この記事の要点
平板載荷試験の結果と構造計算で使う許容支持力が一致しないことがあって、違いを説明できなかった経験がある。
試験は実地盤の反応を測るが、設計用の支持力には安全率や建物荷重範囲の考慮が加わるためだ。
この記事では平板載荷試験の試験方法・試験結果の読み方・地耐力算定式との違い・実務での注意点を解説する。
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平板載荷試験は、地耐力を実地で測定する方法です。
直接基礎で地耐力を算定する方法は2つあります。
1つは、地耐力の算定式(基準法と建築基礎構造設計指針で式は違います)、もう1つは平板載荷試験によって試験する方法です。
又は、両者を併用する場合もあります。
建築基準法を読み解くと、両者の方法が明記されていて、2つの式には違いがあります。今回は、平板載荷試験の結果と地耐力の算定式の違いを読み解いていきましょう。
今回の記事はN値や地盤調査に関する記事を読んでおくと、よりスムーズに理解できます。
ボーリング調査とは|標準貫入試験・N値・孔内水平載荷試験の基礎知識
N値とは?目安・求め方とN値40・50の地耐力・杭の支持力計算
内部摩擦角とは?1分でわかる意味、ざっくり地盤の特性を知る5つのTIPs、n値との関係
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地耐力の算定は、下式です。
これは、建築基準法による場合と建築構造基礎設計指針で若干の違いに注意が必要です。基礎指針の方が、地耐力が低く算定されます。
この式は、3つの項があります。1つは粘土層の耐力、2つ目が砂層の耐力、3つ目が基礎を埋め込むことによる基礎深さに関する耐力です。
当然、粘土地盤を支持層とする場合、砂層の項は無くなります。逆もしかりです。あとは、求めた地耐力を1/3してやれば、地盤の長期許容応力度(長期地耐力)が算定されます。
地耐力の計算方法は下記が参考になります。
一方、平板載荷試験ではどのような式を用いるのでしょうか。
平板載荷試験とは、実際に現地で地耐力を測定する方法です。
簡単に言えば、予定する支持層の上に直径30cmの鉄板を敷きます。
これに反力装置やらジャッキを取り付け、架台を組みます。
その上に重量物(例えば重機など)を載せ、時間の経過と地盤の強度を測定するのです。
この方法で算定された地盤の強度(極限支持力)をqtとしましょう。すると、地耐力は下式で示されます。
qa=qt/3+(N‘×r×Df)/3
N‘はN値ですが、土の種類と密実かどうか?で判断されます。これは下記のように、
・密実な砂層 N‘=12
・ゆるい砂層 N‘=6
・粘土層 N‘=3
となります。rは土の単位体積重量、Dfは基礎底です。ここで疑問に思うのは、密実かどうか?と言う点です。例えば、支持層のN値をみてN=30くらいあれば密実と言えると思います。
逆にN値10程度では、ゆるい砂層でしょう。テルツアーギによる地盤の判別表が、よく地盤調査報告書に明記されています。これを参考にすると良いでしょう。
※N値は下記も参考になります。
N値とは?目安・求め方とN値40・50の地耐力・杭の支持力計算
平板載荷試験の結果で荷重変位曲線や荷重時間曲線が描かれています。このとき、荷重が落ち着いてきたら、その値がqtと判断できます。つまり、荷重が上昇しないことは降伏を意味しているからです。
注意したいのは、平板載荷試験が直径30cmの円盤で実験測定している点です。基礎から地盤に力が伝わるとき、圧力球根と呼ばれる範囲に力が伝わります。この圧力球根は基礎の大きさに影響して、力が伝わる範囲は広がります。
もし、想定している支持層が薄く、N値の低い層がある場合、平板載荷試験で良くても実際の基礎は圧力球根が大きく、その軟弱地盤に荷重が広がっているかもしれません。圧力球根と平板載荷試験の関係は下記をご覧ください。
圧力球根とは?意味・形状と杭基礎・平板載荷試験への影響(地盤内の応力分布)
混同しやすい用語
地耐力と許容地耐力
地耐力は地盤が単位面積あたりに耐えられる荷重の大きさです。
許容地耐力は安全率を考慮した設計上の許容値で、通常は極限地耐力の1/3が用いられます。
平板載荷試験とボーリング調査
平板載荷試験は実際に現地で鉄板に荷重をかけて地盤強度を測定する方法です。
ボーリング調査は地盤を掘削してサンプルを採取し、地層構成やN値を調べる方法です。
平板載荷試験を整理した表を示します。
| 項目 | 平板載荷試験 | 算定式(建築基準法) |
|---|---|---|
| 方法 | 現地で直径30cmの鉄板に荷重をかけて測定 | N値・土の種類から計算式で算定 |
| 地耐力の算定式 | qa=qt/3+(N'×r×Df)/3 | 粘土項・砂項・基礎深さ項の3項で計算 |
| 注意点 | 圧力球根の影響(支持層が薄いと過大評価) | 基礎指針の方が低く算定される |
今回は、平板載荷試験について説明しました。地耐力を調べる方法として効果的です。前述したように、支持層はある程度の厚みがあるのか?という点に注意したいものです。下記も併せて学習しましょうね。
地耐力が分かる試験とは?1分でわかる種類、平板載荷試験、サウンディング試験との関係
標準貫入試験とは?1分でわかる意味、打撃回数とn値の関係、試料の種類
スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)とは?地耐力の求め方と限界
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平板載荷試験とはどのような試験か説明してください。
平板載荷試験は、地耐力を実地で測定する方法です。予定する支持層の上に直径30cmの鉄板を敷き、反力装置・ジャッキ・架台を組んで重量物を載せ、時間の経過と地盤の強度(極限支持力qt)を測定します。
平板載荷試験による地耐力の算定式を答えてください。
qa=qt/3+(N'×r×Df)/3 です(qtは極限支持力、N'は土の種類・密実さで決まる値、rは土の単位体積重量、Dfは基礎底)。N'は密実な砂層12、ゆるい砂層6、粘土層3とします。
平板載荷試験で注意すべき点を説明してください。
直径30cmの円盤で測定している点です。基礎から地盤へ力が伝わる範囲(圧力球根)は基礎の大きさに応じて広がるため、想定支持層が薄くN値の低い層があると、平板載荷試験では良くても実際の基礎では軟弱地盤に荷重が広がり過大評価となる恐れがあります。
