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根巻き柱脚の検討方法について

柱脚には3つの種類があることを以前紹介しました。露出柱脚、根巻き柱脚、埋め込み柱脚です。固定度は露出柱脚<根巻き<埋め込みの順で大きくなります。つまり、埋め込み柱脚が最も固くなる構造です。逆に露出柱脚はピンに近い柔らかい構造です。


一方、根巻き柱脚は両者の中間的な位置づけですが、実は構造的な力の伝達は露出柱脚や埋め込み柱脚よりも複雑で扱いにくい柱脚です。


今回は、根巻き柱脚の検討方法について、設計用曲げ応力やせん断力の算定方法や断面算定の一例について説明しましょう。


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曲げ応力とせん断力の算定方法

根巻き柱脚の曲げ応力とせん断力を求めるとき、RC部分をどう評価する?とか『逆せん断』がどうとか、難しく考えていませんか?色んな参考書にもそう書いてありますし。でも、初学者なら大体、『逆せん断』なんて良くわからない言葉を使われると、それだけでシャットアウト。その本を読むのをやめてしまいます。

根巻き柱脚の計算がややこしいのは、RCとSの混構造だからですが、要するに下図と同じことなのです。

実際にはS柱はRC柱の中に入っていますが、構造的な力の伝達は上図で説明できます。厳密に言えば、このモデル化も違いますが、ほとんどこれで良いと思います。


さて、上図の部材応力を算出しようと思ったとき、一度に計算なんてできませんね。要するに、S柱の応力と反力を算出して?S柱の反力を元にRC柱の反力と応力を求める。こんな流れになると思います。


まず、S柱をモデル化してみます。すると、

こうなります。荷重条件は集中荷重を柱の天端に作用させました。部材の長さと支点間距離も任意に決めています。本当にこんなモデル化で良いの?と思いましたか?もう一度、根巻き柱脚をみてください。

先ほどモデル化したように、上側のピン支持と仮定した理由はRC柱によってS柱の移動が拘束されているためです。下側のピン支持はベースプレートによって拘束されているのでピン支点ですね。どうやら、S柱のモデル化は正しそうな気がしてきました。


さて、実際に応力を求めてみましょう。こういった片持ち上の梁の応力の求め方は、当サイトでも説明していますね。真ん中の支点で曲げモーメントが大きくなり、下側の支点で曲げはゼロになります。ここでは、応力算定は省略しますが、応力図は次のようになります。

ここでもう一度思い出して欲しいのが、根巻き柱脚の構造です。初めに、根巻き柱脚は下図の形状と似ていると説明しましたね。

この図で説明している、S柱の応力と反力は算定できました。しかし、S柱はRC柱に接合しているので、S柱の反力はRC柱に伝わります。よって、次はRC柱のモデル化を行いましょう。すると、下図のようになります。

先ほど、S柱の反力が求められました。その反力は、作用・反作用の原理でRC柱を押すような力になります。すると、片持ち柱としてモデル化できますね。この応力算定は簡単です。

以上のように、S柱に作用する応力とRC柱に作用する応力を求めることができました。ちなみに、逆せん断とは、通常のせん断力の方向とは逆向きに生じているせん断力です。さっぱり意味がわかりませんか?下図をみてください。

加力方向は右向きでしたね。すると、通常の曲げモーメントは上から下へ応力が大きくなっていきます。しかし上図のように、右側へ加力しているのに下側の応力は、左側から押したときの曲げが発生しています。これを『逆せん断』が発生しているといいます。逆せん断が発生している柱は、思っている以上にせん断力が大きくなるので注意が必要です。


根巻き柱脚の場合も、Pという集中荷重に対して2.5Pものせん断力がRC柱に作用することになりました。つまり、Pに対して1.5Pの逆せん断力が入ったことになります。


最後に、S柱に作用する応力とRC柱に作用する応力を足し合わせましょう。簡単ですね。下図のように、

のようになります。


まとめ

今回は根巻き柱脚の応力の求め方について説明しました。参考書や規準書をみると、当たり前のように『逆せん断であるからして・・・』といとも簡単に応力算定されています。しかし、そこに至る過程がないと初学者にはわかりません。僕もわかりませんでした。そんな方の手助けになれば幸いです。


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