【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
基礎に杭を採用すると、杭の曲げ戻しを地中梁に戻す必要があります。と言っても、何が何やら分からない人も多いでしょう。
慣れてくれば至極当たり前のことですが、今回は杭の曲げ戻しについて考察したいと思います。
杭基礎、地中梁の意味は下記が参考になります。
杭基礎とは?1分でわかる意味、設計、杭工事の手順、支持層、フーチングの配筋
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
そもそも、なぜ杭に曲げが発生するのか考えてみましょう。
上部構造の柱梁に地震力が作用したとき、その水平力は基礎を伝わって地盤へ伝えられます。直接基礎なら、一般に基礎底は2.0m程度(つまりフーチングせい2m以下)までで、基礎に伝わる地震力はそのまま地盤へ伝わりそうです。※直接基礎の意味は下記をご覧ください。
直接基礎とは?1分でわかる種類、設計方法、地盤改良、杭基礎との違い
しかし杭を良く見ると柱のように長く、変形しそうです。杭を用いる場合、支持層が表層直下に存在せず、十~数十メートルの支持層に杭を到達させます。その十メートル以上、弱い地盤なので、杭を横から支える機能(バネ)は少ないでしょう。
ですから、極端に言うと十メートル以上の杭は両端のみで固定され(厳密には杭頭部固定、杭先端がピン)、地震力を支持層に伝達しなければなりません。
言ってみれば、地中梁を普通の「梁」、杭を「柱」と見立てると、ラーメン構造として杭頭部は曲げモーメントが作用すると分かります。
この杭頭部の曲げを、「杭頭曲げ」と呼び、せん断力を「杭頭せん断力」と言います。どういう応力になるかというと、片側固定-他端ピンに等分布荷重が作用したような応力状態です。よって、固定端となる杭頭部が曲げモーメント最大、杭の中央は一気に小さくなります。
杭頭、杭基礎の詳細は下記をご覧ください。
杭基礎とは?1分でわかる意味、設計、杭工事の手順、支持層、フーチングの配筋
では杭の曲げ戻しとは何でしょうか?先ほど杭頭に曲げモーメントが作用することが判明しました。地中梁を普通の「梁」、杭を「柱」と見立てると、今、柱頭部に曲げモーメントが作用している状態です。
この曲げはどうやって処理するのでしょうか?そう、地中梁です。これは上部のラーメン構造と同じ考え方ですね。この地中梁に作用する曲げを、「杭の曲げ戻し」と言っています(正式名称ではありませんが)。地中梁の詳細は下記が参考になります。
杭頭曲げは、あくまでも杭頭に作用している曲げです。しかし、この曲げを伝達したいのは地中梁芯です。よって、杭頭~地中梁芯までの距離をeとするなら、杭曲げは下式です。
M’=M+Qe
Mは杭頭曲げモーメント、Qがせん断力、eが杭頭~地中梁芯までの距離です。※杭頭、地中梁の意味は下記を参考にしてください。
場所打ち杭は比較的、杭長さが長くなります。それこそ数十メートルもの杭長になることも。当然、杭長さが大きいほど杭頭の曲げは大きくなるので注意が必要です。地中梁の配筋は上部構造の曲げだけでなく、杭曲げを考慮して大幅に余裕を見込んでおきましょう。場所打ち杭の詳細は下記をご覧ください。
場所打ち杭とは?1分でわかる意味、コンクリート強度、鉄筋かご、杭径
また液状化している地盤は、地盤のバネが弱く杭頭の曲げが大きくなります(バネが固ければ、地盤に直接力が流れます)。
以上2点に注意して、地中梁の配筋には注意しましょうね。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート