建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 基礎構造を学ぶ > 杭の曲げ戻しを考慮した地中梁の設計について

杭の曲げ戻しを考慮した地中梁の設計について

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


基礎に杭を採用すると、杭の曲げ戻しを地中梁に戻す必要があります。と言っても、何が何やら分からない人も多いでしょう。


慣れてくれば至極当たり前のことですが、今回は杭の曲げ戻しについて考察したいと思います。


杭基礎、地中梁の意味は下記が参考になります。

杭基礎とは?1分でわかる意味、設計、杭工事の手順、支持層、フーチングの配筋

地中梁と基礎梁の違いと役割について

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

なぜ杭に曲げが発生するのか?

そもそも、なぜ杭に曲げが発生するのか考えてみましょう。


上部構造の柱梁に地震力が作用したとき、その水平力は基礎を伝わって地盤へ伝えられます。直接基礎なら、一般に基礎底は2.0m程度(つまりフーチングせい2m以下)までで、基礎に伝わる地震力はそのまま地盤へ伝わりそうです。※直接基礎の意味は下記をご覧ください。

直接基礎とは?1分でわかる種類、設計方法、地盤改良、杭基礎との違い


しかし杭を良く見ると柱のように長く、変形しそうです。杭を用いる場合、支持層が表層直下に存在せず、十~数十メートルの支持層に杭を到達させます。その十メートル以上、弱い地盤なので、杭を横から支える機能(バネ)は少ないでしょう。


ですから、極端に言うと十メートル以上の杭は両端のみで固定され(厳密には杭頭部固定、杭先端がピン)、地震力を支持層に伝達しなければなりません。


言ってみれば、地中梁を普通の「梁」、杭を「柱」と見立てると、ラーメン構造として杭頭部は曲げモーメントが作用すると分かります。


この杭頭部の曲げを、「杭頭曲げ」と呼び、せん断力を「杭頭せん断力」と言います。どういう応力になるかというと、片側固定-他端ピンに等分布荷重が作用したような応力状態です。よって、固定端となる杭頭部が曲げモーメント最大、杭の中央は一気に小さくなります。


杭頭、杭基礎の詳細は下記をご覧ください。

杭頭とは?1分でわかる意味、読み方、杭頭処理工法、固定度

杭基礎とは?1分でわかる意味、設計、杭工事の手順、支持層、フーチングの配筋

杭の曲げ戻しとは何か?

では杭の曲げ戻しとは何でしょうか?先ほど杭頭に曲げモーメントが作用することが判明しました。地中梁を普通の「梁」、杭を「柱」と見立てると、今、柱頭部に曲げモーメントが作用している状態です。


この曲げはどうやって処理するのでしょうか?そう、地中梁です。これは上部のラーメン構造と同じ考え方ですね。この地中梁に作用する曲げを、「杭の曲げ戻し」と言っています(正式名称ではありませんが)。地中梁の詳細は下記が参考になります。

地中梁と基礎梁の違いと役割について

地中梁芯分、杭頭曲げを増やすこと

杭頭曲げは、あくまでも杭頭に作用している曲げです。しかし、この曲げを伝達したいのは地中梁芯です。よって、杭頭~地中梁芯までの距離をeとするなら、杭曲げは下式です。


M’=M+Qe


Mは杭頭曲げモーメント、Qがせん断力、eが杭頭~地中梁芯までの距離です。※杭頭、地中梁の意味は下記を参考にしてください。

杭頭とは?1分でわかる意味、読み方、杭頭処理工法、固定度

地中梁と基礎梁の違いと役割について

場所打ち杭を使う場合、液状化している地盤は注意

場所打ち杭は比較的、杭長さが長くなります。それこそ数十メートルもの杭長になることも。当然、杭長さが大きいほど杭頭の曲げは大きくなるので注意が必要です。地中梁の配筋は上部構造の曲げだけでなく、杭曲げを考慮して大幅に余裕を見込んでおきましょう。場所打ち杭の詳細は下記をご覧ください。

場所打ち杭とは?1分でわかる意味、コンクリート強度、鉄筋かご、杭径


また液状化している地盤は、地盤のバネが弱く杭頭の曲げが大きくなります(バネが固ければ、地盤に直接力が流れます)。


以上2点に注意して、地中梁の配筋には注意しましょうね。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 基礎構造を学ぶ > 杭の曲げ戻しを考慮した地中梁の設計について
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事