円形鋼管」を指しています。角形の場合は、角形鋼管といいます。
径厚比は、ご覧の通り径と板厚の比率ですが、この値で局部座屈の起きやすさを判断します。径厚比が大きい(Dが大きい又はtが小さい)部材は、局部座屈が起きやすいです。逆に径厚比が小さい部材は、局部座屈が起きにくいと判断します。
※局部座屈については、下記が参考になります。
下図をみてください。板厚は同じですが、径が異なる2つの柱があります。前述した式より、板厚が同じであれば右側の柱は径厚比が小さく、左側の柱は径厚比が大きくなります。
径厚比が小さいほど、局部座屈に対する耐性が高いのです。局部座屈は、そもそも鋼管のように中が空洞の柱で起きる座屈です。もし板厚tが、径Dと同じ値なるとどうでしょうか。密実な柱(中が空洞ではない)であり、局部座屈の影響は関係なくなります。
右図をみると、明らかに局部座屈が起きないとわかります。板厚が大きくなるほど、局部座屈の耐性が高まる意味が分かって頂けたでしょうか。
径厚比と似た用語で、「幅厚比」があります。幅厚比は、鋼管以外の断面に対する「幅と板厚の比率」です。※幅厚比については、下記の記事が参考になります。
径厚比の値と部材ランクは下記です(400級鋼の場合)。
・FAランク D/t=72
・FBランク D/t=83
・FCランク D/t=112
下記の鋼管の径厚比を計算し、どの部材ランクに該当するか確認してみましょう。
D=267.4
t=6.0
D/t=267.4/6.0=44.5
上記の鋼管は、FAランクの基準値72以下なので、FAランクの柱に該当します。
径厚比の読み方ですが、「けいあつひ」といいます。ちなみに幅厚比は「はばあつひ」です。読み方を間違えないよう注意したいですね。
径厚比の値を左右するパラメーターは、
・径 D
・厚 t
です。前述したように、径厚比は局部座屈に関係する値です。板厚が薄い割に径が大きい柱を採用する場合は注意しましょう。
CFTとは、鋼管内にコンクリートを充填した部材です。CFTについては下記の記事が参考になります。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とCFT造(コンクリート充填鋼管造)の違い
CFTは鋼管内にコンクリートを充填するため、座屈に対する抵抗力が高くなります。詳しくは説明しませんが、前述した径厚比の値を使って、細長比や許容圧縮応力度を算定します。
今回は径厚比について説明しました。径厚比の意味など分かって頂けたと思います。基本的に幅厚比と同じ意味です。但し、部材ランクに対応する径厚比の値は、やや高めの値で設定されています。最後に説明したCFTについては、蛇足程度に覚えておけば十分でしょう。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート