この記事の要点
安全限界とは大地震時に建物が倒壊せず人命の安全を確保できる限界の状態であり、保有水平耐力計算で確認します。
損傷限界(中地震・許容応力度計算)や使用限界(長期荷重)との違い、および層間変形角の制限値(鉄骨造1/100など)と関係します。
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安全限界(あんぜんげんかい)とは、大地震時に建物が崩壊せず、人命などの安全が確保できる限界の状態です。安全限界では、倒壊・崩壊を防ぎ人命、物の安全を守ることを目的とします。今回は安全限界の意味、読み方、損傷限界との関係、層間変形角の関係について説明します。
大地震、層間変形角の意味は、下記が参考になります。
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安全限界とは大地震時に、建物が倒壊せず、人命などの安全が確保できる限界の状態です。具体的には、
建物が倒壊、崩壊しないこと
物や人命の安全を確保すること
の状態を指します。安全限界を確保するため、建物は保有水平耐力計算を行います。詳細は、下記が参考になります。
また、安全限界の状態を確保するため、建物の層間変形角が規定されます(後述します)。層間変形角の意味は、下記が参考になります。
安全限界は、「あんぜんげんかい」と読みます。関係用語の読み方は下記です。
損傷限界 ⇒ そんしょうげんかい
大地震 ⇒ だいじしん
中地震 ⇒ ちゅうじしん
安全限界と損傷限界の違いを、下記に整理しました。
安全限界 ⇒ 大地震時に建物が崩壊せず、人命などの安全を確保できる限界の状態
損傷限界 ⇒ 中地震時に建物が損傷せず、地震後も建物が使用できる限界の状態
上記を簡単にいうと、安全限界は「大地震時に建物が崩壊しない状態(崩壊しなければ人命の安全は確保される、という考え)」です。損傷限界は、「中地震時が起きても、その後、建物が問題なく使える状態」です。
構造計算的にいうと、
安全限界 ⇒ 保有水平耐力計算を行い問題ないことを確認
損傷限界 ⇒ 許容応力度計算を行い、短期荷重に対して問題ないことを確認
です。中地震、許容応力度計算の意味は、下記が参考になります。
使用限界とは、常時作用する荷重(長期荷重)に対して、使用時の障害や耐久性に問題がない限界の状態です。安全限界は「大地震」に対する建物の状態ですが、使用限界は「長期荷重」に対する状態です。長期荷重の意味は、下記が参考になります。
安全限界を確認するために保有水平耐力計算をします。この計算では層間変形角を確認します。鉄骨造、鉄筋コンクリート造で変形角は下記の値があります(下記の値は、公共建築物に採用される値の例)。
鉄骨造 ⇒ 1/100
鉄筋コンクリート造 ⇒ 1/200
上記を超えた変形は許されません。
混同しやすい用語
損傷限界
損傷限界は中地震(稀に発生する地震)を想定した限界状態で、建物の主要な構造部材が損傷しないことを確認する限界です。安全限界(大地震時)よりも厳しい変形制限が設けられています。
使用限界
使用限界は長期荷重(常時荷重)を想定した限界状態で、建物の日常的な使用に支障が出ない変形範囲を確認します。安全限界・損傷限界とは想定する荷重レベルが異なります。
安全限界を整理した表を示します。
| 限界状態 | 対応荷重 | 目的 |
|---|---|---|
| 安全限界 | 大地震時 | 倒壊防止・人命安全確保 |
| 損傷限界 | 中地震時 | 構造部材の損傷を抑制 |
| 使用限界 | 長期荷重 | 日常使用に支障なし |
今回は安全限界について説明しました。意味が理解頂けたと思います。安全限界は、大地震時における建物が倒壊せず安全性を確保できる限界の状態です。損傷限界、使用限界との違い、大地震、中地震、長期荷重など、荷重の大きさと併せて理解しましょう。下記の記事も参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
「安全限界・損傷限界・使用限界」の3つが、それぞれどの荷重レベル(大地震・中地震・長期)に対応するかが頻出ポイントです。荷重の大きさと限界状態の対応を整理して覚えましょう。
層間変形角の数値(鉄骨造:1/100、RC造:1/200)も試験に出やすい値です。これらは損傷限界時の許容変形として規定されているものであり、安全限界とは異なる基準であることを理解しておきましょう。