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張弦梁構造とは?1分でわかる意味、仕組み、特徴、トラス構造との関係

この記事の要点

張弦梁構造とは、梁構造とケーブル構造を組み合わせた構造形式です。

アーチ構造やケーブル構造と違い、大きな水平反力が生じません。

この記事では、張弦梁構造とは何か、仕組みはどうなっているのか、トラス構造とどう違うのかを整理します。

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張弦梁構造とは、梁構造とケーブル構造を組み合わせた構造形式です。

アーチ構造やケーブル構造と違い、大きな水平反力が生じません。

大スパン建築に採用される構造形式です。

今回は、張弦梁構造の意味、仕組み、特徴、トラス構造との関係について説明します。

※大スパン建築、空間構造の意味は下記の記事が参考になります。

大スパン建築とは?意味・トラス・アーチ・吊構造の工法を解説

空間構造とは?大スパン構造との関係・シェル・トラス・膜構造の種類と特徴

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張弦梁構造とは?

張弦梁構造とは、梁構造とケーブル構造を組み合わせた構造形式です。下図をみてください。張弦梁構造の一例です。

張弦梁構造

上図のように、上弦材の「梁」、下弦材のケーブル(引張材)、束材(圧縮材)で構成されます。各部材には軸力のみ生じるため、合理的に力を伝達できます。


ケーブル構造やアーチ構造は、支点に生じる水平力が問題です。水平力が大きいと、その処理が大変です。アーチ構造では、水平力を処理する方法として、「タイバー」が採用されます。


張弦梁構造は、引張材に生じる水平軸力が、上弦材に生じる水平軸力と釣り合います。

よって、支点反力として大きな水平反力は生じません。

張弦梁構造は、大スパン建築にも採用される構造形式です。

※ケーブル構造、アーチ構造の意味は下記の記事が参考になります。

ケーブル構造の設計方法について

アーチ構造とは?仕組みと力の流れをわかりやすく解説

張弦梁構造の仕組み

下図に、張弦梁構造の各部材に生じる応力の流れを示しました。

張弦梁構造の仕組み

下弦材と上弦材の水平軸力がつり合い、反力が生じないと理解頂けたと思います。


また、下図のように上弦材をアーチ状、下弦材をケーブル状にして、間を束材で繋ぐ張弦梁構造もあります。アーチとケーブルに生じる水平反力は互いに逆方向なので、水平反力は生じません。

張弦梁構造とアーチ構造、ケーブル構造

※アーチ構造、ケーブル構造の特徴は下記が参考になります。

アーチ構造とは?仕組みと力の流れをわかりやすく解説

ケーブル構造の設計方法について

張弦梁構造の特徴

張弦梁構造の特徴を下記に整理しました。


・外力を軸力で伝達するため、部材断面を小さくしやすい

・大きな水平反力が生じない

・大スパン建築に採用可能

・斬新なデザインにできる

張弦梁構造とトラス構造の関係

上弦材と下弦材、束材を組み合わせた構造形式に、トラス構造があります。張弦梁構造は三角形をつくらず成立しますが、トラスをつくると、より合理的な形状です。※トラス構造の仕組み、特徴は下記の記事が参考になります。

トラス構造とは?強さの理由・メリット・デメリット・計算法を解説

混同しやすい用語

トラス構造

上弦材・下弦材・束材を三角形に組み合わせた構造形式で、張弦梁構造と構成部材は似ています。

ただしトラスは三角形で成立し、各部材に軸力のみ生じる点が特徴です。

アーチ構造

上弦材をアーチ状にした構造形式で、支点に大きな水平反力が生じます。

張弦梁構造では引張材がこの水平反力を内部で釣り合わせるため、支点への反力が生じない点が異なります。

ケーブル構造

引張力のみ作用する部材(ケーブル)で荷重を支える構造形式です。

ケーブル単独では大きな水平反力が生じますが、張弦梁構造ではケーブルと梁の軸力を釣り合わせることでこれを回避します。

試験での問われ方|管理人の一言

試験では張弦梁の仕組み(弦材の引張力がアーチ材の圧縮に拮抗する)と、通常の梁との力の流れの違いが問われます。PC鋼線や鋼棒の引張力でアーチ状の上弦材を補剛することで大スパンを実現する構造です。

張弦梁はトラスより製作が容易で自重が軽いという利点があります。プレストレスの概念と合わせて理解しておくと、試験の大スパン構造の問題に対応しやすくなります。

張弦梁構造を整理した表を示します。

項目内容備考
定義梁構造とケーブル構造を組み合わせた構造形式大スパン建築に採用
特徴大きな水平反力が生じない・各部材に軸力のみ作用アーチ・ケーブル構造との違い
構成部材上弦材(梁)・下弦材(ケーブル)・束材トラス構造と類似した構成

まとめ

今回は、張弦梁構造について説明しました。

意味が理解頂けたと思います。

張弦梁構造は、梁構造とケーブル構造を組み合わせた構造形式です。

ケーブルと梁に生じる軸力が釣り合うので、大きな反力が生じません。

また、各部材に生じる応力は軸力なので、力を合理的に伝達できます。

大スパン建築にも採用されます。

下記の記事も併せて参考にしてください。

ケーブル構造の設計方法について

大スパン建築とは?意味・トラス・アーチ・吊構造の工法を解説

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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