この記事の要点
固定度とは、梁や杭の端部がどれだけ回転に抵抗できるかを示す指標です。
完全固定(固定度=1)から完全ピン(固定度=0)の間の値をとり、接合形式によって異なります。
実務では等分布荷重が作用する両端固定梁の端部モーメントCを基準に考えることが多く、固定度が大きいほど端部モーメントは大きく、中央モーメントは小さくなります。
構造設計の実務では、固定度を「等分布荷重の作用する両端完全固定梁の端部曲げモーメントCを基準に考える」ことが多いです。
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固定度とは、部材の接合部(端部)の回転方向の拘束度合いを意味します。
構造設計の実務では、固定度を「等分布荷重の作用する両端完全固定梁の端部曲げモーメントCを基準に考える」ことが多いです。
なお、Moは両端ピン接合のときの等分布荷重が作用する梁の中央部曲げモーメントです。
たとえば、0.4C、0.5Cと表すことで、両端固定と比べてどの程度、端部が回転方向に拘束されているか分かります。なお、ピン接合のように端部の固定度全くない場合、固定度は0とします。
鉄筋コンクリート造の小梁の場合、単スパンの梁でも両端の固定度は0(ピン)ではなく、ある程度の固定度を考慮します(回転方向がそれなりに拘束される)。これは、鉄筋コンクリート造では各部材がコンクリートにより一体化しており、当該梁と接続される梁のねじり剛性が期待できるためです。
そのため、単スパンの小梁の端部には0.6C程度の曲げモーメントが生じると考えます。つまり、単スパンの梁では両端完全固定の梁に生じる曲げモーメントの「0.6倍程度の曲げモーメント」が生じることを意味します。


さらに鉄筋コンクリート梁が2スパンや多スパンのように連続する場合、内端の曲げモーメントは「1.3C(2スパン)、1.2C(多スパン)」となり、"両端完全固定の曲げモーメントより大きい応力"が生じる点に注意が必要です。
なお、回転方向が完全に拘束された状態を"固定"、回転方向が全く拘束されない状態を「ピン」、その中間のかたさは"半固定"や"回転ばね"といいます。
以上のように端部の固定度は、前述した「両端固定の端部曲げモーメントC」を基準に「数値で理解する」と簡単です。固定度が1とはCの1倍なので、両端固定梁の固定度と同等、固定度が0はCの0倍なので端部の曲げモーメントは生じておらず、両端ピンの固定度を意味します(固定されていない)。


固定やピンの意味は実体験からも理解できます。
まず、ペンを手で握ります。
しっかり握った後、もう片方の手でペン先を押さえます。
ペンを握っているので、落ちることは無いですね。
次に、ペンを手の平の上に乗せます。
すると、ペンを押さえなくても、ペン自体の重みで落ちます。
ペンが自重により、「回転した」からです。
回転に対して、全く拘束が無い状態を、「ピン」といいます。
ちなみに、端部の固定度の大小は、端部の曲げモーメントと梁のたわみの大小を左右します。固定度が大きいほど(固定に近づくほど)、梁に生じる変形は減ります。回転しないからですね。部材の変形を抑えるには、接合部を固定とする方が有利です。
一方で、固定度を大きくすれば、梁の変形が小さくなる代わりに、固定度を大きくした端部の曲げモーメントも大きくなります。
杭の設計を行う場合、杭頭の固定度を「固定、ピン、半固定」にするかで、杭に生じる曲げモーメント、変形量が変わります。前述したように、杭頭の固定度を固定にすれば、杭頭に生じる曲げモーメントは大きくなり杭の変形量は小さくなります。
逆に、杭頭をピンにすれば杭頭に生じる曲げモーメントは理論上0になりますが、杭の変形量は大きくなります。半固定は、両者の中間的な曲げ応力、変形が生じます。
なお、一般に杭頭は固定として設計し、杭頭に生じる曲げモーメントは地中梁で負担することが多いです。
固定度を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 固定(固定度=1) | 両端完全固定梁の端部曲げモーメントCと同等 | 変形最小・端部曲げモーメント最大 |
| 半固定(固定度=0.4〜0.6C) | RC単スパン小梁の端部に採用 | 接続梁のねじり剛性による拘束を考慮 |
| ピン(固定度=0) | 端部が回転方向に全く拘束されない状態 | 端部曲げモーメントはゼロ |
今回は固定度について説明しました。
固定度とは回転方向の拘束度合いです。
構造設計の実務では、固定度を「等分布荷重の作用する両端完全固定梁の端部曲げモーメントCを基準に考える」ことが多いです。
たとえば、0.4C、0.5Cと表すことで、両端固定と比べてどの程度、端部が回転方向に拘束されているか分かります。
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