この記事の要点
増築とは、既存建築物の床面積を増加させる行為のことです。同一敷地内に別棟を新設する場合も増築に含まれます。
増築では確認申請が原則必要です。既存不適格建築物(現行法規に不適合な建物)に増築する場合は、既存部分への法規の遡及適用が問題になることがあります。増築の規模・用途変更の有無によって適用条件が変わります。
増築の確認申請では既存部分を既存不適格のままにしつつ、エキスパンションジョイントで切り離す手法が実務でよく用いられる。
この記事では、増築とは何か、確認申請とは何か、既存建築物とどう関係するのかを整理します。
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増築とは、建築物の床面積を増加させることです。元の建物の床面積を増やさなくても、同じ敷地内に別棟の建築物を建てれば、敷地に対して増築したという扱いです。今回は増築の意味、確認申請、既存建築物との関係について説明します。
増築は、既存不適格と大きく関係します。下記も併せて参考にしてください。
既存不適格とは|遡及の緩和・増築・大規模修繕での扱いをわかりやすく解説
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増築とは、建築物の床面積を増加させることです。下図をみてください。元の建物に部屋を増やすため床面積が増えました。当然、増築です。一方で、同じ敷地内ですが、元の建物から離れた位置に、別の建物を建てた場合、これも増築に該当します。
同じ敷地に対して、「床面積が増えた」といえるからです。なお、建築基準法では、新築、増築、改築、移転を、「建築」といいます。
思っている以上に、増築は複雑です。元の建築物への影響を考えながら、増築部分の設計を行います。また、工事が始まってから問題が発生することも少なくないです(図面に描いてない配管が見つかるなど)。増築は、新築に比べて、技術的に複雑です。
よって、できる限り、既存建築物と増築部分は、互いに影響しない構造方法が必要です。簡単な方法が「縁を切る(既存と増築部を別棟にする)」ことです。
要するに、既存部分から切り離して、増築部を建てます。ただ、構造的に切り離しても、建物として一体でないと使いにくいです。
そこで、「エキスパンションジョイント」を使います。※エキスパンションジョイントの意味は、下記の記事が参考になります。
エキスパンションジョイントとは?意味・目的・構造と設置が必要なケース
増築の確認申請では、既存建築物に注意します。ポイントは2つです。
・増築部は現行の建築基準法に適合させること
・既存部分は既存不適格のままで問題ない設計を行うこと
増築部を現行法規に適合させるのは、当たり前ですね。問題は既存部分の扱いです。既存建築物が、既存不適格の場合、現行法規に適合させるのは面倒です。できるだけ、既存建築物は「何もしない」のが一番簡単です。
簡単な方法が、既存不適格建築物と増築部を、エキスパンションジョイントで接合することです。※エキスパンションジョイント、既存不適格は、下記が参考になります。
エキスパンションジョイントとは?意味・目的・構造と設置が必要なケース
既存不適格とは|遡及の緩和・増築・大規模修繕での扱いをわかりやすく解説
エキスパンションジョイントで既存部分と切り離せば、既存部は「既存不適格のまま」にできます。
ただし、増築部の面積(1/20以下かつ50㎡以下、または1/2以下)により、既存建築物に対する検証項目が違います。
増築部の面積が1/20以下かつ50㎡以下で、エキスパンションジョイントで切り離した場合、既存不適格部の検証は不要です。
1/2以下、1/2以上の場合、エキスパンションで切り離しても、既存建築物の構造的な検証が必要になります。
混同しやすい用語
増築
既存建築物の床面積を増加させること。同一敷地内に別棟を建てる場合も増築に含まれる。
改築が既存建物の一部を取り壊して同一用途・規模で建て直すことであるのに対して、増築は床面積が増加する点が異なる。
改築
建築物の一部を取り壊し、従前と同様の用途・構造・規模で建て直すこと。床面積は原則増加しない。
増築が床面積の増加を伴うのに対して、改築は床面積が変わらない(または減少する)点で区別される。
増築を整理した表を示します。
| 項目 | 増築 | 改築 |
|---|---|---|
| 床面積 | 増加する | 変わらない(原則) |
| 別棟の扱い | 同一敷地内の別棟も増築に該当 | 該当しない |
| 確認申請 | 増築部は現行法規に適合させる | 原則として現行法規への適合が必要 |
今回は増築について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
増築は、元の建物の床面積が増加することです。
建物が離れていても、同じ敷地内の床面積が増えれば増築に該当します。
増築は、技術的・申請的にも複雑です。
既存不適格、エキスパンションジョイントとの関係も理解しましょう。
下記が参考になります。
エキスパンションジョイントとは?意味・目的・構造と設置が必要なケース
既存不適格とは|遡及の緩和・増築・大規模修繕での扱いをわかりやすく解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では増築・改築・新築・移転など「建築行為の定義」を区別する問題が頻出で、増築の確認申請要否に絡む出題も多い。
「増築=床面積が増える」「改築=床面積が変わらない」と対比で覚えると素早く判断できる。