この記事の要点
純鉄の性質、炭素含有量と鋼・鋳鉄の違い、バウシンガー効果など、鋼材の教科書に載っているが見落とされがちな7つの重要知識を解説します。
試験・実務で差がつく知識です。
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僕が学生のとき、鉄骨構造の教科書の1章はいつも読み飛ばしていました。1章には大抵、鋼材の材料に関する情報が書かれています。
でも、とっても重要なことが書かれている。それを社会人になってから知ったのです。今回は、鋼材の意外と知らない7つのTIPSということで、知りそうで知らない情報を紹介していきます。
不純物のない鉄を純鉄と言いますが、降伏強度100N/m㎡、破断強度250 N/m㎡です。降伏比に直すと50%で、延性に富んだ材料と言えます。ちなみに、鋼は60%程度です。
そもそも鉄筋とH鋼などの製造方法は違います。後者は高炉によって製造され、前者は電炉によって。電炉は、簡単に言えば電気で鉄を溶かし、精鉄する技術なのですが、比較的、小さな部材を生成することに適しています。
ですから、鉄筋やcチャンネルなどが電炉に適しています。さらに、これらは屑鉄を集めて電気で溶解させ精鉄します。屑鉄を使っているので不純物が心配ですが、JIS規格を満足した鋼材なら問題はありません。
鉄に不純物が混じると悪影響を及ぼしますが、リンや硫黄はその原因。精鉄するとき、これらを排除します。
高炉メーカー(新日鉄、JFE)が、鉄骨の製造量の約8割をシェアしています。一方、電炉メーカーによる製造量は残りの2割です。
炭素の含有量で0.008%未満だと鉄ですが、これ以上入れると鋼になります。しかし、炭素を入れすぎると鋳鉄になり、強度が高くなりますが伸び能力がなくなります。
何事も丁度良いのが良いようですね。
鋼材を引張り、放置します。その後、引っ張るとまた降伏したかのような現象が起きます。Strain againと呼ばれています。
引張力を加え降伏したのち、除荷します。その後、圧縮力を加えると引張強度より圧縮強度は小さい外力で破断に至ります(座屈ではありません)。バウシンガー効果と言います。
混同しやすい用語
鋼・鋳鉄(ちゅうてつ)
鋳鉄は炭素含有量が2%超の鉄で、硬くて脆く延性がほとんどありません。
鋼は炭素含有量0.008%以上2%以下で延性に富むのに対して、鋳鉄は炭素を入れすぎた結果として強度は高いが伸び能力がなく、建築構造材料には不向きです。
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▶ 建築士試験ではどう問われる?
この論点は建築士(構造)で出題されます。実際の問題と解き方は 建築材料の過去問解説(分野別・全年度)(無料)で確認できます。
炭素含有量による鋼・鋳鉄の違いは?
炭素を0.008%以上2%以下入れると鋼になり、入れすぎると脆い鉄(鋳鉄)になります。
引張降伏後に圧縮するとどうなる?(バウシンガー効果)
圧縮強度が引張強度より小さくなります。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験ではバウシンガー効果や炭素含有量と鋼の性質の関係が問われます。
「炭素0.008%以上2%以下で鋼になる」「降伏後の圧縮強度低下がバウシンガー効果」を覚えておきましょう。(一級建築士 頻出:バウシンガー効果(降伏後の圧縮強度低下)と炭素含有量と鋼の性質の関係が繰り返し出題)