この記事の要点
ライズはアーチ構造物の水平基準面からアーチ頂部までの高さです。ライズ比(ライズ÷スパン)はアーチの形状を表す指標で、この値が小さいと扁平なアーチになります。
扁平なアーチはスパンに対してライズが低いため、支点に大きな水平反力(スラスト)が発生します。スラスト力はアーチ構造の設計で最も重要な力のひとつで、基礎や支点部材がこれを受け持つ設計が必要です。
ライズが高いと、アーチとしての性能は良いです。
この記事では、ライズとは何か、ライズ比はどう求めるのか、アーチ構造とどう関係するのかを整理します。
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ライズとは、アーチ構造物の基準となる水平面からの高さです。
ライズが高いと、アーチとしての性能は良いです。
ライズが低いと、支点に生じる水平反力(スラスト)が大きくなるので注意が必要です。
今回は、ライズの意味、ライズ比、アーチ構造との関係について説明します。
※アーチ構造物の特徴は、下記の記事が参考になります。
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建築物のライズとは、アーチ構造物の基準となる水平面からの高さです。下図をみてください。これが、建築物のライズです。
ライズが高いと、アーチ構造として効果があります。部材に生じる応力は、軸力が卓越(支配的)するからです。一方、ライズが小さいと、曲げモーメントが大きいです。これは「梁構造」と同じです。
部材は、曲げモーメントより、軸力で伝達する方が効果的です。下図をみてください。左側が、ライズの高いアーチです。右側が、ライズが低いアーチです。左側のほうが、沢山の力を負担できると思いませんか。
※アーチ構造物の特徴は、下記が参考になります。
アーチ構造物は、ラーメン構造や梁構造のような水平部材より大スパンにできます。体育館の屋根、競技場の屋根に採用されるでしょう。※大スパン構造、大空間構造の意味は、下記の記事が参考になります。
空間構造とは?大スパン構造との関係・シェル・トラス・膜構造の種類と特徴
体育館や屋内競技場は、各スポーツで必要とする高さを満足するよう建物高さを決定します。よって、競技に必要な高さ分、ライズを調整することも可能です。
また、建築物の用途(クレーンの揚程など)、その他特殊な条件によりライズが決定する場合があります。例えば、飛行場に建物を設計する場合は、飛行機の発着に影響ない高さとします。
なお、橋梁でもアーチ構造はよく使われます。橋梁とアーチ構造の関係は、下記の記事が参考になります。
橋の構造とは?12種類の名称・特徴・強度と建築ラーメン構造・トラス構造との関係
下図をみてください。ライズをHとスパンをLとするとき、ライズ比は下式です。
ライズ比=H/L
ライズが1.0mでも、スパン5mと10mでは、アーチ構造物の雰囲気が全く違います。スパンに応じて、所定のライズとなるようライズ比を決めます。一般的にライズは、1/5~1/10程度に納まることが多いです。なお、円弧のライズ比は1/2です。
混同しやすい用語
ライズ vs スパン
ライズはアーチ構造物の基準水平面からの高さで、スパンはアーチの支点間の水平距離です。
ライズ比(H/L)はこの2つの比で、アーチの性能を評価する指標になります。
アーチ構造 vs ラーメン構造
アーチ構造は曲線形状により主に軸力で荷重を伝達し、大スパン空間に適しています。
ラーメン構造は柱と梁を剛接合し曲げモーメントで荷重に抵抗する構造形式です。
ライズとアーチ構造を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| ライズ | アーチの基準水平面からの高さ | 高いほどアーチ性能が良い |
| ライズ比 | ライズ÷スパン(水平距離)の比率 | 設計の基本指標 |
| スラスト | 支点に生じる水平反力 | ライズが低いと増大 |
今回は建築物のライズについて説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
ライズは、アーチ構造物の基準となる水平面からの高さです。
ライズの高さが大きいと、部材に生じる応力は軸力が卓越します。
ライズとアーチ構造物の関係を理解してくださいね。
併せて下記の記事も参考にしてください。
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