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切梁(きりばり)とは?腹起しとの違い・間隔・プレロード・火打ちの関係

この記事の要点

切梁とは、山留壁や腹起しの変形・応力を抑えるために設置する支持部材である。

腹起しは山留壁に沿わせる水平部材、切梁は腹起しや山留壁の支持部材という役割の違いがある。

火打ちは切梁ではなく腹起しの補強部材であり、腹起しのスパンを短くする目的で設置する。

切梁にあらかじめ圧縮力を与えることをプレロードといい、山留壁の変形・応力軽減に効果がある。

この記事では、切梁とは何か、腹起しとどう違うのか、プレロードはどのような目的で行うのか、火打ちとどう関係するのかを整理します。

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切梁とは、山留壁や腹起し(山留壁など)の変形を抑えること、山留壁などに作用する力を減らす目的があります。


山留壁だけで自立できない場合、切梁が必要です。今回は切梁の意味、読み方、腹起しとの違い、切梁の間隔、切梁と火打ちとの関係、切梁のプレロード工法について説明します。


※山留工法の種類、腹起しの意味は下記が参考になります。

山留めとは?種類・工法・土留めとの違い・根切りの関係

腹起こしとは?1分でわかる意味、切梁、ブラケット、建築物との関係

切梁とは?

切梁とは、山留壁や腹起しの変形を抑えること、山留壁、腹起しに作用する力(応力)を減らすため設置する部材です。


下図をみてください。山留壁、切梁を示しました。


切梁と山留壁


上図のように、地中工事の作業性を考えると、切梁は「無い」方が望ましいです。ただ、根切りが深いと土圧が大きいです。


土圧が大きいと、自立した山留壁では対応できません(変形や応力が大きすぎる)。


※敷地が広い場合、中央部の躯体を先行してつくる「アイランド工法」があります。アイランド工法は、下記が参考になります。

アイランド工法とは?1分でわかる意味、メリット、切梁の必要性、留意点


※根切りの意味は下記が参考になります。

根切りとは|意味・根切り深さ・山留・埋戻しとの関係

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切梁の読み方

切梁は「きりばり」と読みます。その他、山留に関する部材の読み方を整理しました。


切梁  ⇒ きりばり

腹起し ⇒ はらおこし

火打ち ⇒ ひうち

山留壁 ⇒ やまどめかべ

土留壁 ⇒ どどめかべ


腹起こしとは?1分でわかる意味、切梁、ブラケット、建築物との関係

建築の火打ちとは?1分でわかる意味、筋交いとの違い、目的

切梁と腹起しとの違い

下図に、切梁と腹起し、山留壁を示しました。


切梁と腹起し


切梁と腹起しの違いを下記に整理しました。


・切梁 ⇒ 腹起しや山留壁の変形を抑える目的で設置する部材。

腹起しや山留壁の支持部材。

・腹起し ⇒ 山留壁に作用する土圧などを、「切梁」などに伝える水平部材。


腹起しは山留壁に沿わせる水平部材、切梁は腹起しや山留壁の支持部材と覚えてくださいね。※腹起しは下記が参考になります。

腹起こしとは?1分でわかる意味、切梁、ブラケット、建築物との関係

切梁の間隔

切梁の間隔は、山留壁や腹起しの計算に応じて変わるので一概に言えませんが、6~8m程度が一般的かと思います。偏りなく切梁を設置することが基本です。

切梁と火打ちとの関係

切梁から腹起しにかけて配置する斜め部材を、「火打ち」といいます。※火打ちは、山留以外の部材にも使う用語です。


火打ちは、腹起しの補強部材です。切梁を補強する部材では無いので注意してください。


下図をみてください。腹起しは、山留壁に作用する土圧を受けて、応力が作用します。火打ちが無い場合、腹起しのスパンは「切梁の間隔」です。

腹起しと火打ち


火打ちを設置すれば、腹起しのスパンを短くできて、変形・応力が軽減されます。よって腹起しの部材断面を小さくできます。

建築の火打ちとは?1分でわかる意味、筋交いとの違い、目的

切梁へのプレロードとは

切梁を設置した後、切梁にあらかじめ圧縮力を作用させることを「プレロード」といいます。切梁へプレロードを入れる目的が下記です。


・山留壁の変形、応力の軽減


下図をみてください。山留壁に作用する土圧荷重の向き、プレロードの向きを示しました。


プレロードは、土圧荷重と逆向きの力を作用させるので、「見かけの土圧荷重」を減らしています。


切梁とプレロード


※土圧については、下記が参考になります。

土圧ってなに?良く分かる土圧の算定方法や土圧の種類

混同しやすい用語

  • 切梁と腹起し:腹起しは山留壁に沿わせる水平部材、切梁は腹起しや山留壁を支える支持部材。役割が異なる。
  • 火打ちと切梁:火打ちは腹起しの補強部材であり、切梁の補強ではない点に注意。

試験での問われ方|管理人の一言

一級建築士試験では「切梁は腹起しの補強部材である」などの誤った記述が出題されることがあります。切梁は支持部材、火打ちが腹起しの補強部材という点を整理しておきましょう。プレロードの目的(山留壁の変形軽減)も押さえておくと安心です。

切梁を整理した表を示します。

項目役割備考
切梁腹起し・山留壁の支持部材プレロードで変形軽減
腹起し山留壁に沿わせる水平部材土圧を切梁に伝える
火打ち腹起しの補強部材腹起しのスパンを短くする

まとめ

今回は切梁について説明しました。切梁は、山留壁や腹起しの変形、応力を抑えるために設置する部材です。


ただできる限り、切梁は無くした方がいいでしょう。地中工事の作業性が悪くなるからです。


また、切梁と腹起しの違い、役割は覚えてくださいね。他にも色々な山留工法があるので、下記も参考にしてくださいね。

山留めとは?種類・工法・土留めとの違い・根切りの関係

腹起こしとは?1分でわかる意味、切梁、ブラケット、建築物との関係

建築の火打ちとは?1分でわかる意味、筋交いとの違い、目的

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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