この記事の要点
剛体(ごうたい)とは、外力を受けても変形しない理想的な物体のことです。
実際の材料は変形しますが、計算を簡略化するために剛体と仮定することがあります。
剛体の特性(回転・並進のみ・変形なし)・剛体仮定を使う場面(剛床仮定・剛性マトリクス等)と実際の構造物への適用条件を解説します。
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剛体という用語をご存じでしょうか。実は建築の専門用語ではなくて、物理学で「剛体」を習います。では、剛体とは何でしょうか。今回は剛体について説明します。
似た用語に「剛性」があります。詳細は下記をご覧ください。
剛(ごう)とは?読み方・柔との違い・剛性・剛構造など建築用語
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
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剛体とは、
です。下図をみてください。
仮想の物体に力を作用させます。すると、変形せずに、そのまま平行移動しました。このように、力を加えても変形しない物体を剛体と言います。
剛体には大きさや重心があります。よって、重心位置に力を作用させれば、剛体は変形せずに並進移動します。
また、力の位置を、剛体の重心位置とずらして作用させると、力のモーメントの作用により、剛体は回転します。
※力のモーメントに関しては、下記が参考になります。
但し、剛体とはあくまでも「考え方」です。厳密にはそんな物体はありませんが、剛体として考えた方が計算上の都合がよく、剛体として考えても工学的に差支えない場合もあります。これは後述します。
さて、下図をみてください。これは単純梁と言います。両側の支点に、梁が掛けられ荷重が作用しています。「橋」をイメージすれば分かりやすいと思います。
さて、この梁に荷重が作用すると当然梁は、変形します。この状態を「たわむ」と言います。車や人が通る橋も、本当はたわんでいます。しかし、変形量がごく僅かであるため、私たちが生活をする場面では、気が付かないのです。
もちろん、物体が変形する以上「剛体」ではありません。では、建築の構造計算では、何が剛体とみなせるのでしょうか。
構造計算では、実際の物体を剛体とみなすことがあります。考えられるケースは2つです。
例えば、鉄筋コンクリート造の壁は、場合によっては剛体とみなせるケースもあります。RC壁は面内方向の断面性能がとても大きいからです。また、建築物の構造計算は、「剛床仮定」という重要な理論があります。
剛床仮定とは、
というものです。詳細は省きますが、剛床仮定を適用することで、地震時の検討がとても簡単になります。下記も参考にしてください。
微小変形理論とは?微小ひずみの定義・有限変形理論との違いと建築構造解析への適用
混同しやすい用語
剛体
外力が加わっても変形しない仮想的な物体のこと。構造計算での仮定として使われ、剛床仮定などに活用される。
弾性体
外力が加わると変形するが、外力を取り除くと元に戻る物体のこと。実際の構造部材は弾性体として扱うことが多い。
剛体を整理した表を示します。
| 概念 | 内容 | 特徴・補足 |
|---|---|---|
| 剛体 | 外力が加わっても変形しない仮想の物体 | 実在しないが構造計算を単純化するために仮定する |
| 剛床仮定 | 床を剛体とみなす仮定 | 地震時の解析を大幅に単純化できる耐震設計の概念 |
| 弾性体 | 外力で変形するが除力で元に戻る物体 | 実際の構造部材は弾性体として扱うことが多い |
今回は剛体について説明しました。剛体は、変形しない物体だ、と覚えておけば楽ですよね。構造計算での扱いも、頭の片隅にいれておきましょう。下記も併せて参考にしてください。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
微小変形理論とは?微小ひずみの定義・有限変形理論との違いと建築構造解析への適用
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
「剛体」は理想化された概念ですが、剛床仮定など実際の耐震設計計算で重要な役割を担っています。剛体を仮定することで計算が大幅に単純化できる点を理解しておきましょう。