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S造(鉄骨造)とは?意味・メリットと大スパン・外壁・マンションへの適用(RC造との違い)

この記事の要点

S造(Steel Structure=鉄骨造)は工場・事務所・店舗など非住宅建物に多く使われる

RC造より軽くて大スパンに対応しやすいが、耐火被覆が必要だ。

S造の特徴・メリットとRC造との使い分けを整理する。

この記事では、s造とは何かを整理します。

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s造とは、鉄骨造(鋼構造)の略称です。鋼は英語で「Steel」なので頭文字をとってS造といいます。

s造の例


今回は

という疑問について解説します。


s造に用いる材料は鉄ではなく「鋼」なので鋼構造が正式名称ですが、鉄骨造と言うことも多いです。下記の記事も参考になります。

鋼構造とは?鉄骨構造との違い・構造力学との関係と主な用途・特徴

鉄骨部材の名称は?3分でわかる意味、部材の種類、鉄骨部材リストとの関係

s造とは?

S造とは、鉄骨造(鋼構造)の略称です。鋼は英語でSteelなので、「S造」といいます。

s造の例

建築では、構造種別(躯体の種類別)を略称でいうことも多いです。s造以外の建物構造は、下記が参考になります。

建物構造の全7種類、1分でわかる木造・RC構造・S造・SRC造の違い


また、鉄骨造には「鉄」と書いてありますが実際には「鋼」を使います。学問的には鋼構造が正しい言い方です。※鋼については、下記が参考になります。

鋼構造とは?鉄骨構造との違い・構造力学との関係と主な用途・特徴


s造を採用する建物は様々です。2階建てのアパート、事務所ビル、工場や倉庫、体育館など、どちらかといえば非住宅系の建物に用いることが多いです。


とくに、マンション(賃貸、分譲含めて)はRC造とすることが多く、s造は用いないことが多いです。


これはRC造(鉄筋コンクリート造)は遮音性などが高く居住性に優れる特徴があるためです。

鉄筋コンクリートのマンションとは?1分でわかる特徴、メリット、耐用年数、賃貸マンションとの関係


さて、s造に用いる鋼は強度・剛性共に高い材料です。要するに、「強くて堅い」材料が鋼です。


よってs造は、RC造に比べて、柱や梁の断面を小さくすることが可能です。


また、H形鋼や角形鋼管のように、部材の形状を自由に成形できることも強みです。部材の重量を軽く、断面性能は高くできます。


日本では、前述したRC造、木造と同じくらい普及している建物の造りがs造です。


さらに、s造を厳密に区分すると重量鉄骨造と軽量鉄骨造があります。

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重量鉄骨造と軽量鉄骨造の違い

重量鉄骨造と軽量鉄骨造の意味は下記の通りです。

重量鉄骨は板厚が大きいので重量が大きい部材です。一方で板厚が大きい分、耐力や剛性(かたさ)も大きくなります。


軽量鉄骨は板厚が薄く軽量な部材です。板厚が薄い分、耐力や剛性は小さくなります。


軽量鉄骨はL型やC型のような形の部材で、重量鉄骨と材質はさほど変わりませんが生産過程が異なり、不純物が多いと言われています。また、形の非対称性から接合部にも不安が残ります。


ただし、軽量鉄骨は安いので「○○ハウスとかハウスメーカーの戸建てや、アパート」に用いられています。


それぞれの特徴を詳しく解説します。

重量鉄骨造とは?

重量鉄骨造とは、重量鉄骨(板厚が6mm以上の鉄骨部材)を用いた構造です。H形鋼、鋼管、角形鋼管などは重量鉄骨です。


重量鉄骨は板厚が大きいので

等の特徴があります。後述する軽量鉄骨と比較すると、構造部材としての性能が優れているので、非住宅系の比較的規模の大きな建物(4階建て以上)に採用されます。


下記のように連想すると覚えやすいです。

私は何度も鉄骨造を設計してきましたが「全て重量鉄骨造を採用」しました。理由は重量鉄骨の方が耐力、剛性が大きいので

などのメリットがあるからです。


建物の規模が大きくなると、建物に作用する外力も大きくなるので軽量鉄骨造では対応できないことも多いです。

軽量鉄骨造とは?

軽量鉄骨造は、軽量鉄骨(板厚が6mm未満の鉄骨部材)を用いた構造です。


6mm未満といっても実際は

の板厚となることがほとんどです。よって、重量鉄骨部材と比べると板厚は半分以下となり、その分、構造部材としての性能はかなり低下します。


よって軽量鉄骨造は、2~3階建ての賃貸アパートなどの低層で小規模な建物で頻繁に採用される構造です。


軽量鉄骨造の特徴は、下記のように連想すると覚えやすいです。

s造の耐用年数

s造の耐用年数としては税制上の「法定耐用年数」が参考になります。これによると

です。


ただし、法定耐用年数は必ずしも構造の耐久性を表しているわけではないので、あくまでも参考程度に留めておきましょう。

鋼構造とは?鉄骨構造との違い・構造力学との関係と主な用途・特徴

s造のメリット、デメリット

s造のメリットとデメリットを整理しました。

メリット


デメリット

利用者目線のS造のメリットは?

S造のメリットですが、住む側や利用する側からしてみればメリットがそんなにありません。


構造的には、RCよりも随分と軽いので地震力が小さくなるとか、強度が高い等、色々言えるのですが、


構造的性能はRCであれS造であれ、必要な構造性能を満足し、安全に設計することが前提なので、


どちらが優れているかは関係ありません。(利用者側からしてみれば)


居住性の観点でいえば圧倒的にRC造が優れています。よって、居住性の高いマンション、とくに分譲マンションに限ればほぼ全てRC造を採用しています。

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s造のスパン

s造のスパンと梁せいの関係は、一般的に下記です。

Lは柱間距離(スパン)です。但し、上記はあくまで目安で、荷重により大きく変わります。


例えば、屋根が折板(金属屋根)など、軽いものを使うなら梁せいは小さくて済みます。屋根が軽いなら、スパン25m程度までH形鋼とできるでしょう。


RC造なら、10mのスパンでも厳しいです。しかし、s造なら10m程度は簡単に飛ばせます。

s造のマンション

一般的にマンションは鉄筋コンクリート造(RC造)が多いです。


RC造は、遮音性が高く、振動にも強い材料だからです。よって、毎日居住する目的のマンションには適しています


(自分の部屋で静かに寝たいし、隣の部屋が聞こえたら嫌ですよね)。


ただし、中にはs造のマンションもあります。s造のマンションでの注意事項は下記です。

軽量鉄骨造と重量鉄骨造の違いは下記が参考になります。

軽量鉄骨造と重量鉄骨造 その違いとは?

鉄骨造のマンションとは?1分でわかる耐震性、防音性、揺れやすさ、軽量鉄骨と重量鉄骨との関係


軽量鉄骨造の強さは、木造と同程度と考えてください。


重量鉄骨造の方が、軽量鉄骨造より強いです(※ここでは説明を簡単にするため「強さ」と書いていますが、


耐力、断面性能など色々な意味を含みます)。重量鉄骨造のマンションをおすすめします。


2つめに、遮音性、振動対策が適切か確認してください。※内覧した感触や、口コミを参考にすると良いですね。

s造と外壁

s造では、乾式の外壁を使います。※乾式とは、あらかじめ工場で製作された外壁のことです。乾式の外壁は、工場から出荷し、現場で組み立てるだけです。よって、工期を短くできること、施工性が良いことがメリットです。


乾式の外壁には、下記があります。

それぞれ、下記が参考になります。

サイディングの役割は?種類と耐震性について

ALC床とは?意味・荷重・欠点・厚さ

押出成形セメント板(ECP)とは?ALCとの違い・厚さの規格と特徴

混同しやすい用語

RC造

RC造(鉄筋コンクリート造)は鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造形式です。

S造が軽量で大スパンに有利なのに対して、RC造は遮音性・耐火性・居住性に優れます。

建築士試験でS造とRC造の特性比較が頻出なので、両者の違いを整理しておきましょう。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では、S造・RC造・SRC造の特徴比較がよく出題されます。

S造は強度・剛性が高く大スパン向きですが、遮音性・耐火性・居住性はRC造に劣ることを必ず押さえてください。(一級建築士 頻出:S造・RC造・SRC造の特徴比較(強度・剛性・遮音性・耐火性等)が繰り返し出題)

S造・RC造・SRC造の特徴を整理した表を示します。

項目S造RC造
主な特徴強度・剛性が高く大スパン向き遮音性・耐火性に優れる
耐火性要耐火被覆構造体自体が耐火
遮音性劣る優れる

まとめ

今回はs造について説明しました。意味や、メリット、デメリットが理解頂けたと思います。


s造は強度、剛性が高い構造です。一方で、遮音性などに劣ることを覚えてくださいね。


当サイトでは、s造に関する記事を多数ご用意しております。下記の記事も併せてご参考にしてください。

軽量鉄骨造と重量鉄骨造の違いとは?鋼材厚さ・用途・コスト・耐震性の比較

鋼構造とは?鉄骨構造との違い・構造力学との関係と主な用途・特徴

鉄骨部材の名称は?3分でわかる意味、部材の種類、鉄骨部材リストとの関係

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理解度チェック

Q.

S造とは何で、どんな建物に使われますか?

答えを見る

鉄骨造(鋼構造)の略称で、鋼が英語でSteelであることから「S造」といいます(実際には鋼を使い、学問的には鋼構造が正式名称)。事務所ビル・工場・倉庫・体育館など非住宅系の建物に多く使われ、遮音性など居住性に優れるマンションはRC造とすることが多いです。

Q.

重量鉄骨造と軽量鉄骨造の違いは?

答えを見る

重量鉄骨は板厚6mm以上で重量・耐力・剛性が大きく、4階建て以上の規模の大きな建物に採用されます。軽量鉄骨は板厚6mm未満(実際は2.3〜3.2mm)で構造性能が低く、2〜3階建ての賃貸アパートなど低層・小規模の建物に採用されます。なお法定耐用年数は重量鉄骨造34年、RC造47年です。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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