この記事の要点
鉄骨工事の見積もりで丸パイプの重量を出すとき、「中空だから円面積の計算に注意」という点が一番間違いやすい。
外径Dと内径d(=D-2t、tは肉厚)から断面積=(π/4)(D²-d²)を求めてから密度を掛ける。
丸棒との比較では、中空分だけ軽くなるが断面二次モーメントは外側に面積が集中するため、軽量のわりに曲げ剛性が高い。
実務での計算例を整理する。
この記事では、丸パイプの重量計算とは何か、角パイプとどう関係するのか、丸パイプの重量計算はどう計算するのか、丸パイプの重量計算はどのような手順で行うのかを整理します。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
丸パイプとは円形で中空の部材です。
トイレットペーパーの芯の形です。
丸パイプの重量計算は、丸パイプの体積に材料の密度をかければよいです。
丸パイプの体積は、円の断面積を求める必要があります。
今回は、丸パイプの重量計算と方法、丸棒と角パイプとの関係について説明します。
円の断面積、丸棒、角パイプの意味は、下記が参考になります。
丸棒の重量計算方法|公式と鉄・SUS・アルミの密度を使った計算例
角パイプの重量計算とは?本当にわかる計算方法、計算式、鉄の角パイプの重量
また、丸パイプの重量は、鋼材メーカーの規格で決まっています。詳細は、下記が参考になります。
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
下図をみてください。これが丸パイプの形状です。円形で中空の断面ですね。
空洞部分は重量が無いです。よって、円形の板厚部分の重量が、丸パイプの重量です。計算は、下記のように考えます。
丸パイプの断面積=外径の円の断面積-内径の円の断面積
丸パイプの体積=丸パイプの断面積×丸パイプの長さ
丸パイプの重量=丸パイプの体積×丸パイプの密度
下図をみてください。大きい円(外径)から小さい円(内径)の面積を引いて、残った面積が丸パイプの断面積ですね。
上記の考え方を計算式に直せば、丸パイプの重量計算ができます。外径、内径、円の断面積の意味は、下記が参考になります。
なお、丸パイプの重量は鋼材メーカーの規格で決まっています。常用サイズ(一般的に使うサイズ)の丸パイプを使う場合、重量計算は不要です。
下図に丸パイプを示します。
丸パイプの重量計算の公式を下記に示します。
W=qAL=qL(2πrt-πt2)
Wは重量、qは密度、Aは断面積、Lは丸パイプの長さ、直径がD、半径がr、板厚をt、円周率をπとします。
円の断面積は、
半径×半径×円周率
です。前述の流れを計算します。丸パイプの外形の断面積は、
r×r×π=πr2
です。次に内径の断面積は、
(r-t)×(r-t)×π=π(r-t)2
です。外径の断面積から内径の断面積を引くと、
A=πr2-π(r-t)2=2πrt-πt2
です。
上式が正しいか確認します。半径が200mm、板厚が9mmの丸パイプがあります。鋼材メーカーによる規格値では断面積は、110.6cm2でした。
A=2πrt-πt2=2*3.14*20*0.9-3.14*0.92=110.5cm2
なので、規格値とほとんど同じですね。僅かに値が異なるのは、円周率の関係です(円周率が無理数のため)。
鋼材メーカーによる丸パイプの規格値は、下記が参考になります。
丸棒、角パイプの重量計算は、下記が参考になります。
丸棒の重量計算方法|公式と鉄・SUS・アルミの密度を使った計算例
角パイプの重量計算とは?本当にわかる計算方法、計算式、鉄の角パイプの重量
混同しやすい用語
丸棒
中空でない円形断面の鋼材。
丸パイプが中空であるのに対して、丸棒は断面がすべて実体で重量も大きくなる。
角パイプ
断面が正方形や長方形の中空鋼材。
丸パイプとは断面形状が異なり、接合加工がしやすい特徴がある。
丸パイプの重量計算を整理した表を示します。
| 項目 | 丸パイプ | 丸棒 |
|---|---|---|
| 断面形状 | 円形・中空 | 円形・中実 |
| 断面積の計算 | 外径円−内径円 | πr2 |
| 重量の特徴 | 板厚分のみ | 全断面分 |
今回は丸パイプの重量計算について説明しました。
意味や計算方法が理解頂けたと思います。
まずは、丸パイプの形状をよくみてください。
外径の円の断面積から内径の円の断面積を引けば計算できる、とわかるはずです。
なお、丸パイプの重量は鋼材メーカーによる規格で決まっています。
下記の記事も参考にしてくださいね。
角パイプの重量計算とは?本当にわかる計算方法、計算式、鉄の角パイプの重量
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
丸パイプの断面積の求め方は?
外径Dと内径d(=D-2t、tは肉厚)から断面積=(π/4)(D2-d2)で求め、密度を掛けて重量を算定します。
丸パイプが軽量でも曲げ剛性が高い理由は?
中空分だけ軽くなりますが、断面二次モーメントは外側に面積が集中するためです。
