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終局耐力とは?1分でわかる意味、求め方、降伏耐力との違い、鉄骨、鉄筋コンクリートの値

この記事の要点

終局耐力とは、終局時の部材の耐力です。

終局時とは、建物が崩壊するとき状態をいいます。

この記事では、終局耐力とは何か、終局耐力はどう求めるのか、降伏耐力とどう違うのかを整理します。

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終局耐力とは、終局時の部材の耐力です。

終局時とは、建物が崩壊するとき状態をいいます。

ここでは、単に「崩壊」と書きますが、建物がバラバラに崩れる意味ではなく、層間変形角に達すること、部材の脆性破壊などの規準があります。

今回は、終局耐力の意味、求め方、降伏耐力との違い、鉄骨、鉄筋コンクリート部材の値について説明します。

※終局時の曲げ耐力は、下記の記事が参考になります。

曲げ降伏とは?1分でわかる意味、せん断破壊との関係、終局曲げ耐力

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終局耐力とは?

終局耐力とは、建物が崩壊するときの部材の耐力です。


「崩壊」と書くと、建物がバラバラに崩れることを想像される方が多いですが、違います。

建築物が崩壊形に達した状態とは、塑性ヒンジが各部材に発生し、所定の層間変形角に達すること、部材に脆性破壊が生じること、などです(詳細は省きます)。

建築物の崩壊形は、下記の記事が参考になります。

崩壊形とは?全体崩壊形・部分崩壊形の判定方法と塑性ヒンジ形成の違い


建築物が崩れては大問題なので、建物の耐力は終局耐力を上回っている必要があります。では、「建物の耐力をどう評価するのか」という答えの1つが、「保有水平耐力計算」です。※保有水平耐力計算は下記の記事が参考になります。

保有水平耐力とは?意味・計算・必要保有水平耐力との違い

必要保有水平耐力とは?算定式Qun=Ds×Fes×Qud・Ds・Fesの意味


保有水平耐力計算では、各部材の終局耐力を計算します。終局耐力の計算は、鉄骨部材、鉄筋コンクリート部材で違います。

終局耐力の求め方

終局耐力の求め方は、鉄骨部材と鉄筋コンクリート部材で違います。下記に整理しました。

鉄骨

鉄骨部材の終局耐力として、全塑性モーメントがあります。求め方は下記です。


Muは鉄骨部材の終局耐力、σyは降伏強度、Zpは塑性断面係数です。※塑性断面係数は、下記の記事が参考になります。

塑性断面係数と全塑性モーメント

鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリート部材の終局耐力の計算は、少し複雑です。終局耐力せん断耐力の計算式は、特に複雑なので省略します。


σyは鉄筋の降伏強度、atは引張鉄筋の総断面積、dは部材の有効せいです。なお、鉄筋の降伏強度は1.1倍できます。

終局耐力と降伏耐力の違い

終局耐力と降伏耐力は概ね同じ意味ですが、鉄骨と鉄筋コンクリートで使い方が違います。鉄筋コンクリート部材の場合、終局耐力と降伏耐力の意味を使い分けていません。


一方、鉄骨部材では終局耐力と降伏耐力に、下記の違いがあります。


終局耐力 ⇒ 全塑性モーメントのこと。Mu=1.1×σy×Zp

降伏耐力 ⇒ 塑性モーメントのこと。My=σy×Z


Muは鉄骨部材の終局耐力、σyは降伏強度、Zpは塑性断面係数です。なお、JIS規格の鋼材は、終局時には降伏強度を1.1倍できます。Myは塑性モーメント、σyは降伏強度、Zは断面係数です。


※塑性断面係数と断面係数の違いは、下記が参考になります。

塑性断面係数と全塑性モーメント

断面係数とは

終局耐力の種類

終局耐力には、下記の種類があります。


終局曲げモーメント

終局せん断耐力


鉄筋コンクリート部材は、色々な計算式が提案されています。鉄筋コンクリート部材の、終局曲げモーメントの求め方は、下記の記事が参考になります。

曲げ降伏とは?1分でわかる意味、せん断破壊との関係、終局曲げ耐力


終局せん断耐力の式は省略しますが、手計算をすると時間がかかるような複雑な式が提案されています。下記の書籍が参考になります。

建築物の構造関係技術基準解説書〈2015年版〉


せん断耐力の意味は、下記が参考になります。

せん断耐力とは?1分でわかる意味、求め方、コンクリートの式、単位

根拠・参考

  • 建築物の構造関係技術基準解説書

実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。

混同しやすい用語

終局耐力

建物が崩壊形に達したときの部材の耐力。

保有水平耐力計算で各部材ごとに算定し、必要保有水平耐力と比較する。

降伏耐力

部材が降伏(塑性変形が始まる)したときの耐力。

終局耐力より小さく、鉄骨部材では「1.1×σy×Zp」のような安全係数を含めた終局値と区別される。

許容耐力

長期・短期の許容応力度に基づく耐力。

終局耐力と異なり崩壊状態ではなく、通常の使用・地震時の安全を確認するための耐力値。

項目降伏耐力終局耐力
定義部材が降伏(塑性変形開始)する荷重部材が崩壊する限界の荷重
設計上の位置づけ弾性範囲の限界値保有水平耐力計算の基準
鋼材の場合降伏点Fy相当引張強さFu相当
コンクリートの場合—(明確な降伏点なし)設計基準強度Fc相当

まとめ

今回は終局耐力について説明しました。

意味が理解頂けたと思います。

終局耐力は、終局時の部材の耐力です。

まずは、「終局時」や「崩壊」の意味を理解してください。

一般用語とは、少し異なる意味合いです。

建物の崩壊形は、理解してくださいね。

下記の記事も併せて参考にしてください。

崩壊形とは?全体崩壊形・部分崩壊形の判定方法と塑性ヒンジ形成の違い

保有水平耐力とは?意味・計算・必要保有水平耐力との違い

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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