この記事の要点
耐震壁に開口を設けると壁の剛性・耐力が低減し、開口周比(開口周長/壁周長)が一定値以上になると耐震壁とみなされなくなる。
開口の大きさ・位置・形状が耐震壁としての性能に大きく影響するため、構造計算では開口低減率を用いて壁剛性・耐力を補正する。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
耐震壁(鉄筋コンクリート造)に開口を設けると「耐震壁としての耐力が低減」又は「開口が大きすぎると耐震壁として機能しなくなる」ので注意が必要です。
また、開口が小さくても耐震壁に設ける位置によっては、耐震壁とみなさない場合もあります。
開口の面積により耐震壁かどうか判断する指標として「開口周比(かいこうしゅうひ)」があります。
今回は耐震壁と開口の関係、意味、位置、低減率、柱際の開口について説明します。耐震壁、開口周比の意味は下記が参考になります。
耐震壁とは?耐力壁との違い・役割・EW記号をわかりやすく解説
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
耐震壁(鉄筋コンクリート造)に開口を設けると、
・耐力壁としての耐力が低減(小さくなる)
・耐震壁として機能しなくなる(耐震壁で無くなる)
ので注意が必要です。下図をみてください。耐震壁に大きな開口が空いています。これは耐震壁とは言いません。当たり前ですが「開口が大きすぎる」からです。
また下図のように、位置の異なる小開口が2つ空いています。この場合も、計算方法によるのですが「耐震壁と見なさない」ことがあります。
複数の開口が空く場合は包絡した開口で考慮するからです。
また下図のように、梁上から梁下まで開口が空いていると耐震壁になりません。
開口の面積は小さいですが、壁が2つに分かれているからです。さらに、柱際に梁上~梁下まで開口が空く場合も、耐震壁とは見なしません。
壁の周りを柱と梁で囲んでいないと耐震壁として機能しないからです。耐震壁の意味、開口との関係は下記(記事および書籍)が参考になります。
耐震壁とは?耐力壁との違い・役割・EW記号をわかりやすく解説
開口の無い耐震壁(目くら壁)の耐力を100%とすると、開口のある耐震壁の耐力は60~90%程度になります。
当然、開口が大きいほど低減率は大きくなり耐力は低下します。
また、開口の面積が耐震壁の面積の4割を超えると「耐震壁と見なしません(耐震壁で無くなる)」ので注意しましょう。
開口面積と耐震壁の面積との比率を「開口周比」といいます。前述した耐震壁の低減率も開口周比の値を元に算定します(※他の計算式もある)。
開口周比の詳細は下記が参考になります。
耐震壁の開口を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 開口のある耐震壁の耐力低減 | 目くら壁の60〜90%程度 | 開口が大きいほど低減率大 |
| 耐震壁と見なさない基準 | 開口面積が耐震壁面積の4割超 | 開口周比で評価(複数開口は包絡して計算) |
| 柱際の梁上・梁下の開口 | 耐震壁と見なさない | 壁が柱・梁に囲まれていないと耐震壁として機能しない |
今回は耐震壁の開口について説明しました。耐震壁に開口は付きものです。ただし、開口を空けると耐震壁の耐力が低減します。
一般的に、構造的にはできるだけ壁が少ない方が良いです。開口周比の計算方法や開口の位置の考え方など下記も勉強しましょうね。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
この記事の内容を○×クイズで確認する
この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
