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地耐力は、地盤の耐力を意味します。地耐力が大きいほど、重い建物を支えることができます。
逆に地耐力が小さいと地盤は、「柔らかい地盤」です。良好な地盤は固いので、地耐力が大きくなります。
今回は、そんな地耐力の意味と計算法、n値との関係、単位、地耐力を確認する試験について説明します。※なお地耐力は直接基礎の設計を行う際、必要です。
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地耐力とは、地盤の耐力です。単位は「kN/㎡」です。地耐力は、単位平米当たり「何kNまで耐えられるか?」示す値です。
例えば、基礎に作用する圧力が50kN/㎡です。これに対して、地耐力が50kN/㎡以上あれば地盤は沈下せずに済みます。
50kN/㎡未満だと、地盤は壊れてしまう計算です。
地耐力は、固い地盤ほど大きい値です。例えば岩盤の地耐力はとても大きいです。逆に粘土層の地耐力は小さい値です。
畑の土を触ったことがありますか?フワフワと柔らかく、足で踏むと足跡が付いたり沈みますよね。
地耐力が0に近いくらい小さいです。そのような地盤が、建物を支えることはできません。
地耐力は後述する方法で計算できます。但し、目安として地盤の種類による地耐力が建築基準法で規定されています。下表を参考にしてください。
地 盤 | 地耐力(長期) kN/㎡ | 地耐力(短期) kN/㎡ |
岩盤 | 1000 | 長期の2倍 |
固結した砂 | 500 | |
土丹盤 | 300 | |
密実な礫層 | 300 | |
密実な砂質地盤 | 200 | |
砂質地盤(液状化しない) | 50 | |
堅い粘土質地盤 | 100 | |
粘土質地盤 | 20 | |
堅いローム層 | 100 | |
ローム層 | 50 |
岩盤は1000kN/㎡もの力を支えることができます。つまり1平方メートルあたり100t(トン)です。
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地耐力は地盤の固さに関係します。地盤の固さを表す値が「N値」です。※N値については下記が参考になります。
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地耐力は詳細な計算により求めるのですが、N値が分かれば地耐力も大体の想定(目安)がつきます。概算の地耐力は下式で求めます。
上式より、N値が10の地盤は、大体100kN/㎡の地耐力が想定できます。これは計算間違いに役立ちます。
例えばN値5しかない地盤なのに、地耐力100kN/㎡と計算されたら、何かが間違っています。
地耐力の単位は、
kN/㎡
で示します。
地耐力は、地盤調査による結果(N値など)から計算します。ただ、実際の地盤が計算値と同等以上の地耐力があるかは、現場試験により確認します。
この試験を「平板載荷試験」といいます。平板載荷試験は下記が参考になります。
地耐力は下図の式から計算します。本式は、暗記しなくて大丈夫ですが、式の意味は知っておきましょう。
地耐力の算定式は下記の3項に分けられます。
・『荷重の分散効果』
・『土の粘着力』
・『土の土被り圧』
これらの要因が、地盤の地耐力に関係するのです。それぞれ解説します。
粘土質地盤は、粘着力があります。詳細な説明は省きますが、粘着力が大きいほど地耐力が大きくなります。
また、粘着力はN値と関係します。N値が大きいほど、粘着力も大きいです。
物の面積が大きければ大きいほど 土に作用する力の範囲は広くなります。面積が小さい基礎を地面に置いた場合と、
広い面積の基礎を置いた場合では 、面積を多くするほど、作用力が少なくなります。これらは基礎の形状により決まる値です。
また基礎幅が大きいほど地耐力も大きくなります。
土上に置いた基礎と、土中に埋めた基礎、どちらが多くの力を支えられそうでしょうか?
地面の上に基礎を置いても、転倒しそうで不安です。一方、同じ基礎でも土中に埋めてしまえば、より安定性が増しそうですね。
よって直接基礎は、土の中に深く埋めるほど地耐力が大きくなります。
上記の計算式で得られた耐力を足し合わせ、1/3倍することで長期時の鉛直支持力(地耐力)Raが得られます。短期の値は『長期×2』です。
本式は、暗記せずエクセルで計算を組んでおくと簡単です。土被り圧の詳細は下記が参考になります。
土被り圧とは?1分でわかる意味、読み方、計算と公式、地下水位がある場合
今回は地耐力について説明しました。地耐力は、地盤の耐力を意味します。地耐力が大きいほど、重い建物を支えることができます。
計算式は難しいですが、「地盤が固いと地耐力は大きい」というごく当たり前のイメージを持つといいでしょう。
またN値と地耐力の関係は、実務でも役立ちます。是非覚えてください。
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