この記事の要点
柱が2本で杭が1本のとき、柱軸力が等しければ柱間の中央に杭を配置できますが、軸力が異なる場合は不釣合いの曲げが生じます。
杭の位置をずらして曲げが生じないよう調整し、フーチングの上側引張を考慮した配筋が必要です。
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柱2つに対して杭1つの場合、2つの棟が建築的に一体でも、構造的には切り離す設計が一般的です。
このときエキスパンションジョイントを用いて、必要なクリアランスを設けると思います。
ただし、基礎については一体でも別棟として扱えることが第36条の4に書いてあります。
※エキスパンションジョイント、クリアランスの意味は下記が参考になります。
エキスパンションジョイントとは?意味・目的・構造と設置が必要なケース
黄色本を読むとその解説が書いてありまして、「基礎を一体にしていい理由は、基礎で大きな被害が起きていないことから」ということでした。
例えば杭基礎の場合、柱下に打つことがセオリーですが、上記に述べたように2棟で基礎を一体とすると、杭間隔を満足しないことや、そもそも1本打つ方が経済的になるかもしれません。
では柱2つに対して杭1本の場合、フーチングはどのように設計すれば良いのでしょうか。
※杭基礎、フーチングの詳細は下記をご覧ください。
杭基礎とは?1分でわかる意味、設計、杭工事の手順、支持層、フーチングの配筋
まず杭位置を決めるとき、2棟の柱間の中央で本当に良いのでしょうか。柱に作用する軸力が全く同じであれば問題ありません。しかし、軸力が異なる場合、不釣合いの曲げが生じないでしょうか?
この不釣合い曲げは、どのように伝達されるのか。言うまでもなく地中梁です。つまり、杭曲げとは余分に不釣合いの曲げを処理しなければなりません。ここでは長期荷重の例を示しましたが、当然、地震時正負とXY全てでチェックします。
スパンが短い梁とか、耐震壁付きの支点は処理できないくらい大きな曲げが作用する、と思います。
では、曲げを生じさせない方法は? 支点、すなわち杭の位置をずらすことです。軸力の大小から不釣合い曲げがほとんど生じない位置まで支点をずらします。上図の例だと、支点を左側にずらせば曲げは釣り合いそうです。
柱2本に対して杭1本のとき、このように不釣合いの曲げを無くすよう杭位置を設定します。
次にフーチングの検討をするとき、上記に示した通り曲げは上側に表れます。もちろん地震時反力の組み合わせで、下側に発生するかもしれません。ただ長期荷重に限っては、ほとんど上側引張です。
普段、フーチングの上側配筋は、はかま筋程度かと思います。曲げの大きさに応じて鉄筋を増やす必要があるでしょう。
今回は、柱2つに対して杭1本のときの、杭位置やフーチングの検討方法を示しました。基礎は一体、上階はエキスパンションで切り離すという設計は割と多いように思います。何かの参考になれば幸いです。下記も参考にしてくださいね。
杭基礎とは?1分でわかる意味、設計、杭工事の手順、支持層、フーチングの配筋
エキスパンションジョイントとは?意味・目的・構造と設置が必要なケース
混同しやすい用語
杭基礎と直接基礎
杭基礎は支持杭や摩擦杭で上部荷重を支える基礎形式です。
直接基礎(フーチング基礎)は地盤に直接設置する浅い基礎で、地耐力が十分なときに用います。
偏心と偏心距離
偏心とは力の作用点と断面の重心がずれていること。
偏心距離はそのずれの量(長さ)を指します。
杭位置の設計では偏心距離を小さくすることが目標です。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
2棟を基礎で一体にするケースは実務でも多いです。
設計の際は、フーチングの配筋だけでなく杭位置も検討することが重要です。
エキスパンションジョイント位置と杭位置の関係も必ず確認しましょう。