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山留めとは?1分でわかる意味、種類、土留めとの違い、根切りとの関係

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山留めとは、地盤を掘削するとき、周辺地盤が崩れないよう設置する「構造物(主に壁)」のことです。山留めで設ける壁を山留め壁といいます。今回は、山留めの意味、種類、土留めとの違い、山留めと根切りの関係について説明します。※なお、山留め壁を設けない「法付オープンカット工法」も、広義には、山留め工法の1つとして分類されます。法付オープンカット工法は下記が参考になります。

オープンカットとは?1分でわかる意味、規準と角度、メリット

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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山留めとは?

山留めとは、地盤を掘削するとき、周辺地盤が崩れないよう設置する構造物です。※地盤を掘削することを根切りといいます。根切りは下記が参考になります。

根切りとは?1分でわかる意味、山留、埋戻し、根切り深さとの関係


下図に山留めと根切りの関係を示しました。

山留めと根切り


土が崩れないよう、山留めで抑えているわけです。ただし、山留めが必要ない場合もあります。


下図をみてください。基礎を造るため根切りを行います。根切りを行うとき、普通は角度をつけます。角度が無いと、地盤が崩れるからです。地盤が崩れないよう角度を付けながら掘削すれば、山留めは必要ないです。これがオープンカット工法です。

山留めとオープンカット工法


オープンカットを行うとき、所定の角度を付けます。例えば、角度を45度とするとき、基礎底が2.0mなら、2.0m以上の敷地が必要です。

山留めと敷地の関係

基礎底が深く、敷地が狭い場合は「オープンカットを行う余裕が無い」ため、山留め壁が必要です。


※なお、基礎底(基礎の下端)は、地中梁せいなどで決定します。構造設計では、根切りを少なくするため、できる限り基礎底は浅くするべきです。基礎底の意味は下記をご覧ください。

基礎底とは?1分でわかる意味、基礎底面との違い、根切り、直接基礎の支持力

山留め工法の種類

山留めの種類を下記に整理しました。大まかに下記の2つです。


今回は一般的な、オープンカット工法を説明します。

オープンカット工法

オープンカット工法には、下記の種類があります(一部を紹介します)。


地山自立掘削工法とは、山留め壁を設けないで根切りすることです。地山(硬い地盤)は、掘削しても自立します。自立可能な深さまで掘削可能です。


法付オープンカット工法は、角度をつけて(斜面のことを法という)地盤を掘削する工法です。実務で「オープンカット」といえば、普通、法付オープンカット工法を指します。※下記の記事が参考になります。

オープンカットとは?1分でわかる意味、規準と角度、メリット


山留め壁オープンカット工法は、山留め壁を設けて根切りを行う工法です。山留め壁のみで、土圧を受ける工法と、山留め壁、切梁、腹起し、支柱が必要となる工法があります。後者は切梁工法ともいいます。


なお、山留め壁にも色々な種類があります。

山留め壁の種類

山留め壁には、下記の種類があります。


親杭横矢板工法とは、H形鋼を一定間隔地中へ打ち込み、その間に横矢板(横向きの板)を挿し込んで造る山留め壁です。※H形鋼の支柱(杭)を親杭といいます。


下図に親杭横矢板工法のイメージを示します。

親杭横矢板工法

コストが安い工法で、小規模工事に適用します。横矢板は一体性が無いので、止水性が悪いです(水が漏れやすい)。地下水位が浅い場合は使用できません。軟弱地盤の適用は不可です。詳細は下記を参考にしてください。


親杭横矢板とは?1分でわかる意味、読み方、施工手順、止水との関係>

親杭とは?1分でわかる意味、読み方、h鋼、横矢板との関係、ピッチ、手順

鋼矢板工法は、U型断面の鋼矢板を地中に打ち込む工法です。鋼矢板同士は噛みあわせて一体化します。一体性があるので(連続的な壁)、止水性は高いです。軟弱地盤への適用も可能です。

鋼矢板とは?1分でわかる意味、種類、規格、読み方、2型と3型の違い


ソイルセメント壁工法、場所打ち鉄筋コンクリート壁工法は、連続的な壁を造成するので止水性が高いです。色々な地盤に適用可能です。大規模工事などに適用されます。

山留めと土留めの違い

山留めと土留めは同じ意味と考えてください。実務では土留め(どどめ)という方も多いです。土留めという用語は、「土の崩れを留める」と考えれば想像しやすいですね。土留めの意味は下記が参考になります。

土留めとは?1分でわかる意味、山留めとの違い、種類、矢板

山留め壁と根切りの関係

山留め壁は、根切り底が深く、オープンカット工法を採用できない場合に必要です。地盤状況により山留め壁の要否は変わりますが、目安として1.5m以上の基礎底で必要と考えます。※前述したように、山留め壁を設けないオープンカット工法でも施工可能です。


根切り底が深くなると、山留め壁が必要です。根切りを浅くすれば、山留め壁、掘削土量の分、コスト削減できます。根切りは下記が参考になります。

根切りとは?1分でわかる意味、山留、埋戻し、根切り深さとの関係

山留めの読み方

山留めは「やまどめ」と読みます。土留めは「どどめ」です。読み方を覚えてくださいね。

まとめ

今回は山留めについて説明しました。意味が理解頂けたと思います。根切りが深いと山留め壁が必要になります。構造設計では、不用意に基礎底を深くしないよう注意しましょうね。山留めの工法として、法付オープンカット工法、山留め壁オープンカット工法の2つは覚えてください。また、山留め壁の種類も参考にしてくださいね。

オープンカットとは?1分でわかる意味、規準と角度、メリット

親杭横矢板とは?1分でわかる意味、読み方、施工手順、止水との関係>

土留めとは?1分でわかる意味、山留めとの違い、種類、矢板

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