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杭の曲げ戻しを考慮した地中梁の設計について

基礎に杭を採用すると、杭の曲げ戻しを地中梁に戻す必要があります。と言っても、何が何やら分からない人も多いでしょう。


慣れてくれば至極当たり前のことですが、今回は杭の曲げ戻しについて考察したいと思います。


なぜ杭に曲げが発生するのか?

そもそも、なぜ杭に曲げが発生するのか考えてみましょう。上部構造の柱梁に地震力が作用したとき、その水平力は基礎を伝わって地盤へ伝えられます。直接基礎なら、一般に基礎底は2.0m程度(つまりフーチングせい2m以下)までで、基礎に伝わる地震力はそのまま地盤へ伝わりそうです。


しかし杭を良く見ると柱のように長く、変形しそうです。杭を用いる場合、支持層が表層直下に存在せず、十〜数十メートルの支持層に杭を到達させます。その十メートル以上、弱い地盤なので、杭を横から支える機能(バネ)は少ないでしょう。


ですから、極端に言うと十メートル以上の杭は両端のみで固定され(厳密には杭頭部固定、杭先端がピン)、地震力を支持層に伝達しなければなりません。


言ってみれば、地中梁を普通の「梁」、杭を「柱」と見立てると、ラーメン構造として杭頭部は曲げモーメントが作用すると分かります。


この杭頭部の曲げを、「杭頭曲げ」と呼び、せん断力を「杭頭せん断力」と言います。どういう応力になるかというと、片側固定−他端ピンに等分布荷重が作用したような応力状態です。よって、固定端となる杭頭部が曲げモーメント最大、杭の中央は一気に小さくなります。


杭の曲げ戻しとは何か?

では杭の曲げ戻しとは何でしょうか?先ほど杭頭に曲げモーメントが作用することが判明しました。地中梁を普通の「梁」、杭を「柱」と見立てると、今、柱頭部に曲げモーメントが作用している状態です。


この曲げはどうやって処理するのでしょうか?そう、地中梁です。これは上部のラーメン構造と同じ考え方ですね。この地中梁に作用する曲げを、「杭の曲げ戻し」と言っています(正式名称ではありませんが)。


地中梁芯分、杭頭曲げを増やすこと

杭頭曲げは、あくまでも杭頭に作用している曲げです。しかし、この曲げを伝達したいのは地中梁芯です。よって、杭頭〜地中梁芯までの距離をeとするなら、杭曲げは下式です。


M’=M+Qe


Mは杭頭曲げモーメント、Qがせん断力、eが杭頭〜地中梁芯までの距離です。


場所打ち杭を使う場合、液状化している地盤は注意

場所打ち杭は比較的、杭長さが長くなります。それこそ数十メートルもの杭長になることも。当然、杭長さが大きいほど杭頭の曲げは大きくなるので注意が必要です。地中梁の配筋は上部構造の曲げだけでなく、杭曲げを考慮して大幅に余裕を見込んでおきましょう。


また液状化している地盤は、地盤のバネが弱く杭頭の曲げが大きくなります(バネが固ければ、地盤に直接力が流れます)。


以上2点に注意して、地中梁の配筋には注意しましょうね。


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