この記事の要点
ポルトランドセメントは、石灰石・粘土・けい石・酸化鉄などを焼成したクリンカーを粉砕したセメントで、日本で最も広く使用されます。
種類は普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩の6種類があり、用途に応じて使い分けます。
この記事では、ポルトランドセメントとは何か、6種類はどう違うのか、用途に応じてどう使い分けるのかを整理します。
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ポルトランドセメントとは、日本で一般的に使用されるセメントの種類です。ポルトランドセメントの中でも種類が6つあります。
また、高炉セメント、フライアッシュセメントがあります。今回は、ポルトランドセメントの種類、成分、使い方と特徴について説明します。
普通ポルトランドセメントとは?記号N・強度・使い方・規格を解説
ポルトランドセメントとは、日本で一般的に使用されるセメントの種類です。JISに品質が規定されるセメントは、下記です。
・ポルトランドセメント
・高炉セメント
・フライアッシュセメント
・シリカセメント
・エコセメント
上記の中でも、ポルトランドセメントは広く使われています。ポルトランドセメントの品質はJIS R 5210に規定されます。
JASS5によれば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメントで、セメント全体の98%を占めます。
※高炉セメント、フライアッシュセメントは下記が参考になります。
フライアッシュセメントとは?特徴・種類と高炉セメントとの違い
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ポルトランドセメントの種類を下記に示します。
・普通ボルトランドセメント
・早強ボルトランドセメント
・超早強ボルトランドセメント
・中庸熱ボルトランドセメント
・低熱ボルトランドセメント
・耐硫酸塩ポルトランドセメント
普通ポルトランドセメントは、最も一般的なセメントです。一般のコンクリート工事に使います。特に理由が無ければ、普通ポルトランドセメントを使ってください。
普通ポルトランドセメントとは?記号N・強度・使い方・規格を解説
早強ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメントに比べて強度の発現が速いです。低温でも強度発揮します。
早強ポルトランドセメントとは?読み方・記号・特徴・強度発現を解説
超早強ポルトランドセメントは、早強よりも強度発現が早いです。中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱が小さいセメントです。乾燥収縮が小さいメリットがあります。
低熱ポルトランドセメントは、中庸熱ポルトランドセメントよりも水和熱が小さいセメントです。中庸熱と同様に、乾燥収縮が小さいです。
低熱ポルトランドセメントとは?水和熱・初期強度の特徴と用途・他セメントとの比較
中庸熱ポルトランドセメントとは?読み方・特徴・強度発現・養生期間を解説
耐硫酸塩ポルトランドセメントは、名前の通り、硫酸塩に対する抵抗性の高いセメントです。
高炉セメントは海水や化学薬品などの抵抗性が高いセメントです。また、水和熱が小さいので乾燥収縮が起きにくいです。フライアッシュセメントは、水和熱、乾燥収縮が小さいセメントです。下記が参考になります。
フライアッシュセメントとは?特徴・種類と高炉セメントとの違い
セメントは水和反応により硬化します。水和反応とは、水とセメントが合わさるときに起こる化学反応です。水和反応が起きると、熱が生じます。これが水和熱です。水和反応が活発になると、硬化が促進されます。
よって、早強ポルトランドセメントは、水和熱が高く寒い地域でも強度が発現します。一方、中庸熱ポルトランドセメントは、水和反応がゆっくり進むので、水和熱が低いです。水和熱が低いと、硬化が進みにくいです。
※また、コンクリートの種類は下記が参考になります。
各ポルトランドセメントの使い方を整理しました。
・普通ボルトランドセメント ⇒一般的なコンクリート工事に使う。
・早強ボルトランドセメント ⇒工期の短い工事に使う。冬の工事に使う。
・超早強ボルトランドセメント ⇒工期の短い工事に使う。冬の工事に使う。
・中庸熱ボルトランドセメント ⇒水和熱を抑える目的で使う。マスコンクリート、高強度コンクリートなどに使う。
・低熱ボルトランドセメント ⇒中庸熱ポルトランドセメントと同様の使い方をします。
・耐硫酸塩ポルトランドセメント ⇒硫酸塩がでる温泉や、工場近くの工事で使う。
※マスコンクリート、高強度コンクリートについては下記が参考になります。
マスコンクリートとは?JASS5の定義・内部温度上昇・特徴を解説
高強度コンクリートとは?1分でわかる意味、呼び強度、jis、水セメント比
ポルトランドセメントの成分を下記に整理しました。
・酸化マグネシウム
・三酸化硫黄
・アルカリ
・塩化物イオン
・けい酸三カルシウム
・けい酸二カルシウム
・アルミン酸三カルシウム
ポルトランドセメントの強度を種類別に整理しました。
・普通ボルトランドセメント ⇒ 12.5、22.5、42.5(3日、7日、28日の順)
・早強ボルトランドセメント ⇒ 20.0、32.5、47.5(3日、7日、28日の順)
・中庸熱ボルトランドセメント ⇒ 7.5、15.0、32.5(3日、7日、28日の順)
・低熱ボルトランドセメント ⇒ 7.5、22.5、42.5(7日、28日、91日の順)
普通ポルトランドセメントと早強ポルトランドセメントを見比べてください。
早強の方が、同じ期間でも強度が高いですね。
次に、普通ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントを比較します。
同じ期間でも、中庸熱の方が、強度が小さいですね。
下記も参考になります。
普通ポルトランドセメントとは?記号N・強度・使い方・規格を解説
早強ポルトランドセメントとは?読み方・記号・特徴・強度発現を解説
混同しやすい用語
早強ポルトランドセメント(そうきょうポルトランドセメント)
水和反応が速く、材齢3〜7日で普通ポルトランドセメントの28日強度に近い強度を発現するセメントです。
早強ポルトランドセメントは初期強度の発現が速く水和熱が大きいのに対して、普通ポルトランドセメントは初期強度の発現が標準的で水和熱も中程度であり、工程短縮が必要な場合や冬季施工で早強型が選択されます。
低熱ポルトランドセメント(ていねつポルトランドセメント)
水和熱を最小限に抑えたポルトランドセメントで、マスコンクリートなどの大断面部材の温度ひび割れ対策に使用します。
低熱ポルトランドセメントは水和熱が最も小さい反面、初期強度が遅く発現するのに対して、普通ポルトランドセメントは水和熱・強度発現速度ともに標準的な汎用性の高いセメントです。
| 種類 | 記号 | 水和熱 | 特徴・主な用途 |
|---|---|---|---|
| 普通ポルトランドセメント | N | 中 | 最も一般的。一般コンクリート工事に使用 |
| 早強ポルトランドセメント | H | 大 | 強度発現が速い。工期短縮・冬季施工に有利 |
| 超早強ポルトランドセメント | UH | 大 | 早強より更に速い強度発現。緊急工事向け |
| 中庸熱ポルトランドセメント | MH | 小 | 水和熱が低く乾燥収縮小。マスコンクリートに使用 |
| 低熱ポルトランドセメント | LH | 最小 | 水和熱が最も低い。大断面部材の温度ひび割れ対策 |
| 耐硫酸塩ポルトランドセメント | SR | 小 | 硫酸塩に強い。温泉地・化学工場近くの工事 |
| 種類 | 3日強度 | 7日強度 | 28日強度 |
|---|---|---|---|
| 普通ポルトランドセメント | 12.5 | 22.5 | 42.5 |
| 早強ポルトランドセメント | 20.0 | 32.5 | 47.5 |
| 中庸熱ポルトランドセメント | 7.5 | 15.0 | 32.5 |
| 低熱ポルトランドセメント | ―(7日:7.5) | ―(28日:22.5) | 42.5(91日) |
今回は、ポルトランドセメントの意味を説明しました。ポルトランドセメントは日本で一般的に使用されるセメントです。
ポルトランドセメントの種類、各特徴、使い方を理解してください。「早強ポルトランドセメント」などは、名前から、特性が理解しましょう。
セメントと水和反応の関係をおさえてください。下記も併せて学習しましょう。
中庸熱ポルトランドセメントとは?読み方・特徴・強度発現・養生期間を解説
早強ポルトランドセメントとは?読み方・記号・特徴・強度発現を解説
低熱ポルトランドセメントとは?水和熱・初期強度の特徴と用途・他セメントとの比較
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ポルトランドセメントとは何ですか?
石灰石・粘土・けい石・酸化鉄などを焼成したクリンカーを粉砕したセメントです。日本で最も広く使用されます(普通・早強・高炉でセメント全体の約98%)。
ポルトランドセメントの6種類は?
普通(N)・早強(H)・超早強(UH)・中庸熱(MH)・低熱(LH)・耐硫酸塩(SR)の6種類です。
早強と中庸熱の水和熱・強度発現の違いは?
早強は水和熱が大きく初期強度の発現が速い(工期短縮・冬季施工に有利)、中庸熱は水和熱が小さく強度発現がゆっくり(マスコンクリート向けで乾燥収縮も小さい)です。
