この記事の要点
杭には鉛直荷重による軸力(圧縮・引張)・水平力によるせん断力・杭頭の固定条件に応じた曲げモーメントが同時に作用する。
地震時は水平力が増大してせん断力と曲げモーメントが支配的になるため、各応力の組み合わせに対する断面検討が必要です。
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杭に作用する応力杭は上部構造の重さを支持するだけでなく、地震時でも水平力を伝達する役目があります。地面より下に作用する水平力とは、当然、上部構造の水平力(1階に作用している水平力)+地中部に埋もれている基礎重量×kが作用します。
杭、上部構造の意味は下記が参考になります。
kとは水平震度で、1次設計の場合は0.1です。地中部に埋もれている基礎重量とは、例えば、フーチングであったり地中梁や1階のスラブが該当します。これらは、地中部ということで、小さい水平震度しか作用しないことに注目してくださいね。
また、終局時の検討ではkを0.2で割り増して使うことが多いです。設計条件によって、さらに割増すこともあります。
また、杭に作用する水平力は上部構造と同じように「剛床仮定」が適用されます。
剛床仮定をおさらいすると、剛床仮定とは、床は剛な部材であるため水平力が伝達できると考えます。
分かるような分からないような文言ですが、これが非常に重要なのです。
剛床仮定の詳細は下記をご覧下さい。
床剛性とは|剛床と剛床仮定の意味と構造設計への影響をわかりやすく解説
剛床仮定があることで、地震力は床を介して柱へ伝達することが可能です。例えば、吹き抜け部分のように床が無い建物も多く存在します。これは、剛床仮定が成立しているとは言えません。
こういった場合、地震力はどのように伝達すればよいでしょうか?
上図のように、床がなければ、地震時の水平力を全ての部材に伝えることができませんね。杭でも同じことが言えます。つまり、1階の床によって剛床仮定が成立するからこそ、全ての地震力は、全ての杭で負担することができるのです。
もし、剛床仮定が成立しなければ、負担している軸力毎に水平力を決める必要があり、非常に手間ですし、色々な断面が増えて面倒です。下記も参考にしてくださいね。
杭基礎の設計とは?設計手順・杭本数の決め方とフーチング・支持力の計算
混同しやすい用語
「軸力」と「せん断力」
軸力は杭の長軸方向に作用する力(圧縮・引張)。
主に鉛直荷重によって生じる。
「長期応力」と「短期応力」
長期応力は固定荷重・積載荷重など常時作用する荷重による応力。
短期応力は地震・風など一時的な荷重を加えた組み合わせによる応力。
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