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オープンカット工法は、山留め工法の1つです。山留とは、根切りで土が崩れないよう防ぐ仮設物のことです。オープンカットは、法面になるよう根切を行うので、土自身の粘着力や内部摩擦により崩れを抑えています。今回は、そんなオープンカット工法の意味、基準、角度やメリットについて説明します。
山留の意味は、下記が参考になります。
山留めとは?1分でわかる意味、種類、土留めとの違い、根切りとの関係
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オープンカットとは、地盤を法面(斜めの面)に根切りして、地盤が崩れないようにする工法です。下図をみてください。
地盤は、粘着力や内部摩擦があるため、法面になるよう掘削すれば崩れません。※根切、法面の意味は下記をご覧ください。
根切りとは?1分でわかる意味、山留、埋戻し、根切り深さとの関係
法面とは?1分でわかる意味、読み方、勾配、計算方法、建築物との関係
子供の頃、砂場遊びを経験した方なら覚えがあると思います。
オープンカット工法は、他の山留工法に比べて多くのメリットがあります。
下記がオープンカット工法のメリットです。
・山留費用が最小限に抑えられる
・施工が簡単
所定の法面をつくればよいので、山留費用がかかりません。また、根切をするだけなので施工も簡単です。
法面の意味は下記が参考になります。
法面とは?1分でわかる意味、読み方、勾配、計算方法、建築物との関係
一方でデメリットも挙げられます。
・法面角度が45度程度のため、根切深さが大きいほど根切範囲が広がる
・敷地が狭い場合は、オープンカットが採用できない
オープンカットによる法面は、概ね45度の角度です(詳細な規定は後述しました)。つまり、根切深さが大きいほど根切範囲も広がります。よって、敷地が広い場合はオープンカットが最良です。
一方で、敷地が狭く根切深さが大きい場合、オープンカット工法は採用できません。
では、オープンカット工法は、どの程度の角度を設ければよいのでしょうか。下記は山留設計施工指針による規準です。公共工事標準仕様書でも、同様の規準があります。詳しい値は、下表によりますが概ね45度の勾配と考えてください。
地山の土質 | 切土高 | 勾配 | |
硬岩 | 1:0.3~1:0.8 | ||
軟岩 | 1:0.5~1:1.2 | ||
砂 | 密実でない粒度分布の悪いもの | 1:1.5~ | |
砂質土 | 密実なもの | 5m以下 | 1:0.8~1:1.0 |
5~10m | 1:1.0~1:1.2 | ||
密実でないもの | 5m以下 | 1:1.0~1:1.2 | |
5~10m | 1:1.2~1:1.5 | ||
砂利または岩塊まじりの砂質土 | 密実なもの、または粒度分布のよいもの | 10m以下 | 1:0.8~1:1.0 |
10~15m | 1:1.0~1:1.2 | ||
密実でないもの、または粒度分布の悪いもの | 10m以下 | 1:1.0~1:1.2 | |
10~15m | 1:1.2~1:1.5 | ||
粘性土 | 10m以下 | 1:0.8~1:1.0 | |
岩塊または玉石まじりの粘性土 | 5m以下 | 1:1.0~1:1.2 | |
5~10m | 1:1.2~1:1.5 |
地盤の粘着力、内部摩擦力はN値により変わります。上表でも、地山の性質により勾配が変わると覚えておきましょう。
緩い土は、粘着力や内部摩擦力が弱いです。法面の勾配がきつくなると崩れます。逆の場合、急こう配にしても地盤は崩れません。地盤の特性により、根切範囲が大きく変わります。
今回はオープンカットについて説明しました。オープンカットのメリット、デメリットが理解頂けたと思います。敷地が広い場合は、何も考えずともオープンカットが採用されます。敷地が狭く、根切深さが大きい場合は山留が必要となるので注意しましょう。下記も参考にしてくださいね。
山留めとは?1分でわかる意味、種類、土留めとの違い、根切りとの関係
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