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極限支持力は、終局状態における杭の支持力です。杭が負担できる限界の支持力といえます。
今回は極限支持力の意味、許容支持力との違い、求め方、安全率の考え方について説明します。
※杭の意味・種類、許容支持力、安全率の意味は下記が参考になります。
杭の種類はどのくらい?設計者が教える杭の種類と各杭の特徴、施工方法
許容支持力とは?1分でわかる意味、n値、qa、地耐力との違い、杭との関係
極限支持力は、終局時における杭の支持力です。終局時とは、「大地震時」と考えてもよいでしょう。※大地震については下記が参考になります。
大地震時とは、極めて稀に発生する地震です(数百年に一度の頻度)。
極限支持力は、「杭」の支持力値です。ネットでは、「極限支持力度」と「極限支持力」を混同する記事が散見されます。
極限支持力度は「直接基礎」の値で、極限支持力は杭基礎の値です。
これは告示などで明確に使い分けされているので、間違えないよう注意したいですね。
極限支持力度とは?1分でわかる意味、計算、n値との関係、許容支持力度
さて、大地震時に作用する反力の値をNuとします。杭の極限支持力はRuです。終局時の反力は、必ず極限支持力未満とします(下式の関係です)。
極限支持力を超えると、杭が損傷あるいは地盤の沈下・損傷など、建築物の崩壊を招く危険性があります。
そのため極限支持力に安全率を考慮して、下記の値を規定します。※安全率は下記が参考になります。
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極限支持力は、杭または地盤が負担できる極限の支持力です。この値を用いて設計することは大変危険です。
設計時に考慮しなかった荷重増加、支持力の計算値と実況の違いなど、極限の値を超える恐れがあるからです。
よって、極限支持力に安全率を考慮します。安全率は、長期および短期時の値で違います。極限支持力をRu、許容支持力をRaとしたとき、下記の関係にあります。
上記のように、安全率を考慮します。許容支持力、安全率の意味は下記をご覧ください。
許容支持力とは?1分でわかる意味、n値、qa、地耐力との違い、杭との関係
鉄筋コンクリートの安全率と考え方が似ていますね。
極限支持力および許容支持力の記号は下記です。
許容支持力とは?1分でわかる意味、n値、qa、地耐力との違い、杭との関係
極限支持力は下式より算定します。
上式の右辺の左項が、杭先端の支持力、右項が杭周面の摩擦力です。これを合算した値が、極限支持力です。
Ruは極限支持力、αは支持力係数、Nは平均N値、Apは杭の有効断面積です。βやγは工法ごとの係数です。
Nsは杭周面の砂質地盤のN値、Lsは杭周面の砂質地盤の長さ、quは杭周面の粘土地盤の一軸圧縮強度、Lcは杭周面の粘土地盤の長さ、φは杭の周長です。
支持力係数、周面摩擦力の詳細は下記が参考になります。
杭の支持力係数は?1分でわかる意味、支持力計算、打撃杭、埋込み杭との関係
周面摩擦力とは?1分でわかる意味、計算、n値、粘着力との関係
各記号の単位を示します。
支持力係数αは、β、γは各工法によって値が異なります。例えば支持力係数は、打ち込み杭、埋め込み杭、場所打ち杭により下記の値です。
またβ、γは下記の値が用いられます(何度もいいますが工法ごとに違います)。
一般的な埋込杭である、PHC杭(セメントミルク工法)では上記の値が用いられます。PHC杭については下記が参考になります。
軟弱地盤で、杭周面の摩擦力が見込めないとき(杭周面のN値が0)は先端の支持力のみ考慮します。杭先端のみの極限支持力は下式です。
Nは杭の平均N値です。※平均N値は下記が参考になります。
今回は極限支持力について説明しました。極限支持力の意味、計算法など理解頂けたと思います。
今回示した計算式は、ほとんどの杭で共通した計算式で、あとは係数が各メーカー、各工法により違います。
支持力係数αなど注目して調べてみてください。下記も併せて参考にしてくださいね。
許容支持力とは?1分でわかる意味、n値、qa、地耐力との違い、杭との関係
杭の支持力係数は?1分でわかる意味、支持力計算、打撃杭、埋込み杭との関係
杭の種類はどのくらい?設計者が教える杭の種類と各杭の特徴、施工方法
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