この記事の要点
スパンとは、柱の中心(柱芯)から隣の柱芯までの距離、または支点から支点までの距離のことをいう。
スパンは梁せいや床スラブ厚などの部材断面に直接影響し、スパンが大きいほど梁は深くなる傾向がある。
この記事では、スパンとは何か、1スパンとの関係はどうなっているのかを整理します。
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スパンは、柱芯(柱の中心)から柱芯までの距離です。あるいは支点から支点までの距離をいいます。
建築業では度々「スパン」という用語を耳にします。
私も構造設計の実務をしているとき「ここのスパンを短くできないか?」とか、「スパンが長いから梁せいを大きくしないと持たない」などのように使いました。
一方、普通のビジネス用語としても『スパン』を使うかもしれませんね。『このプロジェクトは〇年のスパンで・・・』のように。
今回は建築業界で使うスパンの意味、使い方を解説します。
スパンとは、柱芯(柱の中心)から柱芯までの距離(柱芯間距離)のことです。
建物には必ず柱があります。柱は鉛直方向に建つ構造部材です。普通、建物を支えるためには1本の柱では少なすぎるので、何本も柱が建っています。
建物の設計図は、基本的に中心を抑えるルールがあって、柱と柱の距離も、柱の中心間の距離を考えます。
この「柱中心と柱中心の間の距離」をスパンといいます。スパンは、特に構造設計で重要な数字で、構造計算を行う時は必ず柱芯間距離を基準にします。
設計図には色々な寸法が描いてあるので混同しやすいですが、一般に、通り芯間距離や壁芯距離をスパンとは言いません。
また、支点から支点までの距離もスパンといいます。支点は構造部材を支持する部分をモデル化した点です。支点は支持部材の中心を取ることが多いです。
たとえば、小梁が大梁に支持される場合、大梁断面の中心位置が支点となると考えてモデル化およびスパンを考えます。
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スパンは、マンションの間取りにおける「間口(居室の幅)」を意味することも多いです。
たとえば「ワイドスパン」のような使い方をします。ワイドスパンは間口を8m以上とったものです。間口が広いため南向きの住戸であれば、日本人が重視する日当たりや風通しがよくなります。
1スパンとは1つのスパンで構成される構造、2スパンは2つのスパンで構成される構造です。1スパンをつくるためには2本の柱(2つの支点)が必要です。1スパンを単スパンともいいます。
スパンを長くすると梁のたわみ応力が大きくなるため構造的に不利です。しかし、スパンを短くすると支点や柱が増えることになるため経済的、構造的に非合理的になります。
また、スパンは意匠計画にも影響するので、極端に短くせず且つ、長すぎない値とします。スパンが大きくなると梁断面も大きくなりますが、梁断面は、建物構造とスパンの関係から概算可能です。
混同しやすい用語
スパン(支点間距離)
構造計算における梁・スラブの支点から支点までの距離で、部材設計の基本となる長さ。
柱芯間距離に対して、スパンは構造計算で用いる理論的な支点間距離であり、実際の柱芯間距離と必ずしも一致しない場合がある。
柱芯間距離(グリッド)
建物の柱の中心(柱芯)から隣の柱芯までの距離で、建築計画やスラブ・梁設計の基準となる寸法。
スパンに対して、柱芯間距離は建築計画上の寸法であり、これを基にスパンを設定して構造計算を行う。
スパンを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義 | 柱芯から柱芯までの距離、または支点間距離 | 単位:m |
| RC梁のスパンと梁せい | 梁せいはスパンの約1/10が目安 | 例:スパン6mなら梁せい600mm |
| スラブのスパン | スラブ厚はスパンの約1/30が目安 | 大きいほど厚くなる |
今回は建築用語のスパンについて図解しました。スパンは、柱芯(柱の中心)から柱芯までの距離です。あるいは支点から支点までの距離です。
構造力学ではスパンは与えられており考えることはないですが、実際の建物では自分でスパンを決定する必要があります。部材のどの位置が支点となりスパンの値はどうなるのか考えてみましょう。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験ではスパンと梁せい・スラブ厚の関係(例:RC梁はスパンの1/10程度)が問われます。
「スパンが大きい=梁が深くなる=重くなる」という設計的感覚を持つと、部材断面の妥当性判断に役立ちます。