この記事の要点
建築構造設計の基本は「弾性設計」と「塑性設計」の二本立てです。弾性設計法は応力度を降伏点以下に収める設計で、許容応力度設計法として日常の実務に組み込まれています。「弾性ってどういう状態?」から理解すると、設計の考え方全体がすっきりします。
このページでは弾性設計法の定義・読み方・許容応力度設計法との関係、塑性設計との比較を解説します。
弾性設計法とは、材料の弾性範囲内に部材の応力度を抑える設計法です。長期荷重、短期荷重に対して、応力度を弾性範囲内に抑えます。
この記事では、弾性設計法とは何かを整理します。
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弾性設計法(だんせいせっけいほう)とは、材料の弾性範囲内に部材の応力度(応力)を抑える設計法です。
今回は、弾性設計法の意味、読み方、許容応力度設計法、塑性と弾性の関係について説明します。
材料の弾性、塑性の性質は、構造計算で重要な考え方です。
下記の記事も是非参考にしてください。
弾性とは?塑性との違い・例(ゴム・鋼材)・降伏点との関係を解説
塑性とは?意味・弾性との違い・塑性化・靭性・延性をわかりやすく解説
弾性設計法とは、材料の弾性範囲内に部材の応力度を抑える設計法です。長期荷重、短期荷重に対して、応力度を弾性範囲内に抑えます。長期荷重に対しては、降伏時の許容応力度(短期許容応力度)を低減した許容応力度を用いて設計します。
部材の応力が材料の弾性範囲内であれば、大きな損傷は無いです。例えば、地震による応力が材料の弾性範囲内の時、地震力が取り除かれた後、建物は普通に使えます。
日本では、建物の構造計算を下記の2段階で行います。
許容応力度設計法(弾性設計法)
保有水平耐力計算(塑性設計法)
1つは、弾性設計法です。
許容応力度設計法ともいいます。
保有水平耐力計算に比べて、計算が簡便です。
重ね合わせの原理が適用できる点も便利です。
色々な荷重が作用しても、それらを1つ毎のケースとして扱い、後で応力を足し合わせて解が求められます。
重ね合わせの原理は、下記が参考になります。
重ね合わせの原理とは?意味・不静定梁でのたわみ計算と適用条件(線形弾性の前提)
弾性設計法は、全ての建物に適用される構造計算の手法です。是非理解しましょう。下記が参考になります。
材料の塑性化を利用した設計法が、保有水平耐力計算です。詳細は、下記が参考になります。
弾性設計法は「だんせいせっけいほう」と読みます。関係用語の読み方は、下記です。
許容応力度設計法 ⇒ きょようおうりょくどせっけいほう
保有水平耐力計算 ⇒ ほゆうすいへいたいりょくけいさん
弾性 ⇒ だんせい
塑性 ⇒ そせい
弾性設計法と許容応力度設計法は、同じ意味です。ただし、許容応力度設計法(許容応力度計算)ということが多いです。詳細は、下記が参考になります。
弾性設計法を理解するには、まず弾性の意味を理解しましょう。弾性とは、「力を加えると変形するが、力を取り除くと変形も無くなる(元の状態に戻る)」性質です。弾性の意味を理解した後は、塑性の勉強をしましょう。詳細は、下記が参考になります。
弾性とは?塑性との違い・例(ゴム・鋼材)・降伏点との関係を解説
塑性とは?意味・弾性との違い・塑性化・靭性・延性をわかりやすく解説
混同しやすい用語
材料強度
材料強度(F値)は破壊時の基準値で、許容応力度はそれに安全率を考慮した設計上限値です。
設計では応力度が許容応力度以下であることを確認します。
設計基準強度
設計基準強度はコンクリートの圧縮強度を示すFcで、許容応力度はこれをもとに安全率を考慮して算出します。
弾性設計法を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義 | 部材の応力度を材料の弾性範囲内に抑える設計法 | 許容応力度設計法とも呼ぶ |
| 対象荷重 | 長期荷重・短期荷重 | 各許容応力度以下に収める |
| 関連計算 | 保有水平耐力計算(塑性設計法)と組み合わせて使用 | 重ね合わせの原理が適用可能 |
今回は弾性設計法について説明しました。意味が理解頂けたと思います。弾性設計法は、部材の応力度を、材料の弾性範囲内に抑える設計法です。建物の構造計算で、最も基本的な設計法です。是非理解してくださいね。下記の記事も併せて勉強しましょう。
弾性とは?塑性との違い・例(ゴム・鋼材)・降伏点との関係を解説
塑性とは?意味・弾性との違い・塑性化・靭性・延性をわかりやすく解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
