【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
曲げ降伏とは、曲げモーメントにより部材断面が降伏したことを意味します。実務では、単に「降伏」ともいいます。柱や梁は、なるべく曲げ降伏するよう設計します。今回は曲げ降伏の意味、せん断破壊との関係、終局曲げ耐力と曲げ降伏の関係について説明します。曲げ降伏は、建物の靱性が確保できる破壊性状です。靱性、降伏の意味は、下記の記事が参考になります。
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
曲げ降伏とは、曲げモーメントにより部材断面が降伏した状態です。また、下記の状態のとき、曲げ降伏が生じます。
終局曲げ耐力の求め方は後述しました。部材の破壊性状は、大まかに下記があります。
・曲げ降伏
・せん断破壊
せん断破壊は、脆性的な破壊です。せん断破壊が起きると、部材の耐力が急激に低下し、崩壊の恐れが高くなります。※せん断破壊した梁の上に、重量物が載ると梁が崩れます。専門的に言うと、鉛直力が負担できません。
一方、曲げ降伏が起きるとヒンジが発生します。ヒンジは、支点の「ピン」と同じです。鉛直、水平の反力は伝達可、曲げモーメントは伝達不可です。曲げ降伏が起きた後も、地震エネルギーが吸収可能なため、部材は曲げ降伏が起きるよう設計します。
柱、梁部材は、先に曲げ降伏が起きるよう設計します。柱に両端ヒンジが生じると、その柱は、それ以上、せん断力を負担できません。せん断力が増えないので、せん断破壊が起きないのです。
せん断破壊より先に、曲げ降伏を起こすためには、
とすれば良いでしょう(詳細な説明は省略します)。
曲げ降伏時の端部曲げモーメントがMuとします。このときのせん断力は、
です。
曲げ降伏は、下記の状況で生じます。
終局曲げ耐力の計算式は、鉄骨部材と鉄筋コンクリート部材で違います。また、柱と梁の違いで、計算式が変わります。柱は軸力の影響を考慮すべきです。例えば、鉄筋コンクリート梁の終局曲げ耐力は、下式で計算します。
Muは終局曲げ耐力、atは引張鉄筋断面積、σyは引張鉄筋の降伏強度、dは、梁の有効せいです。
鉄骨部材の終局曲げ耐力は、降伏強度に塑性断面係数を乗じた値です。なお、降伏強度は1.1倍することが可能です。塑性断面係数は、下記の記事が参考になります。
今回は曲げ降伏について説明しました。意味が理解頂けたと思います。曲げ降伏とは、曲げモーメントにより部材が降伏した状態です。部材の破壊性状は、曲げ降伏とせん断破壊があります。柱や梁は、せん断破壊しないよう設計することが原則です。せん断耐力を高めるには、部材断面を大きくしたり、帯筋やあばら筋を増やします。※降伏、せん断耐力の意味は、下記の記事が参考になります。
せん断耐力とは?1分でわかる意味、求め方、コンクリートの式、単位
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート