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群杭とは1つの基礎に対して複数本の杭を打設したときの、群となる杭をいいます。
今回は群杭の意味、単杭との違い、読み方、支持力の計算法や、支持力の低減について説明します。
また、群杭と沈下の関係も説明しますね。杭の種類、単杭の意味は下記が参考になります。
杭の種類はどのくらい?設計者が教える杭の種類と各杭の特徴、施工方法
群杭とは、下図のような杭です。右側が単杭です。
1つの基礎に対して、群れでまとまる杭が群杭です。単杭は1つの基礎に対して、1本の杭をいいます。単杭は下記が参考になります。
群杭は何となく強そうですが、実は全くの逆です。
例えば、単杭5本分の支持力と群杭5本(5本の杭群)の支持力を比較すると、群杭の方が、支持力が小さいです。
最近は杭の支持力が向上したこと、設計が簡単なことから、単杭が増えました。
それでも支持力が必要な杭では、単杭では足りないので群杭とします。このとき、群杭効果を考慮して支持力を決定します。
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群杭は「ぐんぐい」と読みます。但し、「ぐんくい」でも間違いではありません。※建築物の構造関係技術基準解説書では「ぐんぐい」です。
群杭と単杭の違いを下記に示しました。
設計での扱いやすさや、フーチングを小さくできることから、単杭が増えています。※単杭は下記が参考になります。
群杭の支持力は低減が必要ですが、「低減しなくて良い場合」があります。それが
であるときです。研究結果より、砂地盤では群杭の方が単杭より大きな支持力となるからです。逆に支持力の低減が必要な地盤は、
です。後述する支持力の低減は、粘土質地盤を前提に説明しています。
群杭の支持力は、2つの破壊形式に応じて計算し小さい方を採用します。下記が破壊形式です。
貫入破壊は、単杭と同じなので下式より支持力が計算できます。
Rguは群杭としての支持力、nは杭本数、Ruは単杭としての支持力です。単杭については下記が参考になります。
よって、貫入破壊の支持力はあえて計算する必要は無いです。後述するブロック破壊の支持力の方が、小さい値になるからです。
ブロック破壊の支持力は下式で算定します。
Rguは群杭の支持力、φは群杭の外側を結んでできる周長、Lは群杭の長さ、sは群杭外側の地盤のせん断強度、Agは群杭によるブロックの面積、qubはブロック部分の先端支持力度です。
上図より、群杭の周長とブロック部分の面積は
φ=B×2+L×2
Ag=B×L
です。
さて、群杭の支持力Rguと、群杭と同本数の単杭の支持力n×Ruを下式より比較します。
ηを群杭効果または群杭効率といいます。ηは1.0以下になり、杭径や杭の中心間距離、杭の本数に応じて変わります。
群杭は、単杭に比べて圧力球根の範囲が大きくなります。※圧力球根については下記の記事が参考になります。
圧力球根とは?1分でわかる意味、杭、基礎、平板載荷試験との関係
単杭に比べて荷重の影響する範囲が広がるため、沈下や支持層下の軟弱地盤の影響に注意が必要です。
今回は群杭について説明しました。群杭の意味、ポイントが理解頂けたと思います。
群杭と聞くと、何となく強そうですが全くの逆です。群杭の支持力を計算すると、同じ本数の単杭より小さな支持力になります。
複数本の杭を打設するときは、群杭の効果を考慮したいですね。
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